戦略的学習のすすめ② 彼を知り己を知れば百戦殆うからず byゆうすけ

こんばんは、タキプロ12期の「ゆうすけ」です。

前回は「彼を知り編」と題して、敵を知って戦略を立てることの重要性、つまり1次試験がどのような試験か把握してから勉強計画を立てることの大事さに触れました。また、1次試験は広く浅く学ぶことが大事だとした上で、独学における参考書と問題集の使い方について簡単に触れました。前回の記事から読んでいただける方はこちらからご覧ください。

今回は「己を知れば編」と題して、自分の行動特性を踏まえた勉強計画の立て方と、脳のだまし方について書きたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

■再記憶しやすい学習サイクルとは

人は忘れる生き物ですが、せっかく覚えた診断士試験の知識は極力忘れたくないですよね。そこで私が意識していた勉強手順と記憶定着に関する理論をご紹介します。

前回の記事で、私なりの勉強手順は①問題を解く、②解説文を読む、③参考書を眺めるの3STEPだと書きました。私は年明けから勉強を始めたので、約7ヶ月で7科目勉強する必要があり、1科目に割ける時間は単純に考えて1ヶ月でした。3回問題を解けば広く浅く掴めるだろうと考え、1科目あたり1ヶ月で3STEPを3周させるための計画を練りました。

この計画を練るにあたり『エビングハウスの忘却曲線』を参考にしました。エビングハウスの忘却曲線というのは、一言で言うと忘れたことをもう一度覚えるために必要な時間がどれだけ節約できるか?を、横軸に経過時間、縦軸に節約率をとって示した曲線です。1時間後に覚え直せば44%の時間節約、1日後では34%節約、6日後では25%節約、1か月後では21%節約できるとあり、最適な復習サイクルを述べる根拠としてしばしば引用されます。

3STEPと忘却曲線を意識して立てた学習サイクルは次の通りです。
1周目:問題集を解き、解説文を読む。翌日に参考書を30分ざっと眺める。
2周目:その1週間後に問題集を解き、解説文を読む。数日内に参考書を眺める。
3周目:その2週間後に問題集を解き、解説文を読む。後日、覚えが悪い部分を中心に参考書を読む。
4周目以降:適当な間を開けて間違いの多い問題を解き、その後解説文を読み込む。

学習サイクルを回す上で特に意識していたことは、以下の3点です。
学習サイクルを守るために次に問題集を解くタイミングをあらかじめ決めたこと
覚えが悪い知識の定着に集中するため、なんとなくでも正解した問題は1周スキップすること
3周目以降は解説文を読む際に全ての選択肢について理解出来ているかを確認すること

一度解けた問題はページの端を折っていたのですが、勉強が進めば進むほど苦手な問題のページが綺麗なまま残るので、最終的に試験直前の最終チェックリストになりました。前回の問題集の使い方を補完する内容になるので、合わせて読んでいただけると嬉しいです。

■シンプルでわかりやすいきっかけと具体的な報酬

どれだけ立派な計画を立てても、実行できなければ意味がありません。
人は苦痛が少なく楽な方を選ぶ生き物だと思いますが、私はことさら怠惰で、隙あらばチョコレートを食べ、スマホに手が伸びる自分に甘い人間です。そこで、極力ストレスを感じずに済む方法を探しました。

これまた唐突ですが、『習慣の力』(著:チャールズ・デュヒッグ)という書籍をご存じでしょうか?個人の習慣だけでなく、組織の習慣や社会の習慣にまで言及された非常に面白い本です。本に書かれていることを一言でいうと、きっかけ⇒ルーチン⇒報酬(⇒きっかけ)というループを回す習慣の力は強大だというものです。極端に解釈すれば、あなたの意志やモチベーションなんてどうでもよく、やる気を言い訳にせずに淡々と勉強しろという話です。

例えば寝る前の歯磨きは、よし歯を磨くぞ!と意気込むこともなく、無意識に身体が動いているのではないでしょうか?もし歯を磨くように勉強ができたら、それだけで合格が近づくように思えます。

ルーチンを作るコツは、①シンプルでわかりやすいきっかけを作ること、②具体的な報酬を設定することの2つだと『習慣の力』の63ページに書かれています。歯磨きを例に出すと、①歯垢に歯が覆われるから汚い、②歯磨きをすればスッキリ清潔になって気持ちいい!という具合です。このきっかけをどのように設定するか、あるいは勉強を阻害するきっかけをどうやってなくすかを考えるとよいということです。診断士の勉強は長期に及びますので、勉強するルーチンを作り維持することはとても重要です。

私の場合、勉強カフェに行く⇒勉強する⇒気晴らしになる、のループが回っていました。家はゲームをして遊ぶところであり、リラックスして安らぐ場所だという認識が強く、学生時代から自習室や学校で勉強する習慣がありました。そこで自習室を借り、通勤途上や休日はとにかく自習室に寄ることにしました。最初は勉強しなくてもOK、飲み物を飲んでお菓子を食べて帰るだけでも良しとして、やる気が出ようが出まいがまずは家を出て自習室に行くことを心掛けていました。そのうち、わざわざ家から30分かけてここまで来たのにお菓子を食べて帰るはダメだろうと、とりあえず参考書を開くようになりました。当時、コロナの影響もあって緩やかな外出自粛ムードでしたが、家から自習室に向かうその時間が気晴らしになり、いつしかそれ自体が報酬になっていたように思えます。

他にはピアプレッシャーを使ってやらざるを得ないきっかけを作る、勉強記録をつけて成果を見える化するのも報酬につながると思います。自分に合ったきっかけや報酬を見つけられると勉強が楽になりますので、色々試してみてください。

■毎日見る場所に書いて貼って読みあげる

最後はすりこみの力をご紹介します。これはタキメンのあらこうさんに教わったやり方ですが、実際やってみてとても背中を押してもらった方法なので是非試してみてください。

やることはとても簡単です。ある地点の将来像を鮮明にイメージして、言葉にして紙に書いて毎日見える場所に貼り、毎日読み上げるというものです。私は壁掛けカレンダーの裏紙にマジックで次の言葉を書いて寝室に貼り、毎日ではないですが意識して音読していました。

「1次試験当日までに問題集を3周解き、全ての問題のページの端を折った状態で前日の夜リュックに入れる。当日はボーダーのシャツとネイビーのズボンと白のスニーカーを着て電車に乗って試験会場に向かい、覚えが悪いページをパラパラ見ながら最終確認をしながら、十分勉強したから大丈夫だと胸を張って試験を受ける。」

ポイントは目の前にその光景が思い浮かび、まるで現実であるかのように鮮明にイメージし、その時沸き起こる感情に浸ってみることです。私は勉強完了した状態で試験会場に向かう当日の自分をイメージしたのですが、一番好きな服を着て行った方がテンション上がるな~と思い、試験当日の服装をクローゼットの夏服を見ながら決め、実際その恰好で試験会場に行きました。

■おわりに

次週は連載3回目として、「百戦殆うからず編」を記載します。

次回はでこぽんさんの登場です。
お楽しみに!

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