ワンランク上の受験生は、工程内のボトルネックを見つけ出し、事例Ⅲを攻略するー! by ないち

読者の皆様、こんにちは! ないちです。

~以前のないち関連の記事はこちらです。~
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さて今回は、2次試験「事例Ⅲ(生産・技術)」について語っていきます。

この科目は、実は得意ではありませんでした(製造業にはいたんですけどね・・・)。
令和元年度試験は44点をたたき出し、これが大きく足を引っ張り不合格。
その後の通信学習での演習でも、中盤まではあまり良い点数はもらえませんでした。

しかし、令和2年度試験で68点と、前回から24点アップ!
点数トータルでも24点アップしているので、まさにこの事例によって合格ラインに達成することができました。

試験対策を経て、実際に試験を受けるときに意識したことを今日は書いていきます。
令和2年度の事例Ⅲの問題を参考にしながら、この記事を見てください。

1.まずはQCDと4Mが基本中の基本

事例Ⅲに出される業種は、ほぼ製造業です。
シンプルに書くと「受注して、材料仕入れて、モノを作って、販売する」というお仕事です。
その一連の流れの中で、Q(品質)・C(コスト)・D(納期)と4M(人・設備・材料・手法)をまず意識することがスタートになります。

以下の観点で、チェックしてください。

Q(品質):品質にクレームはないか?
C(コスト):材料費が膨らんでいないか?在庫が過剰でないか?残業が増えていないか?
D(納期):納期遅延していないか?生産活動する上でのボトルネックはないか?

Man(人):人員のリソースや配置に問題ないか?能力は適切か?
Machine(設備):設備が問題なく稼働できているか?求められる需要や品質水準に適した設備か?
Material(材料):遅滞なく購買できているか?欠品などないか?
Method(手法):生産計画が確立しているか?現場が混乱していないか?

近年の問題の傾向として、D(納期)が課題になっているように思います。
各企業、スピードが求められる時代。短納期要求にも応える必要がある背景がうかがえます。

2.受注から納品までのフローを描く

「受注して、材料仕入れて、モノを作って、販売する」
この流れに基づいて、フローを描きます。
工程ごとに各部門は何をやるのか?そして、問題点はないか?などを整理していきます。
令和2年度の事例Ⅲは、「納期遅延」がテーマになっていますので、その観点を中心に、見ていきます。

<受注から納品までのフロー>

【受注】担当:営業部門
 顧客からもらう設計図・仕様書・納期を確認して、見積もりを出す。

  ↓契約締結

【設計】担当:営業部門
製作図・施工図を作成して顧客承認を得る。
~ボトルネック候補~
★顧客とのやりとりが多い(特にモニュメント製品は承認後も打ち合わせあり)
★製作前プロセスに時間を要している
★2次元CADを使用

  ↓製作図引渡し・製作指示

【生産】担当:製造部門
①切断加工:NC加工機
②加工:NC加工機
③溶接・組立:溶接機を用いた手作業(チームで受注製品別に担当)
④研磨:研磨機を用いた手作業(チームで受注製品別に担当)
⑤最終検査:製造部長と営業部(モニュメント製品はデザイナーもいる)
~ボトルネック候補~
★各作業チームの技術力には差がある(高度なものは任せられないチームもある)
★製作図の理解力と高い加工技術が要求される(特にモニュメント製品)
★生産計画は月次で作成
★製作期間が生産計画をオーバーしている
★基準となる工程順序や工数見積もりなどの標準化が確立していない
★作業スペースが狭隘な状態(作業途中の加工物の移動など)
★不稼働の作業内容はモノの移動に関連する作業が多い

  ↓製作完了

【据付・施工】担当:営業部門(据付は社外協力会社)

上記のように整理していくと、ボトルネックが見える化して分かりやすくなりますよね。

3.部門ごとの問題点と対応策を整理する

第2問では、納期遅延についての各部門での問題点と対応策を問われています。この問題点の切り分けが、この年の事例Ⅲのかなりの肝になっていたようです。
上記2.のようにフローを描きながらボトルネックを見える化すれば、部門ごとの問題点と対応策を切り分けて書くのは容易になります。

<営業部門>
【問題点】
顧客とのやりとりが多く、製作前プロセスに時間を要している = イメージの擦り合わせに手間取っている
【対応策】
2次元CADを3次元CADに変更してイメージの擦り合わせを容易にして打ち合わせ時間を短縮する(特にモニュメント製品は、立体的で複雑な曲線形状でしたよね)

<製造部門>
【問題点】
工程順序や工数見積もりなどの標準化が確立していない、各作業チームの技術力に差 = 技術力に差があって計画を立てる上での工程・工数の基準が確立せず、技術力のあるチームへの負荷が大きい(できる人ほど忙しい状態)
【対応策】
チーム間の負荷平準化の為、ジョブローテーションやOJTで多能工化を図り、正確な生産計画を立てる(チーム間レベルが同じくらいなら、工程・工数基準も明確になり、生産計画も立てやすくなります)

4.その問題は、部門で解決できるのか?全社的に動くべきか?

第4問で、モニュメント製品事業の拡大戦略を問われています。

工場建屋の制約で、製品は高さ7m以内の制限になっていますが、最近、加工物の大型化に伴って作業スペースが狭隘な状態になっています。より付加価値の高い製品を提案するためには、この問題を解決する必要があります。

作業スペース問題は、製造部門で起きている問題ではありますが、建屋そのものの問題の為、この部門だけでどうにかなる問題ではなく、全社的な経営課題になります。工場建屋を改築することによって、①より大きなスペースを確保しつつ効率化を図る、②受注量が拡大でき、より大きい製品も提案できる状態にしておく、ことができます。

問題が勃発しているところと、課題解決できるところは違うパターンですね。

5.今日のおさらい

今回は、2次試験「事例Ⅲ(生産・技術)」について、語らせていただきました。

試験対策中、なかなか苦戦していたのですが、「SWOT分析しつつ、与件文の問題点を見つけて課題と解決策書けばおしまい」的な発想でしばらく進んでいたのが、いけなかったと思います。どちらかといえば、「将来的に事業を拡大するにあたって、障壁になる何かを発見する」ということが必要でした。

最後に。
今日はこれを覚えて帰ってください。
1.QCDと4Mをベースに読み解く
2.受注から納品までのフローを描き、情報を整理する
3.フローに沿って、部門ごとの問題点と対応策を整理する
4.その問題は、部門で解決できるのか?全社的に動くべきか?を考える


以上!

次回はけいさんの登場です。
お楽しみに!

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