時間配分を制するものは事例Ⅲを制す by リット

事例Ⅲ

読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ14期のリットと申します。

初めての投稿となりますが、1年間よろしくお願いします。

本日は4月3日ですね🌸

全国の新入社員の方にはとってはドキドキの初出社の日ではないでしょうか。まあ、私のようなおじさんには、ドキドキとした気持ちはもう残っていませんが・・・
桜咲き、新たな出会いに胸躍る、そんな日にお届けするのは、事例Ⅲについての記事です。

■自己紹介

まずは私、リットの自己紹介です。

年代/性別:30代後半 男性
職種:食品製造業
受験歴:1次2回、2次1回
勉強時間:1次800時間 2次300時間
勉強方法:1次⇒通信講座 2次⇒独学
得意科目:1次⇒財務会計・運営管理 2次⇒事例Ⅳ

妻の尻に敷かれながらも夜の晩酌と2人の子供をこよなく愛し、30年以上の住宅ローンという呪いがかかった何の変哲もないサラリーマンです。う~ん、至って普通の経歴ですね。ただそんな私でも、得意だと言いえる科目がありまして。それは1次試験の運営管理です。

というのも新卒で大手食品メーカーに入社し、「営業」「物流」「需給調整」「調達」「生産管理」といった業務を経験してきました。もう運営管理の出題内容ともろ被りです。なので、運営管理という科目は、好き嫌いや得意不得意の話ではなく業務の延長線上という感じでしたね。

もちろんテキストや過去問で勉強はそれなりにしましたが、R4年の運営管理は89点というそこそこの高得点で他科目をカバーできた次第です。

■事例Ⅲは一筋縄ではいかない?

えっ?今日は事例Ⅲがお題だってのになんでこんな話を、って?別に運営管理の点数自慢をしたかったわけではありません。

それは、「運営管理が得意」「事例Ⅲが得意」 ということをお話したかったからです。

私は上述の通り、運営管理はそこそこ得意でしたが、事例Ⅲはかなり苦手でした。事実、本番の2次試験では、事例Ⅲはすべての科目の中で一番点数が低かった(55点)のです。つまり、事例Ⅲは運営管理が得意なだけでは点数が稼げないと考えられます。(そんな奴が事例Ⅲの記事を書くな、ってツッコミはやめてください・・・)

確かに運営管理と事例Ⅲは非常に相関が強いです。まあ試験概要でも事例Ⅲは「生産・技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」と位置付けられてますしね。だからと言って運営管理が得意=事例Ⅲが得意、とならないのがこの試験の難しいところです。

製造業を本業とし運営管理を得意とする筆者でさえ、なぜ事例Ⅲでは得点が伸び悩むのか、そしてその事例Ⅲでは何を注意して取り組むべきなのか、それらを考察していきます。

■事例Ⅲの難しポイント① 改善ポイントが多すぎ(少なすぎ)て焦る

そもそも事例Ⅲは「生産・技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」なので基本的に事例企業は製造業が対象となります。

そして事例Ⅲの特徴は、他の事例企業と比較しある程度その企業の問題点がハッキリしているところだと思います。先日、ベストさんの記事でも記述されていました、所謂「だめだめポイント」なるものですね。
※「だめだめポイント」についての詳細はベストさんの記事を参照ください⇒https://www.takipro.com/2jishikenknow-how/case3/103813/

この「だめだめポイント」って正直、診断士の勉強していなくても一般的な感覚を持っていれば大体わかると思います。

段取り替えに時間がかかっていて納期遅延が発生している だの
倉庫が整理されておらず混乱のもとになっている だの
手順が標準化されておらず品質がバラついている だの
高齢化で若手が育っていない だの ・・・

診断士に縁のない方でも、普通の感覚を持っていれば「そりゃダメやん。改善せなアカンやろ」って思う内容ですよね。なので、改善ポイントが見つからない!と困る方はあまりいないと思います。

じゃあ何が難しいかっていうと、試験本番の80分でだめだめポイントがいくつも出てくるとかなり焦るんです。

あぁ、これは改善しなきゃいけないね。何?これも問題じゃん!え・・嘘だろ?この企業、こんなことも出来てないのかよ・・となってくると、このだめだめポイントをリストアップするだけで結構な労力と時間がかかります。

それに加え、事例Ⅲは比較的文章ボリュームも多く、且つ製造工程を頭に描きながら与件文解釈をしていく必要があります。

C社はどんな企業かを理解し、どのような業務フローと製造工程なのかを描き、だめだめポイントは何かを探し、さらに改善策を考え、設問文にあった回答を作成する・・・

この圧倒的時間不足が事例Ⅲの難しい理由その1です。

これの対処法は、

①過去問を幾つもこなして、一般的な製造業の流れを大まかでいいので理解しておき、基本的な製造工程や業務フローはすぐに描けるようにしておく
②だめだめポイントが出てきたときに悩む時間をかけず、瞬時に解決策が出るようにする

  • 段取りに時間が掛かっているなら「外段取り化」
  • 若手が育っていないなら「OJTの実施やマニュアルの作成」
  • 職場が散らかっているようなら「5Sの徹底やSLPによるレイアウト見直し」
  • 品質がバラついているなら「品質基準の設定や作業の標準化」
  • IT化ときたら「DRINKのフレームワークを使う」

などなど・・

これらの基本的な解決策は、瞬時に頭に思い浮かぶようにトレーニングしてください。

一番いい例として、平成28年度のカット野菜工場は特にだめだめポイントが盛り沢山な企業です。改善することが多すぎて、もう何から手を付けていいか本当に困りますね。だめだめポイントにはマーカーでしっかり色付けするなどして見落としを無くし、頻出のだめだめポイントには瞬時に対応できるよう訓練しましょう。

ただ逆に、だめだめポイントが少ないと「何をすればいいんだ?」となるので、それはそれで悩みますw
令和元年の金属加工工場は事例Ⅲでは珍しく、改善ポイントが見つけにくい企業だと思いますが、こういった変化球が来たときも対応できるように、過去問はある程度の年数分、しっかり勉強しておきましょう。

■事例Ⅲの難しポイント② 設問ごとの切り分けが難しい

そして次に出てくる厄介なのが、設問の切り分けです。

例えば、段取替えを効率(外段取り)化する、という対応策があったとして、「納期遅延に対する対応策を答えよ」「小ロット化に対する対応策を答えよ」って設問が来た場合、どちらに答えを書けばいいのか分からなくなることがあります。いわゆる、切り分けに悩むってやつです。

現にR4年の事例Ⅲについても、各予備校の模範解答によって設問ごとの切り分けが大きく異なりました。プロ集団である予備校の先生たちが時間と威信かけた渾身の回答ですら、予備校によって切り分けが異なってしまうほど事例Ⅲの切り分けは難しいということです。

この切り分け難しいよ問題が、事例Ⅲが難しい理由の2つ目です。

1次の運営管理はマークシート式で正解が一つしかありませんのである程度正解を絞り込むことができますが、2次の事例Ⅲは上述のように切り分けが非常に難解であり試験時間内で正解にたどり着くことは正直難しいです。この違いが、冒頭に記述した運営管理が得意でも事例Ⅲが得意とは限らないという理由だと思っています。

切り分けの考え方や手法は、人や教科書、予備校によって違うと思うので、この記事では書きませんが、唯一絶対と言えるのは、切り分けに悩んでタイムアップになり白紙で提出したらゼロ点であるということです。

繰り返しになりますが、事例Ⅲの切り分けを完璧に行い、真の正解にたどり着くことは80分の時間ではほぼ不可能だと思います。試験本番は周りの人が賢く見えてみんな出来てるように錯覚しますが、どうせほとんどの人が自信をもって切り分けられていません。(と言い聞かせて自分を落ち着かせましょう)

ちなみに自論ですが、事例Ⅲにおける切り分けって100%の正解は存在しないのではないかと思っています。上の例でも、段取り改善を行えば納期遅延の対応策になるし、小ロット化の対応策としても効果を発揮するし・・、と。解釈の仕方によって間違ってはいない以上、書けば多少の部分点はもらえるのではないでしょうか。(真実は採点者しかわかりませんが)

なので、切り分けに困ったらとりあえずどっちの設問にも回答しておく、くらいの少しリラックスした気持ちで臨みましょう。ただでさえ時間が足りない事例Ⅲで切り分けで時間を消費してタイムアップ、なんて悲しいことにならないよう注意し、部分点をしっかり取れれば十分合格点を狙えると思いますよ!

尚、私は令和4年の本番で、設問2と設問3の切り分けに悩みまくって時間が足りず、最後の方殴り書きでタイムアップとなってしまいました・・(55点だった言い訳)

■おわりに

事例Ⅲは中弛みする時間帯ですし、なんか地味な科目ですが、時間の使い方が凄く難しい科目だと思います。

だめだめポイントの整理に要する時間短縮と、切り分けをある程度にとどめるような時間配分が超大切だと思いますし、そこを制するようになれればグッと合格に近づけると思います。

一方、事例Ⅲは超高得点も足切りもあまり出ない科目なので、「ある程度点数取れれば、まあいいや」ぐらいの気持ちで臨めばいいのではないでしょうか。ここでは力を温存し、最後のラスボス事例Ⅳに全力を出しましょう。

是非、時間配分を意識してタイムアップにならないようにだけは気をつけてくださいね。

 

次回はたっかーさんの登場です。
お楽しみに!

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