業種別審査事典は実務補習の強いミカタ by しんた


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読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ13期のしんたです。

診断士試験に合格されたみなさん、本当におめでとうございます。

さっそく令和5年2月の実務補習が今日2月3日から(名古屋は2月2日から)始まりましたね。
実務補習はご存知の通り、実在する企業を対象にコンサルティングを行います。

初日の午後には企業訪問してヒアリングを行い、その2週間後には報告書を持って提案に行くわけですが、どこの企業を訪問するか以外、事前情報はほとんどありません。(地域や先生によって事前にいただける情報や進め方に多少の差はあります)。

なので、いかに事前準備ができているかが初日のヒアリングとその後の提案の質を左右すると言っても過言ではありません。

もし、今あなたが勤める会社に業界のことを良く知らないコンサルタントがやってきて、「こうすれば御社は良くなりますよ」と一般論でアドバイスされたらどう思うでしょうか。

今のあなたは、まさにこのコンサルタントと同じ立場です

2次試験では対象企業の業界知識がなくても解答を導くことができましたが、コンサルティング実務では個別企業の業界を把握していなければ顧客に寄り添った提案ができません

ではその業界把握をどのようにすればよいか。

その答えが、今回のテーマ「業種別審査事典」です。

■3C分析の前に

例えば、実務補習の訪問先企業(顧客)が「発電機製造業」だったとします。

「発電機の種類」や「発電機の用途」がパッと頭に浮かぶでしょうか。「発電機の市場」や「発電機の流通経路」は考えたことありますか。

自分にとっては未知の業界、聞いたことない言葉も、顧客にとっては知ってて当たり前の常識。そんな相手に「発電機にはどんな種類がありますか?」と聞くのはナンセンスです。

冒頭の顧客の例であれば、発電機の種類や用途は事前に理解した上で、他社と比べてどこに優位性があるのか、市場のどのニーズを捉えているのか、といった顧客からしか引き出せない情報を聞く、調べた情報が合っているかを確認する、これが「ヒアリング」なのです。(と、私も先輩から教えてもらいました。)

事前調査において3C分析は基本中の基本ですが、顧客のホームページを眺めながら「自社は…、顧客は…、競合は…」とノートにまとめる前に、まずは業界のビジネスモデルを把握することから始めましょう。

業界のビジネスモデルが理解できれば、ドメインは何か、ターゲットとしている市場はどこか、競合との違いは何か、3Cのそれぞれどこに着目し、何をヒアリングすればよいかが見えてくるはずです。

■審査事典で全てがわかる

さて、先ほどの「発電機製造業」のビジネスモデルですが、さっそくこちらをご覧ください。

第14次業種別審査事典 5065 発電機・電動機等製造業(サンプル)

これが「業種別審査事典」です。情報が豊富で、非常に細かく、とても分かりやすくまとまっています。これだけの情報を自分ひとりで事前に調べようと思ったらまず不可能ですよね?

このように、業種別審査事典には業種別の特徴がギュッと詰まっていて、最新の第14次業種別審査事典にはなんと1513業種が収録されています。例えば第3巻「5.プラスチック製品関連」だけ見てもさらに細かく11業種にわかれており、ニッチな業界もしっかりと網羅されています。

1513業種のリストはこちらで確認できます。

第14次業種別審査事典 業種一覧

■注目するポイント

業種別審査事典は各業種10ページほどのボリュームがありますが、特に注目してほしいポイントを私なりに解説してみます。

流通フロー

商品がエンドユーザーの手に渡るまでにどのように流れていくか。つまり、サプライチェーンの理解です。
このサプライチェーンにおいて、顧客がどこを担っているかを把握してください。ここをしっかりとおさえておくことで、顧客分析や競合分析がより明確にできるようになります。

業界の動向

いわゆる外部環境です。需給動向や市場のニーズ、最新技術、マクロ経済の影響などが細かく書かれています。おそらく顧客も把握していないことが含まれるので、報告書を書く際に必ず役立ちます。

別表2 経営分析表

事例Ⅳの経営分析で勉強した経営指標が網羅されています。これはおそらく業種別審査事典でしか手に入らない貴重な情報です。特に財務担当になった方はかなり重宝するはず

もちろん財務担当でなくても、業界平均の粗利や販管費率などコスト構造はざっくりと把握しておくとよいと思います。

さらに帝国データバンクを活用すれば、顧客の売上と税引後利益、自己資本比率が手に入るので、先ほどの経営指標と組み合わせれば、決算書がなくても顧客のB/S、P/Lの大まかな予想もできます

このように、顧客のビジネスモデルとビジネス環境の大枠が理解できれば、顧客のアウトラインと特徴が見え、ヒアリングで聞きたい内容も具体的になってくるはずです。

■どこで手に入れる?

ここまで読んでいただいたみなさんは、業種別審査事典をいますぐ欲しくて欲しくてたまらなくなっていると思います。笑

amazonでも購入できるようですが、お値段なんと1巻2万円(税別)

情報の量と質を考えたら2万は安いのかもしれませんが、さすがに個人で買うには…。

というわけで、図書館に行って必要なページだけサクッとコピーしましょう。
ただし、どの図書館にでも置いてあるわけではありません。審査事典が置いてあるかネット等で確認してから行ってください。
ちなみに私は名古屋の鶴舞図書館にお世話になりました(帝国データバンクもありました)。

■補足

業種別審査事典は1513業種あるので、どの業種に該当するか事前に調べておくとよいと思います。ただし、審査事典の業種分類は、経済産業省の業種分類、帝国データバンクの業種分類とも微妙に違います。ですので、業種名だけで判断がつかない場合は実際に審査事典の内容を見て判断するしかありません。

■おわりに

私も実務補習を受けるまではその存在すら知りませんでしたが、業種別審査事典はコンサルだけでなく、あらゆるビジネスに役に立つ素晴らしいアイテムです。

これから実務補習を受ける方はもちろん、みなさんの本業においてもぜひ活用してみてください。
これまでと顧客のミカタが変わるはずです。


次回はさっとさんの登場です。
お楽しみに!

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