これからの挑戦者へ byベスト

メッセージ

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読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ14期のベストと申します。
今回が、タキプロのラストブログです(たぶん。。。)

本日の記事のために、改めて、自己紹介をさせて頂きます。

年代/性別:30代 男性
職種:金融系
受験歴:1次3回、2次5回
勉強時間:1次1,300時間、2次1,000時間
勉強方法:1次通信教育、2次通学
得意科目:1次財務会計、2次事例Ⅳ

で、もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、私、別の受験生支援団体でもブログを書かせて頂いております。
そこで書いたブログは、私の受験生支援に関する根幹の「想い」の部分であり、一人でも多くの方に読んで頂きたいと思っております。

従いまして、全く同じ文章にはなってしまいますが、タキプロでも同じブログを投稿させて頂くことをお許しください。

きっと、誰かの役に立つ文章だと、僭越ながら思っております。
(既に読んだことがある方、本当に申し訳ございません。。。)

( 回 想 録 )

2年前の1月14日、僕はどん底にいた。

仕事がマンネリだった。

後輩に昇進レースで抜かされ、取って付けた笑顔で心無い「おめでとう」を言ってた。

処遇は変わらないのに、責任だけ増えるポストに就かされた。

何もかもが嫌で、「会社に生殺与奪権を握られたくない」と始めた診断士試験。

……気づけば勉強開始から、丸4年が経っていた。

自分の受験番号が無い合格発表のモニター画面を呆然と眺めながら、僕は自分の足跡を振り返っていた。



・ ・ ・

試験勉強を始めた時は、学ぶ楽しさがあった。

法務や政策などの暗記科目はタイヘンだったし、経済学も初めて勉強した時はチンプンカンプンだったけど、過去問集を回す度に解ける問題が増えて、成長を実感できた。

1次試験7科目をストレートで合格出来たのは、素直に嬉しかった。

2018年8月の事だ。

ここが、診断士試験の気持ちのピークだった。

1回目の2次試験は、最後の事例IVで有り得ない計算ミスをして、D判定で足切りだった。

総合はB評価だったので、そのミスさえなければ合格出来ていたのかもしれない。



でも、その気持ちがアダになったようだ。

2年目の1次試験は免除。

保険受験も考えたが、背水の陣で2次試験に臨むことにして、敢えて1次試験は受けなかった。

昨年のような計算ミスが無ければ合格出来ると思っていた。

自信はあった。

高校も大学も難関資格も、今まで全て2回以内で合格してきていた。

「診断士試験だって大丈夫。」

毎朝、事例IVの全知全ノウを解いて、計算問題を完璧にした。

事例Ⅰ〜Ⅲも通信教育の添削講座で、週に1回は答練していた。

でも不合格。

目の前が真っ白になった。

汗が吹き出して、動悸が早くなるのを感じた。

客先に向かう電車の中で、スマホ片手に実務補習の申し込み合戦に勝つべく息巻いていた自分が、急に愚かな存在に感じられた。

「お前じゃない」

誰からでも無い声なき声で、ハッキリと、そう言われた気がした。

「ふりだしに戻る」

スゴロクゲームなら盛り上がるコマだが、自分の人生に降り掛かられるとタマったもんじゃない。

あの、辛く苦しい1次試験勉強を、また耐えるのか?

正直、自信が無い。やる気も起きない。

「もう、諦めるか」

本気で悩んだ。

悶々とした気持ちで毎日を過ごした。正直、診断士の「し」の字も見たくない気分だった。

それでも無慈悲に飛んでくるGoogleのレコメンドで、何の気なしに読んだ誰かの合格体験記が、僕を救った。


「2回目の1次試験は、1回目とは比較にならない程簡単だった。初見の知識を覚えるのと、1度カンペキに覚えた知識を覚え直すのでは、圧倒的に後者の方が負担が無い」と。


ホントか?と思いつつ、試しに経済学の過去問を解いた。

スッカリ忘れていたものの、解説を読むと「懐かしいな」と思った。

中学生の時に苦手だったクラスメイトに、成人式の飲み会で出会った感覚。

キライだし話したくないはずの人間と、何故か笑顔で会話ができた時のような、ムズムズする不思議な感覚。

もう一度、診断士試験に向き合おうと誓った。

それでトントン拍子に合格出来れば苦労は無い。

3年目も2次試験で不合格だった。

「まだ、来年があるさ」という気持ちと、「もう、これ以上落ちたくない」という気持ちがグチャグチャの中、3年目に不合格だったら実行しようとあらかじめ決めていた、予備校入学の手続きを進めた。

4年目に通った学校は、2月から週1回、1日6時間とミッチリ時間を掛けるコースだった。

直前期になると週2回、3回と増えて、毎日、診断士の勉強の事しか頭に無かった。

これ以上無いと言える程、勉強した。

家族との時間も全て勉強に充て、趣味も忘れ、自習室と予備校を往復する日々を過ごした。

試験当日の手応えも、それなりにあった。

何より、4回目の挑戦だ。落ち着いていたし、自分の力を全部出せた。

時間は掛かったが、今度こそ受かっただろう。

合格後の実務補習に備え、早すぎる有給申請を出して1月14日を待っていた。

そして、冒頭の状態になった。

4年連続不合格。

自分の努力を踏みにじられた気持ちになった。

「もう、やってられない!」

自分の気持ちとは裏腹に、ネット上では歓喜の声。

「はいはい、良かったね。」

心が荒んでいるのが分かった。

「もう、終わりにしよう。」

昇進もしたし、家族にも迷惑かけっぱなしだし、合格しても稼げるか分からないし。

しょせん、俺なんてこんなもんだ。

しょせん、俺なんてこんなもんだ。

しょせん、俺なんてこんなもんだ。

「うん、吹っ切れた。」

2022年の春に、僕は診断士試験を諦めた。

・ ・ ・

悩んでいる時も、吹っ切れた後も、日常は容赦なく流れていく。

でも、いつもの風景がいつもと同じように感じられない日々。

この感覚は知っている。

大好きだった彼女とお別れした時。

祖父母との今生の別れの後。

平気な顔を保ちながら、心ここにあらずといった感覚。

あぁ、これは、「喪失感」だ。

それからも日々は流れ、ある日ふと思い立った。

「今の僕は、何を喪失しているんだろう。。。?」

難関試験を一発で合格出来ると思っていたプライド?

合格後に想像していた、成功した姿?

平凡ながら、ゆっくり流れる幸せな日常?

なんのきっかけも無く、アレコレと考え始めた。

そして、やっと気が付いた。


「僕は、、、何も喪失なんてしていない」

どん底にまで沈んで、それでも忘れられず諦められず、本心では納得出来ずに日常を過ごすうちに、時間の経過が心を癒してくれたみたい。

勝手に絶望して、勝手に諦めて。

でも有難いことに、今年も受験がしたいのなら、出来る環境にある。

自分は恵まれているし、何一つ失っていないことにようやく気付いた。





「うん、分かった。何年掛かっても、挑戦は続けよう





立ち上がったのは、新緑が眩しい6月だった。

長いレースを覚悟したから、家族との時間や本業に、きちんと時間を割くことに決めた。

無理をし過ぎて、本番で気負わないように、マイペースで取り組むことにした。

メリハリをつけて、頑張る時だけしっかりと。

当時の上司に、「あなたのライフワークだね」と言われた。

「試験に落ち続けることがライフワークなのはヤだな」

とか思いながら、淡々と対策を進めて行った。

んで、なんか合格した。

例年の合格発表日は、10:00前にHPを立ち上げF5キーを押しまくってたのに、合格年度に限って14:00まで忙しくて発表を見られなかった。

落ちてると思ってた。

HPを開くと、受験番号を探すでもなく、不意に目に飛び込んできた。

嬉しいというより、呆気に取られた。

何度も見返して、一度画面を閉じて、また30分後に確認して。


うん、間違いなさそうだと確信して、やっと実感がこみあがってきた。

自分の選択は、間違って無かった、と。

あの時諦めなくて、良かった、と。

少し熱くなってきた目頭をおさえ、逃げるように執務室を出た。

転がり込んだトイレの個室の中で、やっと家族にメールが打てた。

送りたくても送れなかった、シンプルな一言。

「5年間、ありがとう」と

・ ・ ・

おわりに

こんなに長く、自己満足な文章を書いちゃってスミマセン。

結局何が言いたかったか?少しだけ補足します。

僕は書いた通りの経験をして来ました。ですので、不合格の時の悲しみは、痛い程分かります。本当に。

だから、


『もしあなたが「未合格」の方で、気持ちが整いきっていなければ、無理に再起を急がないで下さい。』


これが、僕が伝えたかったメッセージです。

まずは休養を取って、日常生活を送り、心のエネルギーが充満してきたら、自然と立ち上がる気持ちが湧いてくると思います。

その時に冷静に、再起するのか、見送るのか、判断すれば良いと思います。

無理をし過ぎて、体や周囲との人間関係を壊してまで習得する資格では無いです。

それでも、痛みや苦しみを知っているあなたは、そして、立ち上がり方を知っているあなたは誰より優しくて強い伴走支援者になれると思います。


今は「勝手なこと好き放題言いやがって」と思って頂いて構いません。

僕のメッセージは、もしかしたらキレイ事で的外れなものかもしれません。

それでも、昔の僕を勇気づけてくれた言葉のように、誰かの支えになれたなら、タキプロ14期生として望外の喜びです。





また、今回合格だったみなさん。

皆さんの喜びの影で、悔しい想いをしている方がたくさんいらっしゃいます。

宜しければ、皆さんの体験や経験を、次の世代に伝えてあげて下さい。


それと同時に、少し大きな話になってしまいますが、年初から大変なことが起きてしまっている日本を少しでも元気に出来るよう、皆さんが培ってきた知見を誰かの役に立てて下さい。

診断士として中小企業の伴走支援をするも良し

本業に役立てて、付加価値の高い仕事をするも良し

人材育成や後輩教育に役立てるも良し

今の合格の喜びと未来展望への期待を胸に、精一杯、診断士ライフを楽しんで下さい


皆さんが生き生きと活躍されている姿こそが、未合格者が顔を上げ、立ち上がる力に繋がるかもしれません

6年前、本業の失敗と挫折で打ちひしがれていた僕が、本気で人生を変えたいと思い、追いすがろうとした憧れの諸先輩方診断士の背中のように

2024年2月吉日
千葉県某所にて 愛娘に囲まれて
ベスト 拝

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