事例Ⅲが不得手だった私の対策 by 五鉄

読者の皆様、初めまして!
タキプロ12期の「五鉄」と申します。
自分の経験から、中小企業診断士試験受験生の皆様にお役に立てる情報を発信していきたいと思います。
どうぞ宣しくお願いします!

私にとって初ブログとなりますが、2次筆記試験の事例Ⅲについて書かせていただきます。
事例Ⅲは明らかに「私が不得意な科目」でしたので、私がどのように取り組んだかをご紹介することで、同じように苦手意識がある方々に少しでも御参考になれば幸いです。

■はじめに

まずは、私「五鉄」の自己紹介です。

年齢/性別:50代 男性
業種/職種: 金融業/財務部(金融業一筋30年以上です)
受験歴: 1次:1回(R2)、2次:1回 (R2)
学習手段:1次:スタディング、2次:独学
学習時間:1次:約400時間、2次:約400時間

■事例Ⅲ 私の対策

不得意な事例Ⅲと手応えの無い学習

まずは、私の試験学習方法です。
中小企業診断士試験対策の学習を始めるに当たり、「パソコンやスマホでの学習が便利そうだ」ということで、スタディングの学習パッケージを購入しました。1次対策では、隙間時間にスマホで過去問に繰り返し取組むことが出来て、スタディングはかなり役に立ちました。一方で、2次対策では、同社推奨の解法「ロジックマップ」が自分にはどうしても馴染めなかったため、早めに断念して、「ふぞろいな合格答案」シリーズ利用による過去問学習の独学に切り替えました。

私は、専ら金融業に従事してきました。製造業の経験は全くありません。工場など製造現場を知らないので、事例Ⅲは「イメージが全く沸いて来ない」科目でした。1次試験の「生産管理」のテキストを復習しつつ、2次試験の過去問を解いてみて「ふぞろい」の解答例を見る、ということを繰り返していました。しかし「しっくりと来ない」「手応えが無い」状況はあまり変わりませんでした。こういう感じを持たれる方々は多いのではないかと思います。

「ふぞろい」で過去問5年間分を一周した時点で、受験予備校の「全国模試」を受験したのですが、無残な結果に。中でも事Ⅲは出来が悪く(後に送られて来た採点結果は38点)、このままの試験対策では合格は困難だろうとの認識に至りました。2次本試験に向けて、対策を考え直すことにしました。

対策:ルール化とパターン化

私が事例Ⅲ対策として実際に採用した方法をご紹介します。
不得意克服のため、解答を書くに至るプロセスを自分ルール化、パターン化してみました。自分にルールを課しつつ、与件文を成り行き的・受身的に読まないように心掛けること、予め想定する「C社の課題や問題の項目」を意識して読むことが主眼です。過去合格者の諸先輩方の教えを相当取入れてはいますが、私が対応できた学習時間や記憶力には限界がありましたので、我流で範囲や項目を絞ってあります。

事例Ⅲ 自分に課したルール

  1. 設立以来の事業変遷(他組織との協力や多角化の展開など)の大筋を把握する
  2. SWOTの設問が無くても、S(強み)とO(機会)を意識する
  3. 組織図・部署毎人数や工程を、白紙ページまたは与件文の周りに書き出す(簡潔に)
  4. 生産に関するチェック項目と解答パターンを予め決めておく
  5. 今後の戦略や「在り方」を問われたら、SOを使い、レイヤーをなるべく上げる
  6. 設問への答に困ったら、Q(品質)C(コスト)D(納期/生産性)切り口で書く
  7. 情報の設問には幅広く分散して答える(営業・設計から納品迄の全過程をイメージする)
  8. 図表の解読には長時間をかけない(最長でも2分以内)

生産に関するチェック項目(自分のルール4番について)

  1. 重点的にチェックする項目を予め設定しておく。
    以下の括弧内がチェック項目。20項目程度に絞り込み。
  2. 試験開始直後にチェック項目を「自分なりの記号/略語」で白紙ページに書き出す。
  3. まず設問文を読み、次に与件文を読む際に、チェック項目を意識する。
    雑でも良いので(可能な範囲で)読みながら、チェック項目の「自分なりの記号/略号」に印をつけていく。
  • 生産形態(個別受注生産繰返し受注生産見込生産
  • 生産計画(全社的見直し頻度進捗管理・余力管理・現品管理ができているか)
  • 生産工程(予防保全5S品質在庫仕掛品リードタイム納期遵守生産調整が容易か、外注管理
  • 多能工化(作用員間で技量バラつきがあるか、柔軟に交代や手伝いができるか、教育・指導は)
  • 作業標準化(標準化/マニュアル化されているか、個人技や裁量に依存していないか)
  • 情報一元化(全社的情報共有か、設計・資材・作業のモジュール化・共有化の有無)

生産の課題への解答パターン(▶私が用意した主要な具体例を書きます)

  • 基本的に、当たり前な、或る意味で凡庸な解答を書く。
    与件文から拾うことができた問題や課題を改善する(できていないことに取組む)提案を直球で書く。
  • 解答パターンは、自分が憶え易く、且つなるべく短い文言で作っておく。
    ノートか単語帳に書き出し(またはスマホに入力し)、隙間時間に繰り返し憶えるようにする。
  • 繰返し受注生産 → ロットサイズ適正化、リードタイム短縮、外段取り化
  • 見込生産 → 需要予測の精度向上、適切な生産統制、売上/在庫に応じた柔軟な生産調整
  • 生産計画位置づけ→ 製造部で策定/利用の生産計画を全社的なものに変えて共有化
  • 生産計画見直し→ 見直しサイクル短縮化(例:月1回を毎週に変える、受注後直ちに更新)
  • 生産工程:品質問題 → 予防保全、5S実施、作業・資材の標準化、作業員の習熟化
  • 生産工程:納期遅延 → 適切な生産統制、作業標準化で工数削減、ネック工程撲滅
  • 生産工程:道具や金型を探す時間がかかる → 5S実施で整頓とルール化
  • 生産工程:仕掛品移動に時間 →  SLPを実施してレイアウトを改善する
  • 生産工程:工程間の負荷・作業時間が異なる → ラインバランシングで平準化
  • 生産工程:一部工程作業員の負担感 → 多能工化により他工程と交代/柔軟に応援
  • 生産工程:外注の品質/納期に問題 → 適切な外注先管理と納期管理
  • 一部工程を特定作業員に依存 → 多能工化、OJTとOff-JT実施による作業員のスキルアップ
  • 新人や未習熟な作業員が居る → 熟練工によるOJTを実施し、技術の習熟と継承を図る
  • 作業方法が作業員毎にバラバラ → 作業の標準化、作業マニュアルの制定と共有
  • 都度設計している → 設計データのライブラリ化、一元的なナレッジ・プール化
  • 苦情処理や追加作業が場当たり的 → 苦情DB化、典型的な追加作業を標準化・DB化
  • 営業部と製造部の情報連携が悪い → SFA導入でリアルタイム共有、製造部員の営業同行

■おわりに

事例Ⅲが不得意な私が採用した対策をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?

令和2年度本試験の事例Ⅲ、私の得点は60点でした。
本試験での運や調子も影響したとは思いますが、模試得点38点からは望外の改善となりました。
与件文を読み、用意しておいたチェック項目に該当したC社の課題や問題については、解答パターンに沿って迷わずに書くことができました。
振り返ると、自分なりのルール化とパターン化をしたことで、本試験の場で「焦らない」「迷走しない」というメンタル面でのメリットも有りました。

2次本試験は、午前中の事例Ⅰと事例Ⅱで相当疲弊しますので、事例Ⅲが不得手な受験生の皆様には「自分なりの解答骨子を具体的にパターン化しておくこと」を改めてお勧めします。事例Ⅰと事例Ⅱもパターン化はできるでしょうが、事例Ⅲが最もパターン化に適していると思います。本試験までに「深く考えなくても、条件反射的に解答の骨子をアウトプットできる」状態にまで持って行くことが望ましいです。事例Ⅲの後には、「体力が必要」で「時間も足りない」事例Ⅳが控えていますので、体力と集中力の温存のためにも事例Ⅲへの対応は重要です。

皆様の挑戦と頑張りを応援し、合格をお祈りしています!

次回はへのさんの登場です。
お楽しみに!
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