【経営情報システム】非IT中年の”免除”考 by かさゐ

読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ14期のかさゐと申します。初めまして。

非IT業界である「大阪のテレビ局」に勤務しながら
中小企業診断士試験を受ける前にITストラテジストを取得したため、
3度の1次試験で3度とも「経営情報システム」を免除行使して回避したという、
そんな受験歴をもつ人物が「免除」について考えるという、変化球回。

きょうすぐに役立つノウハウではありませんが、拾い読みしていただければ幸いです。

初登場・自己紹介!

ローカルテレビ局に勤務する40代男性、かさゐと申します。

大阪生まれ、中高大と京都に通学し、20世紀末に現在の会社に入社しました。
現在は番組の見逃し配信(キャッチアップ)の動画広告配信を担当しています(報道、編成など在籍経験あり)。
2男1女の父親で、子供たちの受験のかたわら、ここ数年は自分のことでも一喜一憂してきました。

受験歴:1次3回(詳しくは後述します)、2次3回。
勉強方法:基本、独学(スタディング使用)。※2次で1回だけ「2次コース」に通学しました。
よろしくお願いします。

■はじめに

上司「君にはこれから『キャッチアップ』の担当してもらうで」
かさゐ「キャッチアップ、といいますと?」
上司「広告付きの無料見逃し配信よ。新規事業やな」

6年前の夏のこと。
勤務先の人事異動で、
思いがけずインターネット動画配信の担当に任命されたのが、IT業界との出会いでした。

もともとかさゐは、ITやデジタルマーケティングには縁遠い非IT中年
ご多分に漏れず「アルファベット3文字言葉、多すぎませんか問題」に直面し、アウェーの環境に青息吐息の日々が始まりました。

配信担当者はITだけでなく著作権の知識も求められるということで、
「ビジネス著作権検定(上級)」「知的財産管理技能検定(2級)」を受験。
勉強の効き目があり、社内弁護士や知財部門の担当者と少しは話せるようになったため、
「それならITも資格試験の勉強で身につけたらええやん」と思って手始めに取得したのが「ウェブ解析士」で、
それから2,3の各種検定試験を受けた後、国家資格「ITストラテジスト」にトライし、半年間の独学で一発合格しました。

そのころ、ぼんやり中小企業診断士試験も視野に入れて次の標的を検討していて、見つけたのです。
1次試験「免除」の項目に「ITストラテジスト」があるのを。

そしてかさゐはそれから3度受けることになる1次試験で、
毎回、ためらうことなく経営情報システムを「免除」で乗り切ることになったのでした。

今回、タキプロに参加して初めてのブログ執筆のテーマとして、
まさにその経営情報システムという打診を受けて、因果応報すぎると尻込みしました。

かさゐ「科目の受験ノウハウもないし、あまりにも変化球すぎやしませんか?」
あっささん(14期ブログ班サブリーダー)「受験生にもいろんな経歴、方針の方がおられるので変化球歓迎です!」

そうですか! それならせっかくいただいたお話ですし! お役に立つかは測りかねますが!

というわけで、以下、いきなりの余談を展開いたします。
試験勉強に一息つく間、しばしお付き合いくださいませ。

■令和の過去問、解いてみた!

保有する「ITストラテジスト」を生かして、ためらいなく「免除」を行使してきた非IT中年・かさゐ
もし本試験で「経営情報システム」を受けていたら、どうなっていたんでしょうか?

科目合格も危うい?
足切りになっていたのでは?

……正直言って、いずれも自分では否定しきれません。

そこで今回、あらためて令和の過去問4年分を解いてみました。
ちなみにこれまでの1次試験の履歴は次の通りです。

  • 令和元年 6科目受験し316点で不合格(科目合格:A・B・D) 
    ⇒ もしFが100点でも不合格
  • 令和2年 3科目(C・E・G)受験し206点で合格       
    ⇒ もしFが40点でも合格
  • 令和3年 (2次専念で1次受けず)
  • 令和4年 6科目受験し405点で合格             
    ⇒ もしFが40点でも合格

こうしてみると、足切りさえくらわなければ、試験結果に影響はなかったということがわかります。

さて、今回の制限時間は本試験より短い25分。
解く順番を考えず、問1から問25まで順に答えるスタイルで取り組みました。

直近の令和4年から始めて、過去へと遡った結果……。

  • 令和4年 60点(没問含む)
  • 令和3年 64点
  • 令和2年 68点
  • 令和元年 72点

4年とも一応、科目合格点!(令和4年度は没問含みですが)。正直、ほっとしました。

落としたのは、記憶装置やプログラム、プロトコルなど、知っていれば取れた可能性のある問題が多く、
これは「経営情報システム」は頻出論点をまずしっかり身につけろ、という先人の言葉に合致します。

また、令和4年・令和3年に比べて、令和2年・令和元年と解き易く感じましたし、点数も少しですが上回っています。
これは次のデータにみられる「令和3年度以降、やや『難化』」とも符合します。

グラフを見ると令和3年度の「五択化」で、令和2年度から科目合格率がガクッと下がったのがわかります。

しかし、同様に五択だった令和4年度では科目合格率が上昇していますので、
これは問題が難しくなったというより、受験生が変化に驚いた(次の年は対策して臨んだ)現れではないかと考えます。

したがって、令和5年度試験においても1次試験の「経営情報システム」は

頻出論点をしっかり押さえる。
暗記科目だと割り切って時間を効率よく使う。

といった、先人たちの蓄積した対策が引き続き有効と考えます。

結論めいたことを申し上げましたが、もう少し続けます。

■科目の設置目的は「橋渡し」?

かさゐにとって、中小企業診断士試験は、数々のIT系資格試験より楽しく勉強でき、身につく感覚がありました。
それは中小企業診断士試験の科目が、どれも今後の自分に役立つと信じて前向きに勉強したからです。

IT系資格試験の勉強は暗記と理解に追われまくって、その先にある「役立てる」フェーズが想像できておらず
「経営情報システム」もそれに似たものと考えてしまっていました。

なにごとも目的(パーパス)を確認することは大切です。

あらためて「経営情報システム」科目設置の目的を読んでみましょう。

情報通信技術の発展、普及により、経営のあらゆる場面において情報システムの活用が重要となっており、情報通信技術に関する知識を身につける必要がある。また、情報システムを経営戦略・企業革新と結びつけ、経営資源として効果的に活用できるよう適切な助言を行うとともに、必要に応じて、情報システムに関する専門家に橋渡しを行うことが想定される。このため、経営情報システム全般について、以下の内容を中心に基礎的な知識を判定する。(後略)

令和4年度中小企業診断士 第1次試験案内・申込書より

つまり、助言と橋渡しを行う、そのための知識を身につける、というのがこの科目設置の目的なのです。

科目設置の目的の中に「橋渡し」というワードが出てくるのは7科目中「経営情報システム」と「経営法務」だけです。

自分自身が専門家になるわけではなく、
専門家と経営者の間に立って、
経営者の思いを的確に専門家に伝え、

専門家の言葉を経営者に伝えて生かしてもらう。

それが中小企業診断士による「橋渡し」のイメージです。

■科目免除されるのは誰かしら?

「経営情報システム」が科目免除になるのは、「橋渡し」の先にいる専門家だと考えられます。
「経営法務」における弁護士に相当します。

「経営情報システム」が免除される専門家には上記のように
「技術士(情報工学)」「情報処理技術者試験」の2系統あります。
※理系の最高峰資格とされる技術士試験で、中小企業診断士や試験合格者は
1次試験(専門分野)の「経営工学部門」が免除になるようです。このすれ違いも興味深いですね。

以下「情報処理技術者試験」欄に多数列挙されている資格を整理しました。
スキルレベルとは「ITスキル標準(ITSS)」(経済産業省が定めたIT人材に求められるスキルやキャリアを示した指標)で
7段階に設定されているもので、レベル4が高度に相当します。(レベル5以上は資格試験としては判定されてません)

現在試験として実施されているのは4つの高度試験(スキルレベル4)応用情報技術者(スキルレベル3)のあわせて5つ。
他の6つは今後あらたに取得することはできない資格です。

一方、現在実施されている高度試験(スキルレベル4)で「免除」対象に含まれないのは次の通りです。

旧テクニカルエンジニア試験に由来する4つと、
登録セキスペこと「情報処理安全確保支援士」は、スキルレベル4であっても「免除」の対象ではありません。

ちなみに「ITサービスマネージャ(サビマネ/SM)」試験は午後Ⅱ論文も課される難関ですが、志願者が他より少なく、少し影が薄い(個人の感想です)。ITサービスマネジメント分野には「ITIL」などの有名資格があるからですが、比較的楽しく勉強してサビマネを取得したかさゐとしては、いささか寂しい感じがしています(認知的不協和)。

■悩ましい?科目免除

有資格者にとって「科目免除」についての選択肢は2つしかありません。
当たり前の話ですが、免除を行使するするか、しないかです。

選択肢① 難化リスク回避のため、免除を行使し60点を確保!
繰り返しになり恐縮ですが、かさゐのとった作戦です。
【メリット】
受験科目数が1科目減るので、1科目あたりの勉強時間を増やせること。
試験2日目の昼食をゆったりとれること。
必要なら次の科目「中小企業」の最終チェックも念入りに行えること。
【デメリット】
今のところ、とくに思い浮かびません。

選択肢② 60点以上とる自信があれば、得点源にするため受験する!
こちらはかさゐが取りたくても取れなかった「IT人材向けオススメ作戦」です。

イチから猛勉強しなくても60点くらい余裕だという方は、積極的に受験して、
他の科目の難易度が乱高下するリスクを緩和しつつ、失地を挽回する得点源にすることをお勧めします。

有資格者は、申し込みまでに上記①②のどちらにするか選択する必要があるわけですが、
一方で「科目免除を目的として」あらたに情報処理技術者試験の受験を検討されている場合は、慎重な検討をお願いします。

【理由】
情報処理技術者試験はそれぞれ難関であり、独特の試験対策(過去問の習熟など)にエネルギーを使わなければならない。
また、ITストラテジストなどの午後Ⅱ論文試験と中小企業診断士の2次筆記試験との共通点は「手書き」という点のみ。
2つの試験で求められる発想は異なり、全く別物といってよく、もし並行して対策すると、
気力体力や時間など中小企業診断士試験に取り組むリソースが分散する

有力な資格をとれば、芋づる式に資格を取るのが容易になる面は確かにあります。
しかし、資格間の関連性を考えると「希少なエネルギーや時間を分散してまで科目免除をめざす」のは本末転倒となりかねません。

頻出論点をしっかり押さえる。
暗記科目だと割り切って時間を効率よく使う。

しっかりとか、効率よくとか、そういったノウハウもお伝えしたかったのですが、そこは任にあらずでして……。

IT資格受験の一般論として「とにかく高速回転すると意外に理解も進んで、結局は早道になる」とだけお伝えしておきます。

■おわりに

非IT中年なりにITについては懸命に努力してきたため、
経営情報システムを免除で通過したことに、どこかでひっかかっていました。
試験会場に置いてきた忘れ物をとりにいくような文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。

これまで先人の足跡である様々なブログをたどって歩いてきました。
タキプロ14期ブログ班として、これから1年間書いてまいります。
かさゐの拙い文章が、少しでも読者のお役に立つことを祈念いたします。


次回はかやのさんの登場です。
お楽しみに!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
みなさんの合格をお祈りしています! バナーをクリックしていただけると、とっても嬉しいです。
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