令和診断士試験・炎の七番勝負! by かさゐ

みなさん、こんにちは。タキプロ14期のかさゐです。大阪のテレビ局に勤める 非IT中年 です。

この合格体験記では、令和元年春から令和5年2月まで1次・2次あわせて7度にわたって対戦を繰り広げた中小企業診断士試験との格闘と反省の日々を「七番勝負」の形で振り返り「なぜ かさゐ は、最短距離で合格できなかったか?」の謎を解き明かします。

全貌を把握していただくため、序盤にダイジェストを配置しています。
お時間あるとき、興味持てそうな項目を読んでもらえたら幸いです。

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■はじめに自己紹介

あらためまして かさゐ です。

大阪のテレビ局に20世紀末に新卒入社し、今も元気に勤務しています。
視聴率区分でいうM2層(男性35歳〜49歳)。
まもなくM3層(男性50歳~64歳)です。
報道記者や編成、営業などを経て、現在担当しているインターネット動画配信界隈で早くも7年目。
この界隈、同年代より上は業界のレジェンド、あらたに出会う人はだいたい年下です。

平成30年(2018年)ITストラテジスト試験\合格/
それをきっかけに中小企業診断士を目指すようになりました。
それまでの試験勉強を半年から長くても1年で片付けてきたため、中小企業診断士も1年あれば片が付くと考えていました。

しかし、準備不足のままの見切り発車がたたって、ボタンの掛け違いを克服するのに時間がかかり、
結局3年半余りにわたって「ステルス受験」生活を続けることになりました。

最初の志望動機は
「勤務先の新規事業の成長と発展をめざして、
知識を充実して、よりよい仕事をするために成長したい」

という内向きなものでした。

ですが勉強するうちに、わが国中小企業の現状を認識して「中小企業のお役に立ちたい」と思うようになりました。
登録後は、当面、副業として中小企業支援にあたろうと考えています。

それでは、泥沼にも思えた3年半を「炎の七番勝負」として振り返ってまいります。

少々長くなりますが、お付き合いよろしくお願いします。

自戦記の細部に神宿る

■ダイジェスト「炎の七番勝負」

【ご注意】

以下に記すのは自分のようにやれば合格する」という内容ではありません。

むしろこれは「自分のような致命的な失敗を避けるようにしたら、きっと合格に近づくはず」という考えに基づく情報提供です。
あらゆるところに落とし穴が口を開けていますが、一度認識しておけば、避けて通ることは難しくありません。
合格の可能性を1%でも高めたい方は、ぜひお目通しください

【七番勝負の足跡】

第一番 ● 令和元年度第1次試験 通過できず:完全な準備不足
第二番 〇 令和二年度第1次試験 通過
第三番 ● 令和二年度第2次筆記試験 不合格:本質を見抜けず
第四番 ● 令和三年度第2次筆記試験 不合格:錯覚いけない、よく見るよろし
第五番 〇 令和四年度第1次試験 通過
第六番 〇 令和四年度第2次筆記試験 合格
第七番 〇 令和四年度第2次口述試験 合格

※いずれも楽勝ではなく、役立てていただける教訓を含んでいます。

☗☖受験生が かさゐ の長大な合格体験記を読むべき理由☗☖

  • 合格するまで諦めない者は必ず合格することがわかり、励みになるから。
  • 大人の試験勉強における「取り組み姿勢」の重要さを証明しているから。
  • 多年度生の犯した「致命的な失敗」を避けるだけで短期合格に近づくから。


(妄想の声)
「でも、かさゐ さん多年度生じゃないですか…。
 私、ストレート合格めざしているので、
 ストレート合格者の方の体験記以外読むのは時間がもったいないかなって…」

もし万が一、そのような紳士淑女がおられるようでしたら、ぜひぜひ

「持ち時間の使い方:2次筆記試験80分の常勝タイムマネジメント」

の項目だけでもぜひご覧ください。
負けない戦いをするために役立てていただけると確信しています

■対戦前のステータス

かさゐ の試験勉強のスタイルは「強みを伸ばすことに集中して差別化するタイプ」
得意科目では場外ホームランが打てるが、苦手科目だとボールが見えないまま見逃し三振。
成績にムラのある不器用さで、中学・高校・大学の日常は苦難の連続でした。

しかし、一発勝負の入試に関しては、まずまず望み通りの結果を残してクリアしており、
基本的に「必要最低点を1点でも超えるために何をすればよいか」という考え方です。

入社したテレビ局では、同期のうち自分ひとりだけ次々と部署・担当を渡り歩くジョブローテーションの嵐に翻弄されました。
異動が立て続いた経緯は自分では今でもよくわかりません。
生まれついてのテレビっ子で、テレビに関係するならどんな場所に置かれても花咲いてやろうと考え、短期間に新しい担当の業務知識を一通り習得することに慣れていきました。

四半世紀を超える会社人生で、所属した各部門で獲得した中小企業診断士資格の取得にかかわる能力向上ポイントは次の通りです。

経理日商簿記2級合格。管理会計。PMP受講。
編成・企画=差別化戦略。番組の生産管理。
営業=マスマーケティング。イベント運営。
報道=書く力。取材する力(関西経済、選挙報道、その他、事件や企画取材)。専門統計調査士
配信=著作権(ビジネス著作権検定→知的財産管理技能検定2級)/デジタルマーケティング(ウェブ解析士やネットマーケティング検定など)/高度情報処理技術者(ITストラテジスト試験ITサービスマネージャ試験)。

※ITストラテジスト試験合格から中小企業診断士1次試験の免除行使へとつながるお話は、下記 かさゐ のタキブロ14期デビュー回にて詳述しましたので、ご覧ください。

多面的な経験を積んできましたので、臆面なく申し上げて、最初から「自分は診断士試験に合格する能力が十分にある」という確信がありました。
管理職となり残業や休出が減り、コロナ禍で通勤時間が不要になって、対応スラックも十分と考えました。

しかし「1年でストレート合格して片を付ける」という思いだけで、目の前の試験に性急に着手したことが躓きの石でした。

必要十分な情報収集と、それにもとづく正しい受験戦略の構築が欠落しており、準備不足で決戦に臨んで、戦いを長期化・泥沼化させてしまったのです。
後悔先に立たずです。

ただ、この無謀な突撃、蛮勇にも良いところがあったと思います。
それは「準備不十分を理由に受験を諦めるような弱気が顔を出す暇がなかった」こと。
遮二無二突っ込んで、とにもかくにも\合格/までたどりついたのですから。

いま、もし令和元年当時の自分に5秒だけ声をかけることができるなら、
「諦めなければ思った通り必ず合格するけど、試験と向き合わなければ時間かかるよ」
と言いたいです。

めざすは短期決戦だ!

■🔥第一番🔥令和元年度1次試験 通過できず:完全な準備不足

テレビ局の社員がITストラテジスト試験に合格するケースは珍しいのです。
平成31年(2019年)初頭、合格を猛アピールした甲斐あって\社内表彰/を受けました。
(この猛アピールだけでも一本書けるくらいです)

この勢いで中小企業診断士試験も一蹴する。
これが当初考えた「1年でストレート合格」プランのすべてでした。
本気ではありましたが、計画とは呼べないですね。

最初のテキスト(※)を買ったのは3月。
(※)TAC「みんなが欲しかった!中小企業診断士の教科書」と「要点整理ポケットブック」

5月に令和へと改元されましたが、GWに家族旅行、その後に業務出張と2度海外に行きました。
帰国後、本試験を申し込んでから「スピード問題集」に取り掛かるというスロースタートでした。

1次試験の過去問はテキストに載っている分だけで、2次試験対策など意識の外でした。

1次試験:8月3日〜4日(マイドーム大阪)

谷町筋からの行き帰りの坂道がとても暑く、日陰を選んで歩いた記憶が残っています。
2日目の昼食は、情報の免除を満喫して、堺筋本町でゆっくり「ひとりしゃぶしゃぶ」
後々になって大変苦い味がよみがえりました。

そんなことやっとる場合か!真面目にやれ!(ごもっとも)

令和元年度1次試験

【感想戦】

A経済学(○):一応経済学士。少しだけ上積み。
B財務会計(○)・D運営管理(○):ぎりぎり。
※2次試験との関連が深いこの2科目をぎりぎり科目合格したのは、後から思えば良くなかったです。
企業経営理論(×):過去問の取り組み不足、とくに独特の文体への習熟不足がたたりました。
経営法務(×):頼みの著作権も間違いまくり。
中小企業(×):メロメロ。七番勝負の中で唯一の足切り体験

1次敗退という冷厳な事実によって、自分の慢心にようやく気づきました。

記念受験だったと誤魔化して撤退する選択肢もあったのですが、受験を誰にも伝えていない「ステルス受験」のため、ひとり静かに時間を置くことができて、撤退しないと決め直すことができました。

負けてやるせないこの気持ちの方は、高度情報処理試験「ITサービスマネージャ試験」にぶつけ、秋季試験に一発合格/
試験で負った傷は試験で癒すということで、中小企業診断士試験へのモチベーションも自然と回復しました。

ちなみに、このITサービスマネージャ試験で出会った「ITIL」のインパクトが大きく、中小企業診断士をとらなくても、今後のための十分な理論的支柱を得た思いでした。
非IT中年にとってITIL資格は高価で手が出ないままですが……)
令和元年9月に渡英した際、せっかくのチャンスなのでロンドン・ガナーズベリーのBSI(英国規格協会)まで聖地巡礼しにいきました。

天狗の鼻は折れてからが勝負

■🔥第二番🔥令和二年度1次試験

令和元年度の2次試験合格発表があった後、
コロナ禍がみるみる広がって各種資格試験の実施が危ぶまれ始めました。

一方、やる気を持ち直した かさゐ の迷いは1次試験でどの科目を受けるかでした。

申込までかなり迷ったのですが、本業でのコロナ対応が繁忙を極め、前年科目合格した科目まで勉強し直す時間がとれそうになありませんでした。

保険のつもりで受けたとしても、勉強し直さずに受けて上積みを図る自信もないため、結果的に「F情報は引き続き免除。科目合格できていないC経営・E法務・G中小の3科目だけ受ける」と決めました。

後悔先に立たずではありますが、2次試験との関連の深いB財務会計・D運営管理は、1次試験対策で勉強し直し、知識をより確実にしてホットスタンバイしておくべきでした。

また、2次試験対策も手つかずでした。
1次試験を通過していないうちに取り組む気が起こらなかったこと、自宅蟄居が長引いて気力と健康を損ねていたこと、などが一応の理由ですが、2次試験対策こそ早々に始めておくべきでした

1次試験:7月11日〜12日(大阪経済大学・大隅キャンパス)

1次試験は前年より早い時期に実施されました。

試験会場に人を集めたことで集団感染を引き起こしてはならないということで、受験票に検温印を押してもらうまで入ってはいけなかったり、隣の座席との間隔が広かったりと、コロナ対策が万全に実施されていたと思います。

受けるのは3科目だけなのに、そんな会場に2日とも通う羽目になったのは少々しくじった感じでした。

令和二年度1次試験

【感想戦】

3科目に集中して勉強し、まずまずの結果が出せました。
C企業経営理論(○):あと数問正解したかった。
E経営法務(○):民法大改正に張ったヤマが当たりました。
G中小企業(○):「前半5割+後半7割=トータルで6割」を守りました。

2年がかりで1次試験を突破する形になりました。
1次試験を一発合格できなかったため、
「もし2次試験に2回落ちたら、
とても1次試験からやり直せないだろう
という弱気が内心に巣食っていました。
それが後々、致命的なミスをもたらすことになります。

1次を突破して2次に駒を進めるぞ!

■🔥第三番🔥令和二年度2次筆記試験 不合格:本質を見抜けず

1次試験翌日。
自己採点して通過を確信し、これまで手を出すのを我慢していた2次試験の市販テキスト(※)を一気に買いました。
(※)「全知全ノウ」「事例Ⅳ全知全ノウ」「2次過去問集」「事例Ⅳ計算問題集」「ふぞろい10年データブック」「まとめシート2次対策」など…ほぼ手当たり次第でした。

放置していた2次対策ですが、3ヵ月あれば余裕だなどと考えていました。具体的には
・現代国語は大の得意
・情報処理試験の論文試験でも負け知らず
・市販テキストやブログ情報から読み取った試験テクニックを心得ておれば大丈夫でしょ
といった不遜な考えです。
1次試験で折られた天狗の鼻ですが、2次試験の2本目が別に生えていたようです。

2次筆記試験対策のため新たに身につける知識量は、1次試験に比べれば、確かに多くはありません。
しかし、やり方がいかにもまずかった。
(まずいので、打ち消し線で消しておきます)

・事例Ⅰ~Ⅳのキーフレーズを単語カードにして覚えようとする(200枚程度ありました)。
ペンの色分け法にこだわる(蛍光ペン5~6色と赤ボールペンを駆使するつもりでした)。
・過去問と同じ問題は出ないのだから、5年分をさらっと1周。


……いやいやいや、そうやないやろ!違う違う!のオンパレード……。
そんなに器用なタイプじゃないのに……。

2次試験:10月25日(マイドーム大阪)


【コロナの影響など】

全事例に「コロナの影響は考えなくていい」と注記されていました。
そこは素直に「与件にある情報で答えればいいのね」と受け止めていました

また、後述するタイムマネジメントの大枠は、初挑戦の今回でほぼ完成していましたが、
うまくいくかどうかは別問題なのでした。

【当日の流れ】

事例Ⅰ:温泉地の酒蔵、事業承継。設問ごとに解答視点が変わって面白い。好きな感じの事例から始まり「イケる」との確信が深まる。
事例Ⅱ:島のハーブ。設問文の制約もちゃんと読めて、それなりに書けた。

昼食:おにぎり4つを一気に平らげて満腹に。そのため午後鈍った

事例Ⅲ試験時間を見誤って15時までと思い込み、大慌てで書ききる。15時過ぎても周囲が静かで誤りに気づき、残りの20分で修正した。
事例Ⅳ文字面に圧倒され「これ80分で処理できる量か?」「出題、日本語おかしくないか?」と不平不満で頭がグルグル

終了後:1日中呼吸が浅かったため、重い頭痛が残った


【不合格発表】

その後の1ヵ月半、なぜか合格したつもりで過ごしました。

しかし、口述対策は合格発表後の10日間でやると決めて勉強はせず、12月12日にウェブで/不合格\を確認したとき、心底愕然としました

12月18日に成績(ABCD)の書留が、翌年2月4日に得点開示が届きました。

令和二年度2次筆記試験

【感想戦】

事例Ⅰ:手ごたえに比べて6割しかとれていないのは何故か。
事例Ⅱ:島のハーブにしてやられた。与件の整理が甘かった。いやいや事例Ⅱ怖いな
事例Ⅲ60分で仕上げたのに、自分の最高得点とは何故か。
事例Ⅳ:相対評価で得点調整があったようだ。素点は絶対こんなになかったはず

合格したつもりでの/不合格\
これは2次試験の本質を射抜けていない、的を外していることを意味します。

合格する確信はあるものの、このままでは何年かかるかわからない……。

来年、間違いなく\合格/する!

そのために、すぐ腰を上げました。

12月20日に資格学校のイベントに参加、即日2次対策コースを申込んだのです

事前テストで8割以上とって学費が半額になったのは、正直ありがたかったです

見失った道筋を見つけるために

■🔥第四番🔥令和三年度2次筆記試験 不合格:錯覚いけない、よく見るよろし!

【資格学校2次コースの8ヵ月】

2次対策コースが始まったのは2月。
コロナ禍で教室に集まることすら憚られる中、9月までの毎週土曜の10時~16時を都心の教室で過ごしました(1次試験の直前期を除く)。

在宅勤務の日々で、唯一の外出がこの通学という時期もありました。
(感染リスクを増大する通学を許してくれた家族に、ただただ感謝しています)

講師のT先生は金融機関出身で現役の中小企業診断士
ただの「試験テクニック」(※)に走らず、繰り返し丁寧にご指導いただいたのは――

(事例Ⅱ)「独自のアイデアに走らず、与件を読んで7割の人が答えることを書くようにしなさい」
(事例Ⅳ)みんなが解ける問題は、あなたもできるようになりなさい」

――という考え方でした。

自分自身は
・「事例Ⅱでやらかさず、事例Ⅳを得点源にする」という目標に近づく、
・事例Ⅰと事例Ⅲについても与件や設問を「整理する力を磨いて制限時間内の対応力を強化する、
といったことを目指していました。

ゲンキンな話ですが、学費も安くはなかったので、実に真剣でした。
20人ほどいた同級生は全員ライバルに見えていたため、教室外での勉強仲間は作らず「独学」を徹底しました。

(※)「2次試験の試験テクニック」は過去問に最適化しており、次の試験本番で有効なのかはわかりません。「テクニック頼み」より本質を衝くのが吉です。

2次筆記試験:11月7日(大阪経済大学・大隅キャンパス)


試験の制約条件は守るべし】

朝の試験開始前、斜め前の男性受験生が、試験監督の女性と「何かを机に出していいかどうか」について揉めていました。

試験要項に明示されたルールは「制約条件として」守るべきです。
そして、試験前に試験監督と揉める必要はありません。

制約条件を破る人に合格は難しいだろうと仮説を立てていましたが、後に確認したところ、やはりその男性受験生は/不合格\でした。

ちなみに、かさゐ当日のセッティングを試験要項に完全依拠するよう、心がけていました。

・試験要項に「700ml以内のペットボトルのみ足元に置いてよし」と記載がある。
「『660mlの麦茶のペットボトル』を数本用意し、足元には1本だけ置いてマイペースで水分摂取する」
※紙パックやびん・缶の飲料だと、飲みかけでもバッグにしまうよう指示されます。

・試験要項に「机の上にハンカチを出してよい」と記載がある。
「『無地のハンカチ』を机に敷いて、文房具を整理する風呂敷代わりにする
※各種のペンや消しゴム、目薬、時計や定規などを整理するのに役立ちます。

ちなみにシャーペン芯は机に出しておけなかったので、休憩ごとに補充するようにしていました。

また、余談ですが、資格学校に通学してまで受験するのだから「氏名を書き忘れてはいけない、必ず名前書く!」と自分に何度も言い聞かせていました。
いざ解答用紙に氏名を書こうとしたら、受験番号を書く欄しかありません
「なんだか初めて2次試験受けるみたいだな」と少し笑って事例Ⅰに取り掛かりました。

【コロナの影響】

コロナ禍の2次試験も2年目なので、今年はコロナの影響が問題に取り込まれるだろう、と予想されていました。
その予想通り、コロナ禍は織り込んで助言する問題が並んでいましたが、なんでもかんでもコロナのせいにするのではなく、より与件文に寄り添うことを心がけました。

【当日の流れ】

事例Ⅰ:事業承継、印刷業から広告事業への多角化。事例Ⅰで手ごたえなし不安な立ち上がり
事例Ⅱ:豆腐。米と手作り豆腐のセットで「手作り豆腐丼セット」を組成。フランチャイザー/フランチャイジーもしっかり書けて会心の出来。整理不足で「若い主婦層にショートメッセージ」を書けず。

昼食:おにぎり2個にとどめる。適宜ラムネを摂取。

事例Ⅲ:革鞄。スタンスを二択で論じる最終問題は「技術承継うまくいってへんのに高級路線なんて無理無理」と思い標準化志向で書く
⇒「診断士としての助言」だから「強みの高級感を生かし、そのためには技術承継頑張れ」と書けばよかったが、その場で思いつかず。
事例Ⅳ:スーパーの多角化。経営分析では指標4つ聞かれてオロオロ。「セミセルフレジがどうしたって?」「なんでスーパーが魚の養殖すんのよ?」と情報量の多さに翻弄されまくる

終了後:去年のような重い頭痛回避のため持ち込んだ酸素ボンベは効果薄。長時間、悪い姿勢で固定し、翌日むち打ちのような症状に悩まされる。

試験直後、帰宅時。
レンタル自転車を少し漕いで帰ろうとして近くのポートを探し、自転車にまたがったところで、やらかしたことに気づきました
事例Ⅳの初歩的な誤読です。
反省のしようもない、率直に言って「魔に魅入られたように」「何かに釣り込まれるように」「魔が差して」間違ったと感じました。

後日分析するに、この失敗は、

・長時間にわたる2次筆記試験の疲労(酸素ボンベ以外はとくに対策なく、体がカチカチになったことも大きい)
・今年落ちると1次試験から出直しだという背水の陣のプレッシャー

両方にやられたのだと思います。

頭真っ白でレンタル自転車をこいだ道中の暗い景色を、なぜか克明に記憶していて、ときどき夢に出てきます。

釣り込まれたようなミスの例

【不合格発表】

事例Ⅳは失敗したものの、足切りされるほどではなかったはず。事例Ⅰ~Ⅲでカバーできていれば合格できる」と自分に言い聞かせながら年明けの合格発表を待ち、正月は重苦しく過ごしました。

そして1月14日。

ウェブの発表を隅々まで見ましたが(大阪以外の会場も確認しました)自分の番号はなく/不合格\

やはり事例Ⅳは大失敗だったんだ……。
事例Ⅰ~Ⅲでカバーできないくらい?
もしかして、事例Ⅳで足切りか

大ショックでへたりこみ、文字通り立ち上がれませんでした。
この苦しみがまだ続くのか、という絶望
1次試験からの出直しという徒労感
1月19日に成績(ABCD)の書留、翌年3月3日に得点開示が届くまで、心理的にはぶっ倒れたままでした。(繁忙期だったので、仕事は手堅くこなしていました。心のうちは無の境地でしたが)

令和三年度2次筆記試験

(AAACと知って)
事例ⅣがC判定、ということは、足切りではなかった
ミスをカバーできていないとすると、A判定だった事例Ⅰ~Ⅲの得点は、思うほど伸びていないのか?

(得点開示を見て)
事例Ⅰ~Ⅲの得点は思ったほど伸びていなかった。
だが、去年から18点上積みできている。
努力が実った(事例Ⅱで19点伸ばしたという事実には目をつぶる)
あと7点だ。
それならもう、来年イケるんちゃう?
いや「受ければ必ず\合格/するわ(確信)」

こうして段階的に気持ちの切り替えに成功し、
”ストレート合格”して「最後の1年」にするぞ、と1次試験からの再起を決めました。

得点開示後には、ノリでも勢いでもなく、
1次試験対策:なりふりかまわぬ一発合格めざして「STUDYING」と「まとめシート」を採用。
2次試験対策:通学はせず、過去問と各校の模試と「月刊企業診断」錬成問題を回す。
という具体策をまとめ、3月に再始動しました

☗☖持ち時間の使い方:2次筆記試験 80分の常勝タイムマネジメント☗☖

かさゐ が、多年度生の沼を脱出する最後の1年に向かう前に、受験回数を重ねて本番で得た成功体験から抽出した、2次試験に関する教訓をひとつご披露します。

元になる成功体験は「2次筆記試験に連続3回挑戦し、事例Ⅰ~Ⅲの9回中8回でA判定を獲得した」という事実です。

得点の推移は下記の通りです。グラフの下限は足切りライン(40点)です。
※安定性を欠く事例Ⅳについては、タイムマネジメント面で少しだけ後述します。

2次筆記試験 かさゐの得点推移

ストレート合格しか経験されていない方は「受験回数が少なく、本番での成功体験が限られている」ともいえます。

とくに2次筆記試験は、模範解答や採点基準が明らかではないため、ストレート合格しか経験されていない方には「別の年度に受験していても、同じように合格点を絶対に取れた」と断言することはできません。

一方、これからご説明する方法論は、複数年度にわたって検証を経た、ある程度手堅いものになっています。
もちろん、よそで聞いたことのないような突飛な考え方ではありませんし、これだけ身につければOKというマジックでもありません。
「こういう考え方でいいなら、負けない戦いができそうだ」くらいに受け止めていただければ幸いです。

2次筆記試験 80分の常勝タイムマネジメント


【マインドセット】

2次筆記試験では、みな等しく「80分」が与えられています。その80分の中で「初見の問題から情報をインプットし、回答をアウトプットすること」が求められています。
そして、合格を決めるのは「アウトプット内容の品質」です。

「80分」は試験の絶対的な制約条件です。
みなその制限のなかでベストを尽くしていますし、文句を言っても何も始まりません。

また、アウトプット内容の品質を試されている以上、貴重な80分でやらなければならないのは、「与件文をきれいに色分けすること」でも「資格学校のメソッドを上手にあてはめること」でもありません。
本末転倒に陥らないことが重要です。

以上の心構えのもと、下記の考え方と手順で2次筆記試験に取り組んでください。


【考え方と手順】

☗①方針:何があっても「インプット40分、アウトプット40分だ」と決める。

これは「試験本番で初見の難問を相手取るのに、分刻みのスケジュールなど守れはしない」ため。
冊子をバラしてメモ用紙を作りつつ、分量を把握する。

☖②視覚的な整理:段落間と問題文の終わりにさっと線を引き、見分けやすくする。

1分かけて線を引くだけで、目が滑らなくなり、与件文から根拠を探す時間が1分以上短縮できる。
隅々まで目を通すため、要素の見落としも減る。

(tips)合格年度、シャーペンとの混同を避けて灰色蛍光ペンを使いました。また、事例Ⅳの設問文にも応用しました。

☗③インプット(設問文):設問文を読み、回答文字数や割り振られた点数をチェック。
さらに「何が問われているのか、切り口は何か、制約条件はなにか」それぞれ丸や四角、括弧で囲む。

ここで「聞かれたことに答える」構成が視覚的に仕上がり、少し長めの空欄補充問題に切り替わる。

☖④インプット(与件文:与件文を頭から読んでいく。設問と明らかにリンクする箇所には、設問1なら「Q1」などとメモし、見当をつけていく。

気になる表現には、簡単に線を引くなどしてもよい(必須ではないし、とくに色分けも必要としない)。解答をまとめるときに注意が向きさえすれば、方法は問わない。

☗⑤インプット(内容の整理)
※タイムマネジメントというより「2次筆記試験の解法」であるため以下、簡略に触れる。

事例Ⅰ・Ⅱ:「ダナドコ」で事業ドメインの推移なり商品別の特性なりを把握する。
事例Ⅰ:さらに回答レイヤーごとに切り口を見繕う(レイヤーは戦略/組織/人事。人事の切り口は「幸の日も毛深い猫」「茶化」)。
事例Ⅱ:さらにSTP+4Pの観点、連携先や連携方法を付け加える。
事例Ⅲ:とにかく「C社のダメなところ」を全部掘り起こし、QCDや生産管理の軸に位置付ける。


☖⑥インプット(内容の整理):⑤の結果と③・④を照合すると、回答にまとめるべき部分がわかる。

要素はMECEになっていることが多いので、全問で明らかな抜け漏れが生じていないか確認する。

<<ここまで40分>>

☗⑦アウトプット「聞かれたことに答える」構成に従って、問1から順に書いていく

答える順番を試験中に考えて判断する時間が惜しいため、方針を決めておくことを推奨する。
短いもの、明らかに書きやすく感じるものなら、その場で先にしてもよい。

(tips)SWOT問題は、最後にすると書きやすい。
設問の時制に留意しつつ「解答でつかった強み(S)」「解決した弱み(W)」を列挙する。


<<合計500字だと約25分で仕上がる>

☖⑧アウトプット(チェック)聞かれたことに答えたと読み取れるか」チェックする。

誤字脱字がないか、読みづらい部分がないか、あわせて確認する。

<<スムーズなら5分~10分余る>>

5分あれば、100字まるまる書き直すこともできる。慌てる必要がなくなる。

【長所】

・大枠を決めるだけなので、試験中に意識する時刻を「開始40分」だけに絞ることができる。

⇒1分将棋はどんな名人上手もミスをする。自分に対する秒読みの回数を減らすことができ、焦らずに済む。

・2次試験は表面的には出題傾向が変わったようにみえることも多いが、80分の時間制約のなかでアウトプットした内容が評価されることには変わりない。回答までの工程のうち、自動化できる部分をなるべく自動化すれば余裕が生まれる。

・「読む⇒考える⇒書く」や「設問解釈から入る『王道方式』」などの考え方に類似(酷似)するが、「あえて分刻みのスケジュールを立てない」という割り切りが特徴。

⇒手順ごとに。どれくらい時間がかかるのかを事前に確かめておくのが「2次筆記試験対策」。


【事例Ⅳのタイムマネジメント】

事例Ⅳについては実力が低かったり、思わぬミスをしたりで、タイムマネジメント以前の問題でした。

ただ、後述する合格年度には――

与件を読み、経営分析+記述問題で40分弱
なるべく時間を短縮しておいて、余裕をつくる。
残りの40分強で、みんなができる問題に取り組む。できなくても、なるべく空欄は残さない。

――という構えで時間を使いましたので、一応ご参考まで。

80分を制するもの2次筆記を制す

さて。
それでは かさゐ「最後の1年」
いわゆる”ストレート合格”の顛末へと駒を進めましょう。

■🔥第五番🔥令和四年度1次試験

1次試験からの出直しで、客観的には千日手にはまっているように見えていたはずです。
しかし、自分には「今年で決める」という思いしかありませんでした。

当面の懸案である1次対策は、いったん理解した内容なので「思い出せればこっちのもの」。

・記憶の棚卸しに「STUDYING」を利用し、隙間時間を記憶テストにあてる。
「まとめシート」購入特典でダウンロードしたページを持ち歩き、集めた語呂合わせも書き込んでノートも兼ねて使い倒す。

ただ覚え直すだけのつもりでしたが、同時に理解も深まりました。
とくに企業経営理論は、2次試験対策として有効でした(もうやれることがなくなったと思っていたので、意外でした)。

主要資格学校の1次・2次の模試は情報収集のため購入しました。
しかし、本業が多忙で提出締切に間に合わず、後日解きましたが、提出できずに終わりました。
1次模試はともかく、2次模試が提出できなかったのは本当にもったいなかったです。

6科目一発合格がかなうかどうか、最後の最後まで不安はありました

1次試験:8月6日〜7日(神戸国際展示場)


大阪会場を選択したのに神戸かよ、とは思ってしまいました。

土日2日間、早朝に起きて阪神間を移動するのは負担が重いと判断して、ポートアイランドに前乗りし、試験期間中宿泊することにしました。
これで、会場に到着するための心身への負担が激減しました。

ただ、ストレスには着実に蝕まれていたようで、1日目の試験が終わった夜、ホテルで歯を磨いていたら歯が欠けました

令和4年度1次試験

週明けさっそく自己採点。
自信はあったものの、自己採点でこんなに興奮することはこれまでありませんでした。
Aから順に採点していき、Gが足切りでなければOKとわかってから、1問ごとに気絶するかと思いました。
自信と裏腹の強い不安のなせるわざです。

Gの足切りなしとわかったところで、「最後の1年」唯一のガッツポーズが出ました。

【感想戦】

☗E経営法務(○):とにかく易化に助けられた。
☖G中小企業(○):頑張ったが6割だった。
☗B財務会計(×):事例Ⅳ対策ととも努力したが、曖昧な部分をことごとく外して6割届かず

今年で仕留めると決意していたので、1次試験の反省は早々に切り上げました。

知識面ではAIにも負けない

■🔥第六番🔥令和四年度2次筆記試験

多年度生あるあるを言わせてください。

2次筆記試験、過去問に複数回取り組んでポイント覚えてしまって、初見の問題に対応できるかわからなくなりがち。

そこで「月刊企業診断」錬成問題の出番でした。

2次試験の事例は出題者の先生が所属する各資格学校の模試などで使用されたものです。
本試験の過去問には及ばぬものの、工夫がこらされているため、事例Ⅰ~Ⅲは自分の解法で問題の工夫を見抜けるかを試しました(自己採点できないため、解答を書くことまではしませんでした)。
事例Ⅳは、自己採点できるので全部解くことにしました。

まとまった量の初見の問題に取り組むことができて、3年半の間、「月刊企業診断」を買い続けて良かったと思いました。

2次筆記試験:10月30日(大阪南港・大阪アカデミア


【会場について】

会場の入口が狭く、朝の入場の際には長蛇の列ができていました。
並んでいたときタキプロの応援の方を見かけ、周囲がライバルばかりだと緊張感が高まっていたので、ありがたかったです。

会場では1つの机に2人掛けで、コロナ禍の終わりを感じました。
たまたま最後列だったため、背後のスペースに余裕があり、落ち着いて受験することができました。

男性トイレは十分な数あって、休憩時間ごとに多少の列はできましたが、さほど待つことはありませんでした。


【ふだん通りのパフォーマンスのために】

文具などの装備品は従来とほぼ同じ構成でした。
今回は淡色の蛍光ペンを多色遣いする解法を採用したので、去年までより少し数が増えていました。

眠気対策は前夜に十分な睡眠をとっておくことを第一とし、早寝しました。
そして当日、カフェインや刺激物はトイレに行く頻度を増やすおそれがあるため避けました。

食事については、満腹感による思考力の低下を避けつつ、脳のガス欠を防止しようとインゼリー・ブドウ糖を中心に摂取。
空腹感も思考の妨げになるため、休憩ごとにおにぎりを1個ずつ食べて虫抑えにしました。

頭痛対策として、休憩ごとにティッシュで鼻の掃除をし、深呼吸して酸素を取り込むよう努めました。
姿勢が固まるとむちうち状態になるため、首・肩・全身のストレッチも休憩ごとに行いました。

これらすべてが、普段通りのパフォーマンスを発揮するための支えとなりました。


【当日の流れ】

事例Ⅰ:農業法人の野菜。蛍光ペンがかなり裏写りするとわかり、使用を即時中止。シャーペンと赤ボールペンと黄色蛍光ペンというシンプルな構成に切り替えた。
事例Ⅱ:食肉加工。事例Ⅰと混同しそうな「食欲を高める事例」。

昼休憩:食事は1分で済み、運動を兼ねて会場周辺をぐるりと歩く。

事例Ⅲ:金属加工。プレスと板金で整理してみると、板金の要素が途中で消えたため、見落としかと思って何度も与件を読み返すハメに。
事例Ⅳ:中古車販売。経営指標の生産性には驚いたものの「従業員ひとりあたり売上高」を回答。
「得点するより失点を防ぐ」方針をブレさせず。論述を書き、プロダクトミックスを完答。投資判断はほぼゼロ対応。

終了後:80分×4事例の320分がとても短く感じた。去年と違い、帰り道で何のミスにも気づかなかった。

【合格発表】

今回も年越し後に合格発表のため、お正月を明るく楽しくとはいきませんでしたが、帰省した際に実家で初めて「診断士試験を受けている」と口にしました

1月12日。緊張のため前夜から体調がおかしくなりました。
しかし、待っても結果は変わりませんので、朝一番にウェブで確認しました。

\合格/がわかっても叫ばず、涙を流さず、心底ほっとしていました。

体調が悪いまま東京に単身出張し、客先で声枯れを起こしてメロメロになりました。

2次口述試験の合格発表後となる2月3日、受け取ったのが下記の点数です。
※この回から合格通知とともに点数が添付されるようになりました。

令和四年度2次筆記試験

【感想戦】

事例Ⅰ:1次試験対策で企業経営理論を覚え直し、安定性が増した
事例Ⅱ:アイデア解答を書かず、徹底して与件文と設問に寄り添う守りの戦いを心がけた。
事例Ⅲ必要最低限はできていたはずだが、年々点数が下がって残念だった。出題者の意図を汲み切れていなかったかもしれない。
事例Ⅳ:1次試験・財務会計は不振だったが、そこそこの点数を残せて安心した

そして、最後の関門「2次口述試験」が、合格発表からわずか10日後に迫っていました。

2次試験、オールA級です!

■🔥第七番🔥令和四年度2次口述試験

1月12日に筆記試験の合格を確認した後、自分も体調を崩しました。
コロナ禍の3年、風邪ひとつひかなかったのに、魔の悪い話です。
同居家族も次々と体調不良に陥り、口述試験までの10日間「体調不良で欠席になったらシャレにならんぞ」と気が気ではありませんでした。

【口述試験対策】

口述試験対策としては、
・事例読み直し+再現答案読み直し:○
・各資格学校の対応講座:○(オンライン)
・参考資料の入手:○(有償・無償)
・各種の模擬面接:×
といった具合でした。

4つの事例をめぐって、さまざまな問いに口頭で答える訓練は(とくに書いては直す自分のようなタイプの受験生だと)筆記試験対策として有効だったと思います。
こちらが先ならもっと早く上達したのに、順番が逆だったなと思いました。

2次口述試験:2023年1月22日(大阪・ホテルシーガルてんぽうざん)


朝10時40分の回で、30分前までに会場入りするよう指定されていました。万全を期して、今回も試験会場のホテルに前泊しました。

9時にホテルをチェックアウトし、すぐ会場入りして朝の移動の負担もありませんでした。
※午後の回なら、移動距離を考えても前泊は不要でした。あくまで午前中の回だったための対応です。

コロナ禍も収束方向ということで、検温や消毒も必須でしたが、以前よりかなり簡素化されていました。

【当日の流れ】

①ホテル3階の宴会場で班分けされて指定されたブロックに待機
②10時30分、前の順番の方が宴会場を出ると、ネクストゾーンに呼ばれ待機
③10時40分、呼ばれてエレベータで7階の客室に案内され、ノックしてドアを開けたら口述試験開始。

実際は男女ペアでした

【口述試験の流れ】

部屋の奥に男女2人の試験官が座り、自分は部屋の手前の椅子に着席。アクリルボード越しに口頭試問を受けました。
試験官はマスクなしでしたが、自分はマスク着用だったので、なるべくハキハキ話すことを意識しました。

きっちり10分間隔で呼び出されていたため、質問を4つに収めるため「1問2分程度喋ろう」と思って、ふだん着用しない腕時計をしていました。

☗問1(事例Ⅱ)B社の食肉小売店の今後の展開
☖問2(事例Ⅱ)B社の旅館・飲食店など既存取引先との今後の付き合い方
☗問3(事例Ⅳ)中小企業の生産性が低い理由
☖問4(事例Ⅳ)D社が海外進出を成功させる方法

Q.点数の低い事例から出題されるのでしょうか?
A.それなら事例Ⅱ・事例Ⅲから出題されたはずなので「低得点の事例から出題されるとは限らない」に一票。

Q.的を射た回答をしないとマイナスでしょうか?
A.合格率がほぼ100%の試験なので何をもってマイナスなのかはさておき、問われて10秒程度で2分もの長さの回答をまとめ、スラスラ答えるのはほぼ不可能です。
いったん質問をおうむ返しする形で「〇〇についてご回答いたします」と宣言して時間を稼ぐつもりでした。

しかし実際にはバタバタして、時間稼ぎどころではありませんでした。

まず、問1。
「ポイントは差別化です」と口に出した途端、ツッコミが入りました。

男性試験官「最近はサイカいいます」
かさゐ「サイカイ? サイカ? さいか、さいか…ああ、もしや差異化ですか?」
男性試験官「そう。“差別”という言葉の響きが敬遠されてます」

やりとりにはさらに時間を費やしました。
「2分喋らなくては」どころか「これどこまで続くんやろ」と思い始めました。

問2は、環境変化が読めないので既存取引先とも良好な関係を保つのが吉、という無難な回答をまとめ、やりとりも深まりませんでした。

しかし、問3。
「中小企業は大企業に比べて賃金水準が低く、付加価値率が…」と話し始めたところ、ツッコミというか制止されました。
男性試験官「あのね、これはもっと一般論を、教科書に載ってるようなことを答えてほしいわけ」
かさゐ「与件から離れてよいと? 付加価値が…人件費が…」
男性試験官「いやいや、もっとほら、与件にも関わるけど教科書的にほら…」

体感5分ほどの押し問答となりました。
まとまった回答もできぬままでしたが、「そろそろもう1問いかんと」と打ち切られたため、「本当にこれ100%合格する試験なのか?」と不安が兆しました。

最後の問4は一問一答の短答試験のように終了して、気づけば10分経っていました。

【事後】

部屋を出て、エレベータで直接1階に降りて立ち去ることはできたのですが、案内係の先生に一度3階でおりるよう促され、少し会話しました。

不安のため血色を無くしていて心配になったのかもしれませんし、トランクを転がしていたことが気になったからかもしれません。

案内係「きょうは自宅からですか? 遠方ですか?」
かさゐ「近くですが絶対遅刻したくなかったので、9階に前泊してました」
案内係「ああ、なるほど。けさは私鉄で遅延あったみたいだから、良かったですね」

そして、案内係の先生は次の順番の方を呼びに行かれ、かさゐ は帰途につきました。

帰りの電車で「診断士 口述」を検索してみたら
「口述試験でこんなこと聞かれました」とSNSで発信している人がいて、それには「問題の漏洩になるからやめた方がいいですよ」とリプライがついていました。

当時はまだ何ひとつSNSを運用しておらず、漏らす心配がなくていいと思ったのですが
合格したら1つくらいSNSを始めてみようと考え始めていました。

【合格発表】

ふたたび待つこと10日。

2月1日、ウェブサイトで\合格/確認。
2月3日、合格通知の書留を受け取り。

かくして「令和診断士試験・炎の七番勝負」は、 かさゐ の勝ち越しで幕を閉じました。

ご清聴ありがとうございました。

■感想戦

大人の受験勉強なら、効率よく短期間で終えることが最上です。

中小企業診断士試験でいえば、勉強を始めてから1年以内に終える「ストレート合格」を目指すのが良いと思います。
かさゐ 自身も、最初に慢心しておらず、十分な準備をして取り掛かっていれば、かくも長き回り道は不要だったと思います。

しかし、この泥沼の戦いでの失敗や苦悩から、次につながる教訓を抽出して心身に刻みました。
持ち前の能力の高さ頼みでハードルを超えるのではなく、図らずも「リスキリング」してしまいました!
令和を診断士試験とともに歩んできた自分は、平成の自分とは違う
ただ加齢しただけの 非IT中年 ではないのです。

ただ、だからといって、受験生全員が同じ辛い経験をする必要は全くないと強く思いました。

中小企業診断士試験に合格するための秘密の裏技やとびっきりの特効薬抜け道裏口存在しません。しかし、短期合格のために避けた方がよい落とし穴のこと、身をもって知った深淵のことはご共有すべきだと考えたのです。

1万字を超す長い合格体験記ですが、反面教師を含めて何か教訓を読み取っていただければ幸いです。

こんな記事からもしっかり情報収集しようとする方の歩く道は、間違いなく\合格/に続いています。
迷わず進めば大丈夫です。
健闘をお祈りいたします!

自分の値打ちは自分で決める

■おわりに

中小企業診断士としての登録をめざして、これから実務補習や実務従事でポイントを積み上げる予定です(勤務先のテレビ局から独立する予定はありません)。

業界の内外に支援を待つ中小企業が列をなしています。当面は テレビ局内診断士として、しっかり活動することにいたします。


この長大なブログ記事をお読みくださった皆さま\合格/ された暁には(読み通した方は、間違いなく読む力があります。読む力は\合格/の必要条件です)中小企業支援のため、ご一緒に働けることを願っています!


次回はかやのさんの登場です。
お楽しみに!

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