審査員から皆さんに伝えたいこと by かわけん

皆さん、こんにちは。
「人と会社を健康で幸せにする」、体と心と会社の医士(医師+中小企業診断士)のかわけんです。
自分の専門である、医療、労働衛生、メンタルヘルスの分野から皆様に役立つ情報を発信したいと考えています。特に、私と同じような方(高齢、独学、初学者)の助けになれば幸いです。よろしくお願いします。

あと2次試験まで28日ですね。勉強の進捗状況はいかがでしょうか。

1次試験が終了してから2次試験までの期間の半分を過ぎて、やや中だるみの時期かもしれませんね。まぁそんな時期もあります。2次試験は1次試験ほど勉強量が要求されるものではありませんから、焦らずマイペースでいきましょう。

今回は号外編です。いつもはとても長くて重いブログを投稿するかわけんですが、今日は号外編らしいちょっと軽めのエッセイ「審査員から皆さんに伝えたいこと」を送ります。
2次試験の勉強でちょっとお疲れ気味の皆さんの息抜きに役立てば幸いです。よろしくお願いします。

私は今まで以下のような投稿をしています。興味のある方はご覧ください。
※どれも長いですm(_ _)m
1回目 合格体験記
2回目 令和二年の事例Ⅳ、どうすべきだった? かわけんの経験より分析してみた!
3回目 ITを活用した効率良い勉強方法 by かわけん
4回目 運営管理の勉強で使った副読本 by かわけん
5回目 まだ1次試験に間に合います。気合を入れて最後のラストスパート! by かわけん
6回目 事例1・幸の日も毛深い猫とモチベーション by かわけん
7回目 独学・初学者のための2次試験の解き方 by かわけん
8回目 インターネットから学んだ事例Ⅲのエッセンス

■はじめに

審査員から皆さんに伝えたいこと、このような題のブログを書くと、
診断士2次試験の審査員ですか? とか 2次試験の審査員の方々を知っているんですか?
と思われる方がおられるかもしれません。
答えはもちろん、「いいえ」です。
私は単なる外科医で審査員ではありませんし、そのような方を存じ上げているわけでもません。
ただ、外科医としてある試験の審査員をしていました。それは手術の技量を提出されたビデオから判断する試験の審査員です。この試験の特徴を挙げると

  • ほとんどの消化器外科医がこの資格を望み、合格するととても嬉しい
  • 試験は年に1回のみで、一定の条件を満たすものしか受けれない
  • 合格したらロボット手術を堂々とできるが、ロボット手術に必須の資格ではない
  • 合格率は25%前後と難関資格である
  • 合格基準がよくわからない
  • 合格のための勉強会や講習会が全国いたるところで開かれている
  • 3回前後の受験で合格する人が多いが、いきなり合格する人や多年度受験生もいる
  • 合格者のコミュニティーがありとても興味深い
  • 合格者は受験生に熱く語るようになる(笑)
  • 合格後、積極的に活動する人がいる一方で、満足してその後に何もしない人もいる
     

診断士の2次試験とそっくりだと思いませんか

かなり前に試験の審査員になりました。当時審査員は日本中で私の分野で30名位、全分野で100名位しかおらず、私は兵庫県で唯一の審査員でした。
そして今年の6月に審査員を辞任しました。そこで9月に神戸の大きな研究会で「審査員の経験から皆さんに伝えたいこと」との内容で講演を行い、とても高評価をいただきました。その講演の原稿を作っているときに、よく考えるとこれは診断士試験の2次試験にそっくりだと思いました。どちら根っこのところが似ているんですよ。そこで今回の号外にお話することにした次第です。
今回のブログは私が外科の研究会で話した内容です。決して診断士試験のことを話しているわけではありませんから誤解しないでくださいね(笑)。似たような話だと思って気楽に聞いて下さい。
受験生や合格者の皆さんが、「それ、あるある!」 「うーん、確かにそうかも!」 「それはない!」とか言いつつ、にやりと笑ってくれれば嬉しいです。
 

■審査員から皆さんに伝えたいこと

1試験を受けよう、できれば合格するつもりで
受かりたいならまず試験を受けましょう。準備不足だからといって受験を先延ばしする方もおられますが、受けなければ合格は絶対来ません。受験を決断すると努力するし、結果的に合格することもあります。またなかなか受からないからと言って諦めてしまえば絶対合格できません。だから合格したいなら、まず試験を受けましょう。
そして受けるからには中途半端ではなく、一生懸命に合格を目指しましょう。一生懸命にやらないと次につながるものを得ることはできません。単に経験を積むための記念受験なんか、時間も金もかかるだけで全くの無駄です。審査員をしていてとてもジャマクサイのは記念受験の審査です。やる気のない4-5時間のビデオを審査するのはやってて本当に虚しくなります(ただの愚痴)。
 

2運をつかもう、実力か諦めない心で
受験生にとっては気の毒ですが、審査員にはばらつきがあり、受験には運があります。マークシートでない限り、いくら審査員が努力しても運の要素はゼロにはできません。特に合格ライン前後に受験者の大多数が集まるような試験では、ちょっとしたことで合格や不合格が入れ替わります。大事なのは運に左右されない実力を身に付けることです。なかなか難しいですが揺るぎない実力を目指してがんばりましょう。
また実力が今一つでも、ある程度の力を維持していると、ちょっとしためぐり合わせでラッキーに恵まれることもあります。それにいつかは甘い審査員に当たることもあります。諦めない心で試験を受け続け、運を引き寄せましょう
 

3試験で望まれる答えをだそう
合格するにはどんなことを答えればいいかというのが基本的に決まっています。外科の試験では指導者足り得る技量があることを自分のビデオで表現することになります。オリジナルのやり方は審査員から歓迎されません。おそらく診断士の試験でも求められている答えがあると思います。採点は審査員にとって思ったよりずっと大変な仕事です。疲れた審査員でも素直に評価できるように、普通に望まれる答えをだしましょう。
 

4ストレート合格や多年度受験には理由がある
大抵の人は何度か苦労するのですが、いきなり合格する方がおられます。私が思うに、そのような方は基本に忠実で、全体的に正しいことをやっています。診断士の2次試験で何を基本とするかは難しいですが、「事例の問題点を把握して見える化し、改善手段を考え、将来の戦略につなげる」のが本質だと思います。素直にこの本質に沿うことが短期合格の秘訣かもしれません。
一方、何回受けても合格されない方がおられます。ビデオ見てて思うのはそのような方は基本的な技術が低いか、正しいことができていないかの、どちらかです。どうしても受からない方は何か欠点があるので、立ち止まって基本的なところから考え直すのがいいかもしれません。
 

5合格者は玉石混交、受験者は臆することなく、合格者の力を見抜く目を持とう
合格者の中にはビックリするくらいの実力がある方がおられます。一方、実力がもう一つでも運良く受かってしまう方もおられます。合格者とひと括りにされていますが、合格者は本当に玉石混交です。
研究会などで合格者と受験生のビデオを比べることもあるのですが、審査員目線で見ると受験生の方が実力が上のことがあります。そんな状況で合格者が受験生にアドバイスしているのを見てると、ちょっと苦々しい気持ちになります。
合格者と受験生の差は紙一重かもしれません。自分で言うのもなんですが、独学のストレート合格生なんて情けないくらいに知識はスカスカです。受験生だからといって合格者に臆することはありません。受験生はしっかり合格者の実力を見抜いて、アドバイスを取り入れていきましょう。
 

6合格者は受験生に何かを伝えよう、謙虚にね
合格者は試験をクリアした受験生であり、未合格の受験生に比べて何かよい点があったと思います。だからこそ自分の知識や経験を受験生の皆さんに伝えてほしいです。合格したのに引っ込んでしまって何も語らないなんてとても残念だし、自分の合格を助けていただいた方々に恩返しもできません。本当にもったいないです。
ただし合格者の中には自分が受験生より上の立場だと思って、大上段に構えて断定的に話をする人がおられます。合格者と受験生に実力差ないこともしばしばですから、受験生にお話するときは謙虚になりましょう。
 

7合格はゴールではないよ、その先を見よう
合格は自分が一定の基準にあることを証明しただけ、単なる通過点であり決してゴールではありません。合格するともうそこで立ち止まってしまってしまう方もおられますが本当に残念です。合格者はとても積極的で印象深い人達の集まりで、楽しいコミュニティがあります。また勉強を通して得た知識や技術を社会や患者さんに還元できるのか資格試験の真髄だと思います。合格で満足することなく、もっと先を見据えて頑張りましょう
 

以上の7項目です。
いかがでしょう?あくまで外科のお話ですが、私は本当に診断士2次試験と根っこの部分が似ていると思いました。
この中から、中小企業診断士関係の皆さんにもなにかが伝われば嬉しいです!
 

■先人たちのアドバイス

さて、審査員から皆さんに伝えたいことについて書きましたが、あくまでも外科医の世界の話です。このままではかわけんが好き放題に書いただけに過ぎません
そこで今までのタキプロブログの中で、審査や採点をキーワードに検索しました。その中から素晴らしい先人たちの珠玉のアドバイスを列挙します。
こっちは本当に役立つ話なので試験に役立ててくださいね。

2次試験採点官の視点より by たけのしん

読みやすい解答書けていますか?
読みやすい解答書けていますか?②
読みやすい解答書けていますか?③
メイ@タキプロ6期

【まいど!関西です。】採点者の心理を読もう!
タキプロ7期関西のティーナ

採点者に一番伝えなければいけないことは何かを考えよう!
2次試験、採点者はこれでしか判断できない!
ぷらむ@タキプロ6期

採点者の視点から見る答案「それ、聞いてませんから」
木曜18時、格闘技女子R

■おわりに

今日は「審査員から皆さんに伝えたいこと」についてお話しました。軽めのエッセイと言いつつ、結局は長めになってしまいましたね。短いブログを期待されていた方には申し訳ありません。

さて、今回のブログは資格の話でした。
そもそも、資格取得のメリットとしては、1法的効果、2シグナリング(能力の証明)、3特別なコミュニティに加入、4知識を取得、5経済効果、6精神衛生(自己欲求の充足)、があると言われています。
私は今までいろいろな資格試験を受けており、その中には今日取り上げたもの以外にも難関資格と呼ばれるものがあります(労働衛生コンサルタント、メンタルヘルスマネジメント検定1種など)。どの資格も似たような傾向がありますが、外科手術の資格と中小企業診断士ほど類似しているわけではありません。この2つは、上記資格のメリットの2と3と6の要素が他の資格より強く、ざっくり言って「自分の能力を証明でき、楽しい世界があり、皆が憧れる資格」からだと思います。このような資格は、本当に取得する意味があると思います。外科手術の受験生の方々にもいつも伝えているのですが、ブログを読んでいただいてる皆さんも早く「自分の能力を証明し、皆が憧れる資格」を獲得して、楽しい世界に入れるように、頑張ってください
 

ところで話が変わりますが、私が敬愛する楠木建先生が勉強と読書について面白いことを述べられているので、ちょっと引用します。
(楠木建先生は2度めの引用。前回の引用はこちらの3

世の中には勉強したいというニーズがよほど強くあるようだ。・・・中略・・・なぜこれほどまで勉強ニーズが強いのか。逆説的だが、その理由はほとんどの人にとって勉強がヒジョーに苦痛、いやでいやで仕方ない、できることならかかわらずに済ませたい、というものだからではないか。なにぶん「勉めて強いる」である。・・・中略・・・勉強の方法にもいろいろあるが、王道はなんといっても読書(本だけではなく雑誌やウェブなども含み、書かれたものを読むという意味)だろう。人間が読書に取り組めるとしたら、その理由は二つしかない。「役に立つ」と「面白い」、このどちらかだ。

戦略読書日記P235 楠木 建[著] プレジデント社

私はこれを読んだ時、体に電流が走りました(ピカチュウの電撃並み!)。他人に勉強のために読んでもらうには、「役に立つ」か「面白い」が必要なんです。それ以降、私はこのことを意識しながらブログを書いてます。いつも書いている長いブログは「役に立つ」と言うことをメインにして、「面白い」要素として自分の失敗談を混ぜるようにしています。
ただ今の時期は冒頭にも書きましたがそろそろ2次試験の勉強にお疲れになっている頃かもしれません。そこで今日のブログは「役に立つ」と「面白い」の比率を変えて「面白い」に重心を置いて書いてみました。
皆さん、「それ、あるある!」 「うーん、確かにそうかも!」 「それはない!」とか言いつつ、にやりと笑っていただけましたでしょうか。ちょっとでもそう思っていただけると私も満足です。
あっ、もう一度言いますけど、今回のブログは外科医の資格試験の話ですから、勘違いしないでくださいね(笑)
 

最後に、「面白い」という意味で、もう一つ外科の世界の話を紹介します。
私が所属していた手術の審査委員会の中でエスパー(超能力者)と呼ばれる外科医がいます。まるでリアルなブラックジャックみたいで、かっこいいでしょう。彼の手術は本当に上手くて、私達審査員クラスが見ても魔法のように見えます。
そもそも手術の上手と下手は相対的な評価です。消化器外科医が定期的に行う手術の種類は限られており、同じことを繰り返すので評価はつけやすいです。そして外科医が3人集まれば上手、普通、下手と3つに評価されるのが通常です。だから、3人の中で、各病院の中で、近隣の病院の中で、各市町村の中で、各県の中でと、外科医が集まれば上手な人が生まれるので、世の中には手術の上手な外科医がとてもたくさんいます。
ただ手術を審査する審査委員会は、高い技術的評価を受け厳選された外科医の集まりです。その中でエスパーと称される絶対的な地位を確立するのは並大抵のことではありません。彼は間違いなく日本一ですし、日本の手術は世界でもとても評価されていることを考えると、彼は世界一だろうと誰もが思っています。
世間は彼のことを天才だと言います。
確かに持って生まれた大きな才能があることは間違いありません。しかし彼は本当に地道に努力している人間です。自分の技量をひたすら鍛錬し、自分の手術をひたすら見返し絶えず改善を続けています。通常、そのようなやり方では持続的イノベーションしか起こせませんが、彼はなぜか破壊的イノベーションも起こしてしまいます。イノベーション理論を勉強した私には不思議でしょうがないのですが、これがある意味天才の一面かもしれません。
天才という世評に対し、彼をよく知るものは、「その秘密は天賦の才能ではなく、継続的な努力の結晶」であると認識しています。やっぱり才能だけでは世界一になることはできません。ものごとの上達には継続的な努力が必要なのです。
私には彼のような手術の才能も物事を継続する意思の強さもありませんでしたが、彼を見習って「資格を取った後も自分のできる範囲で一生懸命に努力して、少しでも向上したい」といつも心がけていました。でも、それは外科手術の試験に限らず、中小企業診断士試験でも同じかもしれません。まさに今日のブログのテーマ、「どちらも根っこは同じ」ですね(^-^)v
いかがでしょう、「面白かった」ですか? この話が少しでも皆さんの心に響けば嬉しいです。

もう2次試験まで28日、私が2次試験までに投稿するのは今日が最後になります。
このエッセイでちょっとリラックスして、試験まで頑張ってくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。かわけんでした。
次回は、白湯さんの登場です。
お楽しみに!

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