2次試験対策(事例Ⅳ)計算問題は「計画」を立ててから解く by まこはや

事例Ⅳ 財務・会計

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■はじめに:なぜ「いきなり計算」は危険なのか?

中小企業診断士2次試験の最難関といわれる「事例IV」。特にCVP分析やNPV(正味現在価値)などの計算問題では、焦って電卓を叩き始める前に「解法シナリオ(計画)」を組み立てるかどうかが、合格圏内に滑り込めるかの分かれ道になると思います。

事例IVの計算問題は、与件文の条件が複雑です。「キャッシュフローを求めよ」の問題文を見てすぐに計算を始めると、途中で「法人税を忘れていた」「運転資本の増減を見落とした」という事態に陥ります。一度計算が狂うと、ミスを探すために時間を浪費し、気持ちの焦りも生じます。事例IVにおける最大の敵は、計算ミスそのものよりも「手戻りによるタイムロスと精神的な動揺」にあると思います。

「計算問題を解く計画」を立てるメリット

計算を始める前に、まずは「答案を出すまでの解く計画」を書く。これだけで次のメリットが得られます。

  • 全体像を見通すことで、見落とし・ミスをなくせる

条件(税率、割引率、投資タイミング等)をあらかじめ整理することで、ケアレスミスや条件の見落としを予防できます。

  • スピードが上がる

「解いている最中に迷子にならず、次に何を計算するんだっけ?」と迷う時間がゼロに近づきます。設計図に沿って電卓を叩くだけの作業になるため、結果としてスラスラと手が進み、最短時間で完答できます。

  • プロセスが安定する

その日のコンディションに左右されず、常に同じ手順で解けるようになります。模試や本番といった極限状態でも、冷静に対処可能です。

  • 理解が深まる

「なぜこの数値をここで使うのか」という論理構造を整理するため、単なる暗記ではない、本質的な財務会計の理解につながります。

具体的にどのように「解く計画」を作るのか?

問題用紙の余白を使い、以下のステップで「計算の型(構造)」を書き出します。

  • ゴールから逆算した「要素の棚卸し」

例えばNPVであれば、いきなり現金を計算せず、まずは必要な要素の「書き出し」をします。

・毎年の正味CF、投資、非経常的なCF(売却損益、運転資本の回収など)

・投資額、耐用年数、残存価額、税率、割引率

  • タイムライン(時系列)の作成

横軸に年度($t=0, 1, 2…$)のタイムラインを引きます。

次に、①で洗い出した要素が、どのタイミング(n年度初、m年度末)で発生するかをタイムラインに書き込みます。

  •  「計算式の型」を選択して置いておく

計算ミスを減らす最大のコツは、数値を放り込むための「器(式)」を先に作ることです。

特に毎年のCF計算には2つのパターンがあり、与件文の情報整理の仕方に合わせて使い分けます。

•パターンA:利益ベースで考える計算式

 CF = (営業利益 × (1 – 税率)) + 減価償却費

 ※PL(損益計算書)の項目が整理されている場合に非常にスピーディーです。

•パターンB:現金収支とタックスシールドで考える計算式

 CF = (現金収入 - 現金支出) × (1 - 税率) + 減価償却費 × 税率

 ※現金の収入・支出が直接示されている場合や、減価償却費による節税効果を意識

して解く際に有効です。

ほかに次も必要に応じて計算式を予め作っておきます。(必要になるケースがほとんど)

•資産売却時のCFの計算式

 売却CF = 売却額 - 税率 × (売却額 - 帳簿価格)

 ※売却損益に伴う税影響を確実に処理するために必須の型です。

•減価償却費の計算式

 減価償却費 = (取得価額 - 残存価額)÷ 耐用年数

 ※定額法の場合の計算

ここまで作れば、解く計画は完成です。

あとは、この計画に沿って計算を行ってください。

■おわりに:急がば回れ

私は5年間受験勉強をしましたが、この考え方を知ったのは4年目のことでした。

ただ、元来がめんどくさがりなので、計画を立てずに計算する方が早く終わるのでは、と思って計算から始め、結果、ミスを犯してばかりいました。例えば、営業利益の計算をしたところで正味CFの計算をしたと思い込み、そのまま営業利益に現価係数をかけてNPV計算・・・、終わって答え合わせをしたときにはじめて間違いに気づく、といったことも。

そんな経験を経てようやく、計算の前に計画を作ることの大切さを理解するようになりました。

試験時間は80分と短く、1分1秒が惜しいのは確かです。しかし、5分かけて「計画」を立てることは、決して遠回りではありません。その5分が、確実に得点を積み上げるための最強の武器になります。

「電卓を持つ前に、ペンを動かす」。この習慣が、事例IVを「運のゲーム」から「確実な得点源」へと変えてくれると思います。

次回は、エイト さんの登場です。 

お楽しみに! 

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