【事例Ⅲ】社長の思いを汲み取って解答につなげよう! byなおやん

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目次
■はじめに
今回は、2次試験の解答を考える際に私が意識していた「社長の思い」について、事例Ⅲを例に紹介していきたいと思います。
「社長の思い」は単なる“経営者の希望”として読むのではなく、”C社が今後どの方向に進みたいのか”(≒出題者が受験生にどう解答してほしいのか)を示す重要なヒントだと私は思っています。その思いを解答にどうつなげていけばよいのか、少しでも参考になれば幸いです。
■社長の思いは”C社の目指す方向性”を示している
2次試験では、与件文から「今後は○○市場に進出したい」、「新製品を開発したい」、「短納期化を実現したい」といった社長の思い(=将来の方向性)が与えられることがあります。
ここを読み飛ばすと、目の前の生産現場の問題を解決するだけの答案になりがちです。
例えば、段取り作業に時間を要しているという問題点が与件文にあったとして、
「段取り作業を標準化することで生産リードタイムを短縮し、生産効率を高める。」
という解答は一見もっともらしいですが、社長が「今後、短納期対応を強みにして新規顧客を開拓したい」という思いを持っているなら、
「段取り作業を標準化することで短納期対応力を高め、新規顧客の獲得につなげる。」
としたほうが、現場改善と経営目標がつながった答案になります。
つまり、「社長の思い → 経営上の目標 → 生産上の課題 → 改善策」という流れを意識することが重要です。
事例Ⅲでは「生産現場をどう改善するか」だけではなく、「その改善によってC社をどうしたいのか?」まで考えると社長の思いに沿った解答になります。
■社長の思いは「設問で何を答えるべきか」のヒントになる
社長の思いは、設問の方向性を考えるうえでも重要です。例えば与件文に、
「社長は、今後は多品種少量生産への対応力を高め、顧客からの短納期要求に応えていきたいと考えている。」
と書かれていたとします。
そのうえで設問に、「C社の生産面の課題と対応策を答えよ。」とあれば、
・多品種少量生産
・短納期
・生産計画
・段取り
・工程間連携
などとの関連を考えるべきです。
ここで大切なのは、社長の発言そのものを答案に書けばよいわけではないということです。
つまり、社長の思いを「実現するためには現在の生産現場の何が問題なのか?」という問いに変換します。
例えば、与件文上の問題として、
・生産計画が担当者任せ
・頻繁な計画変更
・段取り替えが多く仕掛品が滞留
が挙げられていたならば、解答では
「生産計画の一元化・共有化により計画変更を抑制し、段取り作業を標準化することで多品種少量生産へ対応するとともに生産リードタイムを短縮する。」
という具合です。
■「問題を解決する答案」から「経営に貢献する答案」へ
事例Ⅲで私がよくやっていた失敗は、「現場改善で答案が終わってしまう」というものでした。
例えば、工程間の繁閑差という問題点があったとして、
「作業員の多能工化により工程間の応援体制を構築することで負荷平準化を図る。」
というのは悪い解答ではありませんが、社長が「今後の受注増加に対応したい」と考えているなら、
「作業員の多能工化により工程間の応援体制を構築することで負荷平準化を図り、受注増加に対応できる生産能力を確保する。」
と一歩踏み込んで解答することで、負荷平準化によるメリットまで明確になります。
事例Ⅲの解答では「改善策 → 効果」まで書くことが基本ですが、さらに一歩進めると「改善策 → 生産上の効果 → 経営上の効果」までつながります。
解答を考えるときには、「この改善をした結果、社長が実現したいことにどう近づくのか?」と自問すると、解答の方向性がかなり明確になります。
■「社長の思い」と「C社の強み」をセットで考える
もう一つ私が意識していたのは、社長の思いをC社の強みと結びつけることです。
事例Ⅲでは、C社が長年培ってきた技術力、熟練技能、顧客との関係、特定分野でのノウハウなどといった強みが与件文に書かれています。
例えば、
「社長は、熟練技術を活かして高付加価値製品の受注を拡大したい。」
という社長の思いが与件文に書かれていた場合、
C社の強み
→ 熟練技術・高い加工技術
社長の思い
→ 高付加価値製品の受注拡大
であるならば、必要な生産体制は、
→ 熟練技能の標準化、若手への技能伝承、品質維持
というように考えます。
すると、(もちろん与件文に該当の問題点を確認したうえで)
「熟練作業者の技能を標準化し、OJTと合わせて若手へ技能を伝承し将来にわたって品質を維持することで、高付加価値製品の生産体制を確立し受注拡大につなげる。」
といった解答につながります。
こうすることで、「単なる技能伝承」ではなく、「強みを維持・活用するための生産体制づくり」になっています。
■まとめ
以上をまとめると、以下のようになります。
| ○「社長の思い」の汲み取り方 | ○私たちが考えること |
| 目指す方向性 | C社は将来どうなりたいのか? |
| 解答へのヒント | 実現するために現在何が問題なのか? |
| 経営への貢献 | 改善すると経営上どんなメリットがあるのか? |
| 強みとの連携 | C社の強みをどう活かして実現するのか? |
与件文を読むときは「C社の現場にはどのような問題があるか?」だけではなく、「社長はC社をどうしたいのか?」を必ず押さえることで、
社長の思い → C社の強み → 現状の問題 → 原因 → 改善策 → 経営上の効果
という一本のストーリーを作ることができます。これができると、与件文に書いてある問題に対して「それっぽい改善策を書く」解答から、「C社の経営課題を踏まえた改善策を書く」解答へとつながっていきます。
特に事例Ⅲでは「社長の思い=将来のあるべき姿」、「与件文の問題点=現状とのギャップ」と捉えると、設問への対応がかなり楽になります。
■おわりに
次回は、うえぬ さんの登場です。
お楽しみに!
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