レイヤーで事例Ⅰの解答を安定させる方法 by ポッキー 

事例Ⅰ

 

タキプロ17期の   ポッキー と申します。  

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■事例Ⅰの特徴

 2次試験の勉強を始めたばかりの頃、私はいつも「何を書けばいいんだ!」と頭を抱えていました。

 80分という制限時間の中で悩みに悩み、解答メモを何度も書き直す。そうこうしているうちに残り時間はどんどん減っていき、最後は殴り書きでとりあえず空欄を埋める。そんなことの繰り返しでした。

 最終的に私なりにたどり着いた答えは「設問解釈によってレイヤー分けを行い、解答の自由度を下げること」でした。そうすることで、作問者の意図に沿った(と自分なりに考える)解答を作成できるようになったのです。

 中でも事例Ⅰは、事例Ⅱ・Ⅲと比べて設問解釈によるレイヤー分けが明確です。解答の自由度を絞り込みやすいため、安定的な得点を導きやすいという特徴があります。

■事例Ⅰのレイヤー(階層)

事例Ⅰにおける企業経営上のレイヤーは、主に以下の4つです。

  •  経営戦略
  •  組織構造
  •  組織文化
  •  人的資源管理

■経営戦略

 例年、最後の設問に設定されることが多く、A社の「今後」について問われます。与件文中の表現をそのまま使える場面が少なく、難易度が高い設問です。経営資源の少ない中小企業が取れる戦略は多くありません。「経営資源の多重利用(シナジー)」「経営資源の選択と集中」「外部資源の活用」という観点から解答を組み立てましょう。

令和6年 第4問 (設問2)
「今後、A社が3PL事業者となるための事業展開について、以下の設問に答えよ。A社がZ社との取引関係を強化していくために必要な施策を、100字以内で助言せよ」
出題の趣旨
「Z社との取引関係を強化するために、A社には県内事業部と首都圏事業部の連携や情報システムの構築などが求められる。本問はその対応策について助言する能力を問う問題である。」

 この設問では、首都圏事業部が持つ適正在庫管理や機動的な商品補充のノウハウ、1代目社長の長男が大手情報システム会社で培った経験を経営資源として多重利用することができます。

■組織構造

 組織5原則「責任・権限一致の原則」「命令一元化の原則」「統制範囲(スパン・オブ・コントロール)の原則」「専門化(分業化)の原則」「権限委譲の原則」の観点から解答します。具体的な組織形態が問われる場合は、「機能別組織」「事業部制組織」「マトリックス組織」のいずれかを選択します。

令和7年 第3問
「A社社長は、木製知育玩具の新規事業を成長させていくに当たって、全社的な組織改革を検討している。それに対して、採用すべき組織体制とその理由に関して100字以内で助言せよ。」
出題の趣旨
「企業向けの既存事業と一般消費者向けの新規事業の双方を、資源や能力に制約を持つA社が効果的に推進するための組織体制に関する助言能力を問う問題である」

 この設問では、まず具体的な組織形態を一つ選択したうえで、その理由を組織5原則の観点から述べる構成が有効です。例えば事業部制組織を選ぶ場合、「権限委譲の原則」による現場への迅速な判断権限の付与や、「責任・権限一致の原則」による事業部単位での採算意識の向上といったメリットを根拠として挙げることができます。

■組織文化

 バーナードの組織の3要素「共通目的」「貢献意欲」「コミュニケーション(意思疎通)」の観点から解答します。

令和5年 第4問(設問1)
「A社とX社の経営統合過程のマネジメントについて、以下の設問に答えよ。どのように組織の統合を進めていくべきか。80字以内で助言せよ」
出題の趣旨
「A社とX社の経営統合プロセスにおいて、どのように統合後の経営の方向性を共有し、いかに両社間の意思疎通などを図るかについて、考察する能力を問う問題である。」

 この設問では、統合新会社としての「共通目的」を明確に定めたうえで、経営者と従業員、あるいは従業員同士のコミュニケーションを促進し、社員の貢献意欲を高めていく、という切り口も考えられます。

■人的資源管理

「採用」「能力開発」「配置転換」「評価」が主な切り口になります。

令和4年 第2問
「A社が新規就農者を獲得し定着させるために必要な施策について、中小企業診断士として100字以内で助言せよ。」
出題の趣旨
「基盤事業における人材の採用と定着の方法について、助言する能力を問う問題である。」

 この設問では、評価制度の整備や、OJTによる能力開発といった切り口が活用できます。

■おわりに

設問解釈 → レイヤー判断 → 解答メモ作成

 この「型」を手に入れてからは、かつてのように「何を書けばいいんだ」と頭を抱えることも、残り時間に焦って殴り書きをすることもなくなりました。初見の問題であっても迷わずに解答の方向性を定められるようになり、80分という時間を有効に使って、一定水準以上の解答を安定して作成できるようになったのです。

 10月の2次試験本番に向けて、過去問や模試を繰り返し反復練習し、自分なりの「型」を見つけてください。

次回は、あち さんの登場です。 

お楽しみに! 

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