経済学はグラフに重点を by 五鉄

■はじめに

読者の皆さん、こんにちは。
タキプロ12期の五鉄です。自己紹介は、こちら をご覧ください。

1次試験まで「あと2か月」となりました。3回目のブログとなる今回は「経済学・経済政策」(以下、経済学と略します)について書かせていただきます。経済学は、1次試験の長丁場である7科目/2日間のなかで最初の科目です。特に7科目の受験者は、試験初日の朝に出来るだけ順調なスタートを切りたいところです。

■できれば得点源にしたい経済学

1次試験は科目が多いなか、経済学は2次筆記試験に直結しないということで、経済学には学習時間を割かずに「60点狙い」という受験生の方もいらっしゃるようです。この辺は、おひとりおひとりの得手不得手と受験戦略に絡むところですので一概には語れないのですが、五鉄は「68点以上を狙う」という気持ちで試験本番に臨みました。

1次試験で7科目を受ける受験生には「68点狙い」をお勧めしたいと思います。
「68点狙い」のお勧め理由は以下の通りです。

  • 経済学の平均得点をTACと資格の大原が解答速報として公表したデータを基に算出してみると、平成30年度から令和2年度からの3年間平均で「64~65点」でした。7科目のなかでは、経営情報システムと並んで平均点が高い方です。ちなみに、経営法務の同3年間平均は「51~52点」でした。7科目で420点以上を目指す受験生としては「明らかに難易度が異なる7科目のなか、どの科目の1点も同じ価値」であることから、経済学で受験生平均並みかそれ以上の得点を目指すことがお勧めです。経済学で68点以上を取れれば、50点程度に止まるかもしれない他の1科目(例えば経営法務!)を概ねカバーすることができます。
  • 68点の獲得の皮算用は、全25問に対して、例えば「知識が有って解ける設問13問を確実に刈り取り」+「知識が不確かな設問12問のうち4問を正答する」というイメージです。
  • 経済学の過去問に取り組んでみると、捻りや引っ掛けが(他の科目に比べて)少ないと感じます。そして、日常の経済常識や試験対策で学習する知識(特定の用語の定義、グラフや交点の意味)を駆使すれば、個々の設問について予備知識が不確かな場合でも、試験時間内の現場対応で正答できるチャンスがあると思います。

■グラフと頻出分野に重点を置く

学習時間が十分に有れば(!)、経済学を広く深く勉強することが一番良いのですけれども、暗記3兄弟を含む7科目の学習を並行的に進める場合は、ある程度は的を絞る必要があります。

(1)理論学習より過去問とグラフで学習
マクロ経済学とミクロ経済学の各分野で、式や理論を完全に頭に入れることは容易ではありません。五鉄は理論をオンライン学習の早回しでさらりと視聴した後、過去問に取り組み、特にグラフの理解に重点を置きました。

いま振り返ってみて、グラフをマスターする際の留意点は以下の通りです。
(1)交点や接点の意味を理解する
(2)登場する曲線が右にシフトする場合、左にシフトする場合、各々の意味と影響を考える
(3)曲線の傾きが急になる場合、緩やかになる場合、〇〇弾力性が「高い」か「低い」かを憶える
(4)「余剰」や「死荷重」に関連する設問/グラフの場合、三角形や四角形を構成する縦横の幅が何を意味するかを意識する

慣れないうちはピンと来ないのですが、似たような過去問に取りんでいくと、設問のパターンが限られていることがわかってきます。パターンを把握した後は、例えば、生産者余剰、消費者余剰、死荷重に関する設問は(焦らず勘違いしないように留意すれば)本番でも得点源に成り得ると思っていました。

(2)頻出分野から取り組む手もある
それでも「グラフが沢山有り過ぎる」という方もいらっしゃると思うので、過去2年で頻繁に出題された分野を、五鉄の主観で拾い出してみました。以下の5つの分野(括りが大まかで恐縮ですが)から多く出題されています。これらで十分とはとても言えませんが、こうした頻出分野から始めて、時間や余裕の範囲内で広げていくという方法もあると思います。

          出題分野    令和1年度   令和2年度
総需要、総供給分析(AD-AS分析) 第5問
IS-LM曲線、流動性のわな第8問(設問×2)第6問(設問×2)
予算制約線、無差別曲線(等費用線、等算出量曲線)第12問、第15問(設問×2)第13問、第14問
生産者余剰、消費者余剰、社会的余剰、死荷重第10問、第11問第12問、第17問、第19問
国際収支、為替変動、IS-LM-BP分析第7問第11問(設問×2)
          設問数の合計  8(=32点分)  10(=40点分)

■試験本番での現場対応

経済学の設問の一部には、正確な知識を持っていなくても解けるチャンスがあります。本番試験で「良く知らない分野の問題だ」と思っても、一般的な経済知識と問題文の表現・言い回しを手掛かりに、正解を絞り込める場合がありますので、慌てず諦めず、冷静に現場対応の努力をしましょう。以下は五鉄が受験した実例です。

【令和2年度 第20問】
居酒屋は独占的競争市場の一例として考えられている。このような独占的競争市場における居酒屋に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a この居酒屋は、周囲の居酒屋が価格を下げた場合でも、製品差別化のおかげで需要が減少することはない。
b この居酒屋は、正の利潤を見込んで新規の居酒屋が多数参入してくると、製品が差別化されていたとしても、長期的に利潤はゼロになる。
c この居酒屋は、他の居酒屋とは差別化したメニューを出しているので、価格支配力を持つ。
d この居酒屋は、プライス・テイカーである。

[解答群]
ア aとc
イ aとd
ウ bとc
エ bとd

五鉄は以下の通り考えました。
a:× 理由:周囲の居酒屋が値下げすれば一部顧客を奪われるに違いない。aは不適切(的中)
b:△ 理由:儲かりそうな限りは新規参入者がある。bの記載が正しい可能性があるので保留(結果オーライ)
c:〇 理由:差別化されたメニューの価格に支配力があると考えられる。cの記載は正しいだろう(的中)
d:× 理由:差別化されたメニューがある既存居酒屋はプライスメーカーだろうから、dは不適切(的中)

aとdは「×の可能性が濃厚」と判断して「ウ」を選択し、正解でした。十分な知識が頭にあったわけではありませんが、その場で落ち着いて考え「不適切と考えられる選択肢を消すこと」で正答に近づくことができました。TACの速報解説によると、この設問は正答者があまり多くはなかったようですが、消去法でのアプローチが有効だったと思います。

■おわりに

五鉄の令和2年度経済学の得点は76点でした。経営法務の得点が(案の定!)伸びずに56点となりましたが、その不足分を経済学がカバーしてくれました。

以上、経験とお勧めをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。少しでも御参考になれば幸いです。

次回は次郎さんの登場です。
お楽しみに!

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