事例Ⅲはやっぱり「切り分けが命」 過去問に見る切り分けの実例(ネタバレ注意) by ポッキー

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■はじめに
事例Ⅲは「切り分けが命」。
診断士の2次試験を受けたことがある方なら、何度も耳にしたフレーズかもしれません。
それでも、直前期の今だから改めて言いたい。事例Ⅲは「切り分けが命」。
第1問は主に「強み」を問う設問で、与件文の情報整理がメインとなるため、受験者間で差がつきにくい問題です。一方、最終問題(第4問もしくは第5問)は経営戦略の助言問題で、抽象度が高く高得点を狙うのは難しい傾向にあります。自身の受験経験を振り返っても、合格と不合格を分けるのは、第2問から第3問(あるいは第4問)にかけての「生産戦略問題」における切り分けだと感じます。
2次試験対策を始めたころ、私はいつも「これ、第2問にも第3問にも書けそうだけど、どちらに書けばいいんだろう」という悩みを抱えていました。当時、予備校の先生から言われたのは「迷ったら両方に書け」というアドバイスです。試験本番の現場対応としては、切り分けができない以上、両方に書くしかない場面もあるでしょう。しかし実際にやってみると、両方書いた結果マス目が埋まってしまい、本来作問者が拾ってほしかった要素が漏れて、かえって得点が伸び悩むことになります。事実、私自身「両方に書いた」答案で、本試験・模試を通じて60点を超えたことは一度もありませんでした。
事例Ⅲは切り分けが命。悩んで悩み抜いた末には、最後は思い切って、切り分けることが大事だと感じています。
■過去問に見る切り分けの実例
- 令和3年(革製バッグの製造・販売)
第2問「受託製品の受注生産」、第3問「自社ブランド製品の開発」 - 令和4年(金属製品製造業/プレス加工製品)
第2問「新規受注」、第3問(第2問との対比で「既存」の)「製品量産工程」 - 令和5年(業務用食品製造業)
第2問(受託品の)「生産性の向上」、第3問(受託品の)「収益性の向上(QCDのC)」、第4問「自社製品の企画開発」 - 令和6年(搬送用機器製造業)
第2問「工程(生産現場)改善」、第3問「工程管理(生産管理)業務の改善」、第4問「価格交渉を円滑に行うための社内の事前対策(QCDのC)」 - 令和7年(紙パイプの製造・販売)
第2問「コストダウン(QCDのC)」、第3問「製品在庫を持たず納期対応できる工程管理(QCDのD)」
令和3年は「受託製品」対「自社ブランド製品」、令和4年は「新規受注」対「(既存の)製品量産工程」というように、切り分けの軸が明確な対比になっており、比較的わかりやすい年です。設問文を丁寧に読んで対比の軸に気づくことができれば、あとは1次試験の運営管理で学んだ理論をもとに、メリット・デメリットの観点から答案を肉付けしていけます。
令和5年は第2問が「受託品」の「生産性の向上」、第3問が「受託品」の「収益性の向上」、第4問が「自社製品」の「企画開発」となっており、令和3・4年ほど単純な二項対立ではありません。ですが、「受託品か自社製品か」「生産性かコスト(収益性)か」という2つの軸を意識すれば、設問ごとの役割は整理できます。
令和6年は「工程改善」と「工程管理業務の改善」。本試験で初めて目にしたときは「工程?生産管理とどう違うんだ?」と戸惑いましたが、よく読むと第2問は生産現場における生産性向上(IE、具体的にはマニュアル化・標準化)、第3問は生産管理の話と読み解くことができます。第4問の「顧客企業と価格交渉を円滑に行うための社内の事前対策」は過去にない問われ方でしたが、中身は「QCDのC(コスト)」に関する問題でした。
令和7年は課題と改善策・対応策が問われ、論理的整合性をしっかり検討する必要がある問題でしたが、ベースとなる切り口は第2問が「QCDのC」、第3問が「QCDのD」です。
このように、令和5〜7年にかけては令和3・4年のようなわかりやすい対比構造にはなっていません。それでも「生産統制と生産管理」「品質・コスト・納期(QCD)」という定番の切り口を手がかりにすれば、設問の切り分けを考えることができます。
■切り口は変わっても、ベースは運営管理
私が診断士の勉強を始めた2020年ごろ以前の過去問では、「事例Ⅲ=生産管理、生産管理=生産統制+生産計画、生産統制=進捗・現品・余力、生産計画=月次を週次に」という型が鉄板でした。
しかし近年は「工程管理」「工程改善」といった言い換えが登場したり、単純な「生産統制と生産計画」の枠組みだけでは対応しきれない出題が増えています。
それでも、ベースとなる考え方が変わったわけではありません。生産管理やQCD、受託品と自社企画品の違い、新規受注品と既存の量産品の違い——これらは1次試験の運営管理で学んだ内容です。切り口の見た目が変わっても、判断の物差しは運営管理の知識がベースになります。
「事例Ⅲは切り分けが命」。そして「予期しない切り口で出題されても、運営管理の考え方があれば対応できる」——このことを念頭に置いて、自分を信じて、思い切って切り分けてください。
次回は、あち さんの登場です。
お楽しみに!
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