事例Ⅲは「できていないことを、普通にやりましょう」に尽きる  ~問題点→対応策の”引き出し”を持とう~  by あたりめ

事例Ⅲ

タキプロ17期の   あたりめ と申します!
今回は2次試験の事例Ⅲ(生産・技術)についてお話しします。(これで2次試験の対策ブログコンプリートしました!^^)

「工場なんて見たことない」「生産管理の用語がピンとこない」と、苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。実は私も最初はそうでした。でも、事例Ⅲは4つの事例の中でいちばん素直で、パターンが効く事例だと思っています。

また他の事例よりもある程度【型】があるので勉強した分だけ点数が伸びやすい科目でもあります!
私自身も2次試験を2度受けているのですが、(1回目)45点→(2回目)63点と18点もアップしました。

今回は私がたどり着いた事例Ⅲの”ポイント”と、それを本番で使いこなすための勉強法をご紹介します。  

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■はじめに

事例Ⅲの与件文を初めて読んだとき、「こんな会社、本当にあるの?」と思いませんでしたか。

– 生産計画は月1回、しかも担当者の頭の中にしかない

– 作業はベテラン頼みで、人によってやり方がバラバラ

– 図面や受注情報は紙で管理していて、探すのに時間がかかる

……普通の会社なら当然できていることが、C社ではことごとくできていません。笑

ここで「なぜできていないのか」を深読みしたり、「現実にはもっと複雑な事情が…」と考え込んだりするのは禁物です。事例Ⅲは、そう書いてあるから、そうなのです。

■事例Ⅲの極意は「できていないことを、普通にやりましょう」

私なりの事例Ⅲの極意は、この一言に尽きます。


C社ができていないことを見つけて、「普通にやりましょう」と助言する


たとえば与件文から「生産統制ができていない」ことが読み取れたら、

– スケジュール管理ができていない → 週次で生産計画を作成し、関係部門で共有する

– 進捗がわからず納期遅れが出ている →進捗を日次で把握し、遅れがあれば即座に計画を調整する


というように、【できていないことをそのままひっくり返して、当たり前の姿を書く】だけです。奇抜なアイデアは一切いりません。

この考え方は、一発合格道場のだいまつさんの記事[だいまつが教える事例Ⅲ攻略の極意]にかなり影響を受けています。「C社は当たり前ができていないのだから、当たり前を目指す解答を書く」「難しく考えるのは禁止」という考え方は、私の受験生時代の事例Ⅲの軸でした。平成28年度の過去問を使って丁寧に解説されている名記事なので、まだ読んでいない方はぜひ一度読んでみてください。

■C社にとっての「当たり前」を知っておく

「普通にやりましょう」と助言するには、そもそも“普通”がどういう状態かを知っておく必要があります。事例Ⅲで目指すべき「当たり前」は、ざっくり次の4つです。

観点 目指すべき「当たり前」の姿 答案で使うキーワード
計画と統制 全社的な生産計画が作られ、適切な頻度で見直され、計画に沿って進捗・余力・現品が管理されている 全社的な生産計画、週次での見直し、進捗・余力・現品管理
作業 作業が標準化・マニュアル化され、教育(OJT)によって誰でも同じ品質で作業できる 標準化、マニュアル化、OJT
人 作業者が多能工化され、繁閑に応じて柔軟に応援し合える 多能工化、応援体制、繁閑への対応
情報 受注・図面・在庫などの情報がデータベースで一元管理され、全社で共有されている DB化、一元管理、全社共有


与件文を読みながら、この4つのどれが欠けているかをチェックしていく。これだけで、答案の方向性はほぼ決まります。

■事例Ⅲの設問構成を知っておく

事例Ⅲは、設問の並び方にもはっきりした「型」があります。近年はおおむね次のような流れです。
[自社分析 → 改善系×3 → 少し特殊な問題]

という流れです。この全体像が頭に入っていると、設問を読んだ瞬間に「この問題はどのゾーンか」「どの引き出しを開けるか」がすぐに判断できます。

設問 内容と解き方
① 第1問
自社分析
C社の強み・弱みやSWOT分析など、現状を整理する問題です。一見、与件文の言葉を拾うだけに見えますが、実は頭をひねる問題です。
・弱み → 第2〜4問の改善系で解決する問題につながるものを抜き出す
・強み → 第5問で活かせるものを抜き出す
後の設問とのつながりを意識して、どの要素を選ぶかを決めましょう。
② 第2〜4問
改善系(工程・人材など)×3問ほど
生産計画・生産統制、作業の標準化、品質、人材育成、情報共有など、C社の「できていない」を改善する問題が続きます。後で紹介する「引き出し」がいちばん活躍するゾーンです。
・生産管理(計画・統制)系 → 「計画→統制→効果」の流れで書く
・生産性向上(作業・品質)系 → 「標準化→マニュアル化→教育」の流れで書く
③ 第5問
少し特殊な問題
新事業の展開、今後の戦略、IT・デジタル化の活用など、改善系とは毛色の違う問題が最後に来ることが多いです。ここでは第1問で整理した強みを活かすのが基本方針になります。

■各問のつながりを意識して与件文を振り分ける

設問構成がわかったら、次に意識したいのが各問のつながりです。以前の事例Ⅰの記事でも「第1問は後の設問の部品倉庫」とお伝えしましたが、事例Ⅲでもまったく同じことが言えます。

① 第1問の強み・弱みは、後の設問の「材料」

– 弱み(生産管理ができていない、技能がベテラン頼み 等)→ 第2〜4問の改善系で解決すべき問題

– 強み(技術力、設備、取引先との関係 など)→ 最終問の新事業・戦略で活かすべき資源

第1問で挙げた強みや弱みが、後の設問で一度も出てこない答案は、どこかで要素の拾い漏れか振り分けミスが起きているサインです。


② 改善系の3問は「担当範囲」を分ける

改善系の問題が3問続くと、つい同じ対応策(標準化・マニュアル化・教育など)をすべての問題に書きたくなります。でも出題者は、設問ごとに別々の問題点を用意しているはずです。


– 設問文の制約(「〇〇工程について」「受注から納品までの業務について」など)で担当範囲を確認する。
– その上で例えば生産計画なのか、生産統制なのか、スキル標準化、工程標準化等のどれを語ればいいのかをあたりをつける

– 与件文の「できていない」記述を、どの設問で使うかを振り分ける

– 同じ根拠を複数の設問で使い回していないかをチェックする


③ 設問を先に読んで、与件文に設問番号を書き込む

私は、先に設問を読んで全体像をつかんでから与件文を読み、「この段落は第2問」「この記述は最終問の強み」と、余白に設問番号を書き込みながら読んでいました。こうすると、与件文の記述をどの設問に使うかが自然と整理され、使い忘れや重複が大きく減ります。

与件文の記述は、基本的にどこかの設問で使われるために書かれていると考えてください。各問のつながりを意識して与件文を振り分けることが、事例Ⅲで安定して得点するためのもう一つの鍵です。

設問のつながりと与件の関係性を意識することや、与件抽出の方法は以下ブログでも紹介しているのでご参考にしてください!

■問題点→対応策の「引き出し」をパターン化する

ここが今回いちばんお伝えしたいポイントです。

事例Ⅲは、問われることが毎年驚くほど似ています。だからこそ、「与件文にこう書いてあったら、この対応策」という引き出しをあらかじめパターン化しておき、本番では「このケースはこれだな」と引き出すだけ、という状態を目指しましょう。

分類 与件文の「できていない」サイン 引き出し(対応策) 狙う効果
生産管理
(計画・統制)
生産計画が月次・担当者の経験頼み 全社的な生産計画を週次(日次)で作成・見直しし、関係部門で共有 納期遵守、急な変更への対応
進捗がわからない・納期遅れ 作業日報や生産管理システムで進捗を可視化し、遅れは即時調整 納期遅延の防止
特定工程に負荷集中・手待ちが発生 負荷の平準化と多能工化による応援体制の構築 稼働率向上、リードタイム短縮
仕掛品・部品の所在が不明 5Sの徹底、置き場・数量の明確化(現品管理) 探索のムダ削減
在庫過多・欠品 生産計画に連動した資材発注、発注方式の見直し 在庫削減、欠品防止
生産性向上
(作業・品質)
作業がベテラン頼み・人によってバラバラ 標準化→マニュアル化→OJT教育 品質の安定、技能承継
段取り時間が長い 外段取り化、段取り作業の標準化 段取り時間短縮、小ロット対応
不良・クレームが多い 不良の原因分析、検査基準の明確化、工程内での品質の作り込み 不良率低減、顧客満足向上
運搬が多い・レイアウトが非効率 工程順にレイアウトを見直し、運搬距離を短縮 生産効率向上
情報共有・連携 図面・受注情報が紙で属人管理 情報をDB化・一元管理し全社で共有 情報探索時間の削減、迅速な対応
営業と製造の連携がない・仕様変更が頻発 受注情報の製造部門とのリアルタイム共有、仕様確定ルールの策定 計画精度の向上、手戻り削減
経営戦略 新事業・今後の戦略を問われる 強み(技術・設備)を活かしてニーズのある分野へ展開、高付加価値化 売上拡大、収益性向上


引き出しを使うときに気をつけたいポイントです。

① 引き出しは与件文の言葉で”味付け”する

「標準化・マニュアル化・教育」とだけ書くのではなく、「〇〇工程の段取り作業を標準化し」のように、与件文の具体的な言葉と組み合わせて書きましょう。型だけの答案は、どの事例にも当てはまる=採点者に「読めていない」と思われかねません。

② 「なんとなく」「ひらめき」は排除する

与件文に書かれていない強みや事情を、それっぽく付け足すのは危険です。書いていないことは、書かない。事例Ⅲは素直な事例なので、与件文の言葉をそのまま使うのがいちばん安全です。

③ 生産管理か生産性向上か迷ったら、両方の要素を入れる

本番では、どちらの切り口なのか切り分けに迷う設問も出てきます。80分の中で0か100かの賭けをするより、両方の引き出しから要素を盛り込んで部分点を確実に取りにいきましょう。

■おわりに

いかがでしたでしょうか?^^
事例Ⅲは、型さえ身につければ安定して得点できる事例です。

苦手意識を持っている方こそ、ぜひ「引き出し」を使ってみることから始めてみて事例Ⅲを味方にしてみてください!

次回は、ともパパ さんの登場です。 

お楽しみに! 

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