【日曜日は名古屋の日】”うめもん流”独断による平成28年度2次試験の所感と解答<事例Ⅲ編>

うめもん@タキプロです。
後半戦に突入。
もうしばらくお付き合いのほど・・・ 🙂 

 解答状況や条件はこちらを参照ください。

※今年受験されていない方へ 問題はこちらより入手してください。

平成28年度 第2次試験【事例Ⅲ】

 

【所感】難易度:高(難化)

・設問数は4問です。

・近年の事例Ⅲで数問は長文が出題される傾向にありましたが、今回は120字が1題、160字が2題ほとんどが長文の出題となっています。
・与件は特性要因図が初めて出されました。文章で表現する以上の弱みが列挙されており、図示から弱みの因果関係を読み取る必要もあります。
・第2問から第4問も関連性があり、例年以上に書き分けに苦心します。

以上より、近年の傾向を保ちながらも、特性が顕著になった分難化した印象でした。

 

【解答のプロセス】

 1.事例のテーマ

 品質(Q)とコスト(C)の管理精度向上を通して、収益性の向上とあらたな成長機会獲得を指向する企業の事例

 

2.各設問

 

(1)第1問 【難易度:中】

 b)の弱みは、表面的には収益性、真因は「分散」と「管理精度」で決まりです。ここは平易でしたがa)の強みは例年のようにストレートには記載されていません。

 与件3段落目の「同業者が卸売業者か中卸業者」、3~4段落目の「「原材料調達力」、ならびに与件7段落目の「関係に注目した(新たな取引の要望)」から農業法人(生産者)を親会社に持つ点を真因としました。”など””対応しやすい(断定口調の回避)”として多少ぼやかしてはいるものの、現時点でも「通年納品」は実現していないため他の表現を探しましたが時間切れ、「10点だからまぁいいか」との判断です。

 

(2)第2問 【難易度:高】

 収益改善に対応する与件中の弱みを抽出する問題です。収益改善のポイントは「原材料費」と「労務費」である旨が与件に明記されており、弱みの抽出自体は問題ありませんでしたが、調達改善、作業のバラツキ改善、設備点検は設問制約事項の「生産管理上」に該当するかどうかで随分悩みました。160字という文字数もあり、与件をくまなく使うことを優先させました。

 特に作業のバラツキ改善は悩みました。一見第3問の解答骨子とも思えるのですが、第2問で言及しておく必要があるからです
 「労務費」削減のアプローチは、①個人作業のムダの排除、②業務負荷を考慮した要員配置計画、の2通りです。このうち、②の要員配置を実現するためには、作業単位でバラツキを排除して標準時間を設定することが不可欠となります。全社での受注量を基に要員配置をしようにも、標準時間が設定されていないとどのように要員を配置したらよいかの判断に悩みます。また、標準時間未設定の状態で要員配置を実施すると、生産性の低い工程ほど時間がかかり、工程にムダがあるラインほど残業代(労務費)がかかる結果になります。
 また、多工程持ちなどの他工程への応援は、計画では受注時点での想定負荷への、実施時点では飛び込み受注など計画で拾いきれない変動への対応が基本で、生産能力のバラツキを放置して実施されるものではありません

 最終的には、160字という文字数もあり、与件をくまなく使うことを優先させています。

 

(3)第3問 【難易度:高】

 解答作成のうえでの最大の分岐点は、トップクレームの「カット形状の不均一」を入れるか入れないか、でした。「カット計上の不均一」は第2問の作業標準化である程度解消されます。このため、設問制約条件の「最も効率的」をどこまで意識するか、あるいは解答の流れとMECEをより重視するかの判断です。なんとか織り込めないかと文章の工夫もしてみましたが言及するには120字は少なく(ここも160字欲しかった!)、結論としては、与件8段落目と11段落目で管理分野が明確に区分されていること11段落目の衛生管理にのみ「顧客からの改善要望」があることを根拠に外すほうを判断しました。(この判断は自信なし)
 絞った後の解答骨子は管理強化(制度面)と教育、意識付け(行動面)です。制約事項の「具体的に」を意識して、度面では①HACCP(実現ハードルと文字数の関係で「参考に」とした)、②温度管理など特性要因図からの対応付け、を、行動面では5S徹底を織り込んでいます。

 なお、設問の「最も効率的に」ですが、クレーム件数が最も減るという解釈の外に、改善活動が最も効率的に実現できる(少ない工夫、工数で大きな効果を生む)との解釈も成立します。できるところから着手する、は中小企業の改善の鉄則です。
 従って、後者の解釈にたった別解も存在するハズです。

 

 (4)第4問 【難易度:中】

 設問における制約事項の「①経営体質の強化」「②収益の拡大」「③顧客からの要望」「④C社の生産管理レベル」「⑤経営資源」を丁寧に拾っていくことを意識しました。解答要素の対応付け自体は容易でしたが、設問要求の「社内対応策」をどう表現するかも含め160字に収める文章構成に苦心しました。

 な「高付加価値製品事業」を選択しても、根拠が理路整然としていて明確であれな、遜色なく得点できるものと思います。ただし、「投資は必要だが、・・・・・の効果がある。」といったふうに、簡単でもいいので「⑤経営資源」への言及が必要です。そうでないと、採点者側に設問を読み落としているとの印象を与えるリスクがあるからです。

 

—-うめもんの解答————————————

第1問(配点20点)

 a) 農業法人を親会社に持ち、原材料の調達力が高く通年納品など顧客要望に対応しやすい。(40字)

 b) 体制、生産工程が顧客ごとに分かれており、管理レベルも低くロスが発生している。(38字)

 

第2問(配点30点)

管理強化と作業効率化に取り組む。具体的には、①全社での生産管理部門を設け、受注情報を集約し全体の生産計画を立案、加工や要員配置、輸送費用のロスを削減する、②原材料も総量で発注、仕入価格低減を目指す、③IEよる作業の効率化と標準化を行い、労務費の高騰を抑える、④施設、機械は日常的に点検し、予防保全により稼働率を向上する。(160字)

 

第3問(配点20点)

鮮度劣化と異物混入に着目し、品質管理を強化する。HACCPも参考に管理基準やチェックポイントを設定、温度管理の強化や製品放置の撲滅などで品質向上を図る。また、教育体制を強化、衛生や鮮度への意識を高め、5Sの徹底などの従業員の行動に繋げていく。 (文末句点含め121字)

 

第4問(配点30点)

対応、計画中の生産と衛生・品質の管理強化実現を前提に、カット野菜のパック事業を提案する。理由は、①X農業法人から直接原材料の調達が可能であり、鮮度を売りにする顧客の要望を実現できる、②規格外商品を多用でき、調達コストが抑えられ高い収益性が期待できる、③設備投資の必要がなく既存のリソースで実現できる、ためである。(156字)

 

★★★

ブログでの公開に際し、第1問a)、第3問、第4問を一部修正します。

第1問(配点20点)

a) 農業法人を親会社に持ち、規格外だが鮮度の高い原材料を生産者から直接調達できる。(39字)
 <趣旨>実現していない通年取引は除外した。

 

第3問(配点20点)

鮮度劣化と異物混入に着目、顧客の改善要望でもある衛生管理を強化する。HACCPも参考に管理基準やチェックポイントを設定、温度管理や製品放置撲滅などで品質向上を図る。また、教育を強化、衛生や鮮度への意識を高め、5S徹底など従業員の行動に繋げる。 (文末句点含め121)
<趣旨>「最も効率的に」と制約事項に対する言及が弱かったため与件11段落目からの引用を示す「顧客要望」を追加。これに伴う文字数調整を実施。

 

第4問(配点30点)

カット野菜のパック事業を提案する。理由は、①X農業法人から原材料の直接調達で、鮮度を売りにする顧客の要望を実現できる、②規格外商品を多用でき、仕入価格が抑えられ高い収益性が期待できる、③設備投資の必要がない、ためである。対応、計画中の生産と衛生・品質の管理強化実現に加え、通年取引実現のため調達先の積極的開拓が必要である。 (158字)
 <趣旨>「社内対応策」との制約条件に適合するか、多少の疑問は残りますが、通年取引への対応を追記、文章構成を見直しました。

—-解答ここまで————————————

 

以上うめもんでした。

次で最後、事例Ⅳになります。
事例Ⅰ事例Ⅱはこちらです。

 

 

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【日曜日は名古屋の日】”うめもん流”独断による平成28年度2次試験の所感と解答<事例Ⅲ編>” に対して2件のコメントがあります。

  1. 123 より:

    参考になりました。有難うございます。
    第三問は「最も効率的」ではなく「最も効果的」の間違いかと思います。「効果的」だとうめもんさんの解答は変わりますか?

    1. タキプロ より:

      123様
      うめもんです。
      ありがとうございます。ご指摘の通り「効率的」ではなく「効果的」です。
      なお、「効率的」と「効果的」の差異は以下のように解釈しています。もともと「大きな効果」とも書いていましたので、趣旨は大きくは変わりません。
       「効率」とは、「目的のために有効に利用した量と、消費したすべての量とのエネルギー的面での比率。すなわち、機械、設備およびシステムに外部から送り込まれるエネルギー(入力)とそれらが実際に外部に出す有効エネルギー(出力)との比」で生産管理用語として定義されています。(JIS Z 8141-1109)
       他方、「効果」は生産管理用語での定義はなく、「ある働きかけによって現れる、望ましい結果」(デジタル大辞泉)です。
       これらのことから、「効率的」と「効果的」には、①「効果的」のほうが「効率的」より得られる結果の大きさに焦点が当たったもの(outputに対するinputの小ささで測定するのが「効率的」、outputの大きさに焦点が当たるのが「効果的」。結果が小さければ「効率的」であっても「効果的」ではない場合もある)、もしくは②量的計測が可能(もしくは容易)なのが「効率的」、必ずしも量的計測が可能でない(もしくは困難)であるのが「効果的」、といったニュアンスの違いはあると思います。

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