事例Ⅱは「意外と点が伸びない」科目!? だなどこ×マーケ知識で安定60点を狙う by あたりめ

事例Ⅱ

タキプロ17期の   あたりめ と申します。
今回は2次試験の 事例Ⅱ(マーケティング・流通) について書いていきます。

「事例Ⅱは与件文が読みやすいし、なんとなく書ける気がする」——そう思っていた私が本番までに気づいた、“なんとなく書ける”のに”意外と点が伸びない” この科目との付き合い方をお伝えします。
  

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■はじめに

事例Ⅱは「マーケティング・流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」です。

登場するB社は、豆腐店、旅館、ネイルサロン、スポーツ用品店……と、私たちの生活に身近な中小企業ばかり。与件文も読みやすく、事例Ⅰ~Ⅲの中では一番「とっつきやすい」科目だと思います。

でも、だからこそ落とし穴があります。

今回はその落とし穴と、私なりの対策を5つの視点でまとめました。

①事例Ⅱってどんな試験?——実は点数が上げづらい

事例Ⅱの特徴を一言でいうと、「書けた気がするのに点が入らない」です。理由は大きく3つあると考えています。

① アイデア解答の罠にハマりやすい

身近な業種が題材なだけに、「自分ならこうする」という実体験ベースの施策が浮かんでしまいます。しかし2次試験は斬新なアイデアを競うコンテストではなく、与件文に根拠のある提案ができるかを測る試験です。与件文から離れた瞬間、どれだけ良い施策でも点は入りません。

② 設問の制約条件が多い

事例Ⅱの設問文には「ターゲット層を明確にして」「価格戦略によって」「〇〇を意識して」など、細かい条件がびっしり書かれています。この制約を1つ落とすだけで、解答の方向がズレて大量失点につながります。設問文こそ最大のヒントです。


③ 解答要素の”振り分け”が難しい

与件文にはヒント(=使えるキーワード)が山ほど散りばめられており、「どの要素をどの設問で使うか」の切り分けを間違えると、複数の設問でドミノ倒し的に失点します。同じ施策を2回書いてしまうのも典型的なミスです。

つまり事例Ⅱは、「読める・書ける」と「点になる」の間に大きなギャップがある科目。だからこそ、型と方向性を固めて、誰が採点しても伝わる答案を作ることが安定得点への近道です。

タキプロメンバーでも予備校組の方がいらっしゃって会話をするのですが、事例Ⅱは明確に点数が伸びづらい科目だと講師の方も仰っていたとのこと。でも大丈夫です。解き方の型がありますのでそちらを一緒に学んでいきましょう!

第1問の環境分析(SWOT・3C)がすべての起点

事例Ⅱの第1問は、近年ほぼ毎年 【SWOT分析か3C分析】 です。

① 第1問は”分析問題”であり、同時に後の設問の”部品倉庫”

ここが今回一番お伝えしたいポイントです。第1問の環境分析は、単体で完結する問題ではなく、第2問以降の助言問題で使う解答要素の在庫棚卸しだと考えてください。(後で出てくる【だなどこフレーム】を使うイメージをもって棚卸しましょう)

SWOTだなどこつながり方
S(強み)(何を)B社の強み・経営資源が提案する製品・サービスの源泉になる
O(機会)(誰に)市場・顧客のニーズがターゲット選定の根拠になる
W(弱み)・T(脅威)(効果)克服・回避すべき課題の裏返しが、施策の期待効果になる


つまり事例Ⅱの答案全体は、強み(S)×機会(O)の掛け算で施策を作り、弱み(W)を補い、脅威(T)を回避するというクロスSWOTの発想で一本の線につながります。
第1問で挙げた強みが後の設問で一度も使われていない答案は、どこかで要素の拾い漏れか振り分けミスが起きているサイン。
「第1問と第2問以降の一貫性」は、自己採点時のセルフチェック項目としても優秀です。

② 迷ったら”後ろから”逆算するのもアリ

私は、助言問題で使いたい強み・機会に先に当たりをつけてから、第1問の分析に戻って要素を確定させる「逆算」も併用していました。
分析→提案の順に几帳面に解くか、提案から逆算するかは人それぞれですが、いずれにせよ第1問と助言問題を別々の問題として解かないことが重要です。
前回の事例Ⅰの解き方でも詳しく書いているのでそちらも是非ご参考に!
前回記載したブログ(事例Ⅰ):https://www.takipro.com/2jishikenknow-how/case1/134994/

③ 書き方は”3文構成×字数均等割り”で機械的に

3C分析(150字)なら、「 顧客は、〜。競合は、〜。自社は、〜」の3文構成で、150字÷3要素=各50字前後と最初に配分を決めてしまうのがおすすめです。
SWOT(S・W・O・T各40字など)も同様に、要素ごとの器を先に用意してから与件文の要約を流し込むイメージ。書き方で迷う時間をゼロにして、要素の取捨選択に頭を使いましょう。

なお、SWOTと3Cは見ている中身がかなり重なります。ざっくり 自社=S・W、顧客=O(機会)、競合=T(脅威) と対応づけて整理しておくと、どちらで問われても慌てません。

鉄板フレーム「だなどこ」を使い倒す

事例Ⅱといえば、やはり 「だなどこ」 です。皆様ご存じかと思いますが、改めて整理してみます。

設問を解く際に以下のフレームを意識すると与件整理・解答の方向性が明確化します。要素の関係性を理解していきましょう。

■だなどこフレーム

要素内容与件文での探し方SWOT・3Cとの対応
(誰に)ターゲット顧客層・ニーズ・地理的特性の記述O(機会)/3Cの「顧客」
(何を)製品・サービスB社の強み・経営資源S(強み)/3Cの「自社」
(どのように)施策・チャネル・プロモーション協業先・地域資源・ITツールS×Oの掛け算、Tの回避
(効果)期待される成果社長の思い・課題の裏返しW(弱み)・課題の解消

見ての通り、「だなどこ」は前章の環境分析と完全に地続きです。第1問で棚卸しした部品を、この4つの枠に組み立て直す——これが事例Ⅱの基本動作になります。

私が意識していた使い方のポイントは3つです。

① 「だなどこ」は答案の”骨組み”であり、点そのものではない

フレームに沿って書くだけで加点されるわけではありません。「だなどこ」は、与件文からモレなく解答要素を拾い、読みやすい順序で並べるためのチェックリストとして使うのが正解です。

② 「だ」と「な」は必ずセットで考える

「誰に」が決まれば、そのターゲットのニーズが与件文に書かれているはずです。「ターゲットのニーズ × B社の強み」の掛け算で「何を」が決まります。この対応関係が崩れた答案(例:健康志向の顧客に高カロリー商品を提案)は、どれだけ丁寧に書いても点になりません。

③ 「こ」(効果)は絶対に省略しない

字数が足りなくなると真っ先に削りたくなるのが「効果」ですが、ここは踏ん張りどころ。「〇〇により、愛顧を高め、売上(客数×客単価)向上を図る」のように、施策と売上をつなぐ一文で締めることで、設問要求に最後まで答えた答案になります。

なお、設問によっては「だなどこ」がフルで求められないケースもあります。設問文をよく読み、「今回はどの要素が問われているのか」を都度判断しましょう。

方向性はいつも「高付加価値化」と「顧客愛顧」

施策の中身に迷ったら、思い出してほしいキーワードが2つあります。

① 高付加価値化(差別化)

B社は中小企業です。大手のような低価格戦略・大量生産は絶対に取れません。だから方向性はいつも、

 > 強みを活かして差別化・高付加価値化し、価格競争を回避する

の一択です。「値下げして集客」と書きたくなったら赤信号。地域資源、職人技、こだわり素材、接客力……与件文に書かれたB社ならではの強みを、ターゲットのニーズにぶつけて価値を高める。この軸さえブレなければ、大外しはしません。


② 顧客愛顧(関係性マーケティング)

中小企業にとって、新規顧客の獲得は既存顧客の維持よりずっとコストがかかります。だからこそ事例Ⅱでは、

– 顧客データベースを活用したニーズに合わせた提案

– SNS・アプリでの双方向コミュニケーション

– イベントや体験を通じた交流

– 口コミ・紹介による新規顧客の獲得

といった、既存顧客との関係を深めて、リピート・関連購買・口コミにつなげる施策が頻出です。
効果の書き方も「愛顧向上」「固定客化」「関係性強化」「LTV(顧客生涯価値)向上」あたりをスラスラ書けるようにしておくと、答案の締めが安定します。

「売上=客数×客単価×来店頻度」と分解して、どのレバーを引く施策なのかを意識すると、効果まで一直線につながった答案になりますよ。

マーケティング用語はさらっと押さえておこう

事例Ⅱでは、1次試験の「運営管理」「企業経営理論」で学んだマーケティング用語が、与件文や設問文にさらっと登場します。
深い暗記は不要ですが、「聞いたことがある」と「答案で使える」は別物以下のような用語は、意味+事例Ⅱでの使いどころをセットで確認しておきましょう。

用語ざっくり意味事例Ⅱでの使いどころ
ダイナミックプライシング需要に応じて価格を変動させる手法時間帯別・季節別の割引で閑散期の需要を喚起し、需要平準化・稼働率向上
オムニチャネル実店舗・EC・SNS等のチャネルを統合し、一貫した購買体験を提供店舗×ネット販売の連携、在庫・顧客情報の一元化
サブスクリプション定額制で継続利用してもらうモデル定期購入・回数券で固定客化、安定収益
CRM/FSP顧客情報を管理し、優良顧客に個別対応顧客DBを活用したOne to Oneの提案、再来店促進
インターナルマーケティング従業員満足を高めてサービス品質向上につなげるサービス業B社での従業員教育・権限委譲
ジオグラフィック/デモグラフィック/サイコグラフィック地理的・人口統計的・心理的なセグメント基準ターゲット設定の根拠づけ
ブランド価値(感覚価値・観念価値)五感に訴える価値・ストーリーや世界観の価値伝統工芸品や地域資源の高付加価値化


実際、近年の本試験では価格戦略(時間帯による価格の使い分け)やブランド価値構造がド直球で問われています。「用語を知らなくても与件文から書ける」ことも多いのですが、知っていれば設問の意図を一瞬で掴めるので、解答スピードと精度が段違いです。その解答要素が出ていれば大きな加点要素にもなります。

直前期に1次テキストのマーケティング分野をパラパラ見返すだけでも効果があるので、ぜひ「さらっと一周」しておいてください。

■おわりに

最後にまとめです。

1. 事例Ⅱは「書けた気がするのに点が入らない」科目。与件文の根拠+設問の制約条件を死守する

2. 第1問のSWOT/3Cは後の設問の”部品倉庫”。強み×機会の掛け算と第1問との一貫性を意識する

3. 「だなどこ」はチェックリスト。「だ×な」の整合と「こ(効果)」の書き切りを意識する

4. 施策の方向性は「高付加価値化」と「顧客愛顧」の2軸でブレない

5. マーケティング用語は意味+使いどころをさらっと一周しておく

事例Ⅱは、型と方向性さえ固まれば一気に安定する科目です。この記事が、みなさんの合格に少しでもお役に立てば嬉しいです!

次回は、ともパパ さんの登場です。 

お楽しみに! 

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