【財務・会計】合格率8.4%の鬼門、AIで斬る|過去5年・全問分析で見えた令和8年の攻略法 by やすとも

タキプロ17期の   やすとも と申します。  今回は3回目の投稿になります。

前回の投稿では「財務と経済は投資という一本の線でつながっている」とお伝えしました。
今回はその「財務」側、1次試験の財務・会計を深掘りします。

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■はじめに

「財務・会計は7科目の中で一番難しい」——そう聞いて身構えている方も多いのではないでしょうか。令和7年度の科目合格率は約8.4%と、過去まれに見る厳しい結果でした。
しかし「難しい」の正体をデータで見ると、意外な事実が浮かび上がってきます。

今回は、令和3年〜令和7年の過去問(全125問)をAIを使って分析しました。
このデータをもとに、財務・会計が初学者でも得点源にできる理由と具体的な攻略法をお伝えします。

※本分析はAIによる判定をベースにしており、解釈の相違が生じる可能性があります。
100%の正確性を保証するものではありません。

■ まず「財務・会計」の全体像を掴もう

戦略を語る前に、科目の構造を整理しておきましょう。

財務・会計は大きく 「会計(アカウンティング)」「財務(ファイナンス)」 の2つに分かれています。
「会計で企業の現状を読み、ファイナンスで意思決定をする」——
この2軸の役割を意識しながら学ぶだけで、バラバラに見えていた論点がぐっと整理されます。

では実際の試験では、この2つがどのくらいの割合で出題されているのでしょうか。

■ データ①:会計 vs ファイナンス — 出題比率の推移

令和3年〜令和7年の年度別出題設問数を集計したのが以下の表です。

年度総設問数会計設問ファイナンス設問会計比率
令和3年(2021)25141156%
令和4年(2022)25141156%
令和5年(2023)25141156%
令和6年(2024)25131252%
令和7年(2025)25121348%


注目すべきは「ファイナンス」が年々増加傾向にある点です。
令和3〜5年は11問だった「ファイナンス」が、令和7年には13問と2問増加しています。
令和8年度以降もこの傾向が続く可能性があり、「ファイナンス」対策の重要性は増しています。

■ データ②:5年間の出題一覧

過去5年間(令和3〜令和7年度)の全設問を年度別にまとめました。 「会計」「ファイナンス」の分野と論点・テーマを一覧で確認できます。

令和3年(2021)

設問論点・テーマ分野
1売上割引・仕入割引の処理会計
2本支店会計(内部取引消去)会計
3定率法・固定資産除却損会計
4のれんの処理(企業結合)会計
5負債性引当金の設定要件会計
6収益認識基準(役務収益・中小会計)会計
7個別原価計算(製造間接費配賦)会計
8販売予算・利益差異分析会計
9キャッシュ・フロー計算書会計
10設問1経営分析(収益性・効率性指標)会計
10設問2経営分析(安全性指標)会計
11サービス業の原価計算会計
12製造原価の計算会計
13資金繰り表の作成会計
14資金調達形態の比較ファイナンス
15WACC・企業価値ファイナンス
16株主還元・配当ファイナンス
17MM理論(資本構成)ファイナンス
18税引後キャッシュフロー計算ファイナンス
19投資案の評価(NPV・IRR)ファイナンス
20ポートフォリオ理論・市場ポートフォリオファイナンス
21配当割引モデル(DDM)ファイナンス
22設問1企業価値評価(FCF法)ファイナンス
22設問2企業価値評価(マルチプル)ファイナンス
23オプション取引ファイナンス

令和4年(2022)

設問論点・テーマ分野
1銀行勘定調整表会計
2貸借対照表の財務状態分析会計
3割賦販売・収益認識会計
4外貨建取引・為替差損益会計
5のれん・無形固定資産の減損会計
6原価計算における非原価項目の判定会計
7繰越欠損金・繰延税金資産(税効果会計)会計
8従業員給与・賞与の預り金処理会計
9退職給付会計(数理計算上の差異)会計
10自己株式の純資産への影響会計
11減価償却(直接法・間接法)会計
12設問1直接原価計算による利益計算会計
12設問2損益分岐点売上高(CVP分析)会計
13設問1資金繰り表の作成会計
13設問2資金繰り対策のアドバイスファイナンス
14複利現価係数・年金現価係数ファイナンス
15相関係数の基礎ファイナンス
16ポートフォリオ理論・効率的フロンティアファイナンス
17サステナブル成長率ファイナンス
18割引超過利益モデル(RIM)ファイナンス
19非上場株式の評価ファイナンス
20先物取引・先渡取引ファイナンス
21投資評価基準(回収期間法・NPV比較)ファイナンス
22確実性等価法ファイナンス
23配当政策ファイナンス

令和5年(2023)

設問論点・テーマ分野
1売上原価の計算(移動平均法)会計
2仕訳処理(収益認識基準・複合取引)会計
3減価償却(200%定率法)会計
4連結会計(資本連結・少数株主持分)会計
5会社法上の計算書類の作成・開示義務会計
6法人税額会計
7剰余金の配当(分配可能額)会計
8貸借対照表の資産・負債区分表示会計
9キャッシュ・フロー計算書(間接法)会計
10総合原価計算(平均法)会計
11安全性指標(流動比率・負債比率等)会計
12設問1付加価値率の計算会計
12設問2労働生産性の計算会計
13CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)ファイナンス
14ROE・配当性向・株価指標ファイナンス
15設問1MM理論(無税世界)ファイナンス
15設問2MM理論(法人税考慮)ファイナンス
16機会原価・埋没原考ファイナンス
17IRR法による投資案評価ファイナンス
18ポートフォリオ理論(分散・標準偏差)ファイナンス
19セミストロング型効率的市場仮説ファイナンス
20割引キャッシュフロー(DCF)ファイナンス
21サステナブル成長率ファイナンス
22市場リスク(β係数・CAPM)ファイナンス
23為替予約によるデリバティブ取引ファイナンス

令和6年(2024)

設問論点・テーマ分野
1収益認識基準・貸倒引当金繰入会計
2金銭債権・債務と経過勘定会計
3金融商品会計(有価証券評価)会計
4会社法・会社計算規則における資本金会計
5従業員給与・法定福利費の処理会計
6貸借対照表の表示方法会計
7CF計算書の営業活動項目会計
8中小企業の会計に関する指針会計
9法人税に関する規定会計
10原価の分類・原価計算会計
11無形固定資産の取得・減価償却会計
12設問1CVP分析(次期利益計画策定)会計
12設問2CVP分析(損益分岐点分析)会計
13資金調達方法の選択ファイナンス
14WACC(加重平均資本コスト)ファイナンス
15配当政策(業績連動型)ファイナンス
16株式分割が財務指標に与える影響ファイナンス
17投資案のNPV評価ファイナンス
18投資プロジェクトの経済性評価(IRR)ファイナンス
19ポートフォリオ理論・効率的フロンティアファイナンス
20CAPM(資本資産価格モデル)ファイナンス
21サステナブル成長率・株主価値ファイナンス
22フリーCFに基づく企業価値評価ファイナンス
23乗数法(マルチプル法)ファイナンス
24通貨オプションファイナンス

令和7年(2025)

設問論点・テーマ分野
1貸倒引当金(差額補充法・販管費区分)会計
2会社法上の計算書類と会計帳簿会計
3消費税・法人税の計算(税抜経理)会計
4中小企業会計指針における棚卸資産会計
5固定資産(ソフトウェア・無形資産)会計
6繰延資産の処理会計
7投資有価証券(移動平均法)会計
8損益計算書の営業損益区分会計
9税効果会計(繰延税金資産・負債)会計
10連結財務諸表会計
11材料原価差異分析(先入先出法)会計
12完成品原価計算(平均法・正常仕損)会計
13営業レバレッジファイナンス
14リース料金計算(ファイナンスリース)ファイナンス
15資本コスト・リスクプレミアムファイナンス
16WACC(加重平均資本コスト)ファイナンス
17投資分析(CF予測・税引後)ファイナンス
18正味現在価値(NPV)計算ファイナンス
19投資評価基準の比較ファイナンス
20設問1ポートフォリオ理論(安全資産なし)ファイナンス
20設問2ポートフォリオ理論(安全資産あり)ファイナンス
21フリー・キャッシュフローファイナンス
22EBITDA倍率・株価CF倍率ファイナンス
23先渡取引と先物取引の比較ファイナンス
24スワップ取引ファイナンス

■ データ③:5年間の会計頻出論点表

過去5年間で出題された論点をまとめました。「●」が出題年です。
優先度の高い論点から順に並べています。
※「●(2)」は該当年度の「会計」において、実質的に2問出題されたことを示してます

【最優先:3〜4回出題】確実に得点源にする

論点R3R4R5R6R75年計
収益認識基準4回
CF計算書(間接法)3回
無形固定資産・ソフトウェア3回
CVP分析・損益分岐点●(2)3回
財務比率分析(経営分析)●(2)3回
会社法・会社計算規則3回
連結会計(詳細)3回
中小企業会計指針3回

【次に対策:2回出題】しっかり押さえる

論点R3R4R5R6R75年計
貸倒引当金2回
売上原価・棚卸資産2回
減価償却2回
有価証券の評価2回
連結会計(基礎)2回
BS区分表示2回
給与・預り金・法定福利費2回
総合原価計算2回
資金繰り表2回
のれん・企業結合2回
税効果会計(詳細)2回
法人税規定2回
付加価値・労働生産性●(2)2回

【余力があれば:1回出題】出たら加点のつもりで

論点R3R4R5R6R75年計
繰延資産1回
自己株式1回
剰余金の配当1回
銀行勘定調整表1回
外貨建取引(基礎)1回
個別原価計算1回
直接原価計算1回
予算差異分析1回
サービス業原価1回
材料費・原価差異分析1回
本支店会計1回
退職給付会計1回
外貨換算会計(詳細)1回
金融商品会計1回
収益認識(割賦販売等詳細)1回
減損会計(のれん等)1回

■ データから導く令和8年度の攻略戦略

令和7年度の財務・会計の科目合格率は、過去に例を見ないほど厳しい結果となりました。
特に前半の「会計」において、細かい知識が問われる問題が増えています。

一方、後半の「ファイナンス」はテーマ自体に大きな変化はなく、過去問演習で対応できる問題が中心でした。
ただし計算に時間がかかる問題も多く、60分という制限時間の中でのタイムマネジメントが求められました。

データと試験傾向の両方から、令和8年度に向けては次の戦略が有効と考えます。

戦略①:会計頻出論点を優先度順に仕上げる

会計頻出論点表の「最優先」8論点(3〜4回出題)を確実に得点できる状態にすることが最優先です。この8論点だけで過去5年に合計25回出題されています。

  • まず「最優先」の論点を上から順に仕上げる
  • 次に「次に対策」の13論点を押さえる
  • 「余力があれば」の論点は深追いせず、「出題されたら現場対応で乗り切る」など割り切りも必要

    ※簿記2級の知識がある方は、これらの多くにすでに対応できているため、過去問演習で確認しながら穴を埋めていく方法が効率的

戦略②:「ファイナンス」は「パターン練習」で得点源にする

「ファイナンス」は毎年11〜13問と試験の約半数を占めます。最大の特徴は「解法パターンが決まっている」こと。
正しい解法を反復練習で身につければ、難しそうに見えても安定して得点できます。

特に優先すべき論点はこちらです。

論点特徴
NPV・IRR・回収期間法毎年3問前後。解法パターン固定。事例Ⅳにも直結
WACC・資本コスト毎年出題。計算式を覚えれば対応可能
ポートフォリオ理論毎年出題。β係数・CAPMとセットで対策
企業価値評価(FCF・マルチプル)R3以降毎年出題
CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)運転資本管理の指標。資金効率改善の文脈で出題


NPVは事例Ⅳでも必ず出題されるため、必ず押さえましょう。

「1次の勉強がそのまま事例Ⅳに活きる」——財務・会計は、コスパの高い科目です。

戦略③:60分の使い方を設計する

私が実践していたのは次のルールです。

  1. 最初の30分で「知識問題・計算の軽い問題」を先に回収する
  2. 残り30分でNPVなどの重い計算問題に集中する
  3. 軽い問題に5分以上かけない。30秒で解法が思い浮かばないときは即フラッグを立てて次へ

1次試験は「解ける問題を確実に取る」試験です。

■ おわりに

データ③の頻出論点表が示すとおり、「最優先」と「次に対策」の論点を押さえるだけで、会計パートの大部分に対応できます。
「難しい」というイメージは、範囲の広さから来る錯覚であって、基礎を積み上げれば必ず得点源にできます。

そして、解法パターンが決まっている「ファイナンス」は、反復練習で必ず攻略できます。
しかもNPVは事例Ⅳに直結します。1次と2次を同時に攻略する一石二鳥の投資として、ぜひ「ファイナンス」に時間をかけてみてください。

財務・会計の攻略は 「会計頻出論点の優先度順の習得」と「ファイナンスの反復練習」 がカギです。
どんな背景を持つ受験生にも、この戦略は有効なはずです。

最後に「会計」と「ファイナンス」について、参考になりそうな動画(※PIVOT公式チャンネル)をご紹介します。

▼ 会計とファイナンスの関係
会計とファイナンスが「なぜ2つに分かれるのか」を直感的に理解できます。

▼ 財務三表の関係
BS・PL・CFの3つがどうつながっているかを視覚的に整理できます。

▼ 会計を生かしたファイナンス戦略
「1次で学んだ知識が実務・2次にどうつながるか」という感覚を養うのに最適です。


令和8年度の合格を、一緒に掴みましょう。

次回は、サバ さんの登場です。 

お楽しみに! 

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