おりぜーの経済学教室~IS-LMって結局何なの?②~

経済学・経済政策

皆様こんにちは。8回目の登場となりました、タキプロ12期の「おりぜー」と申します。

5回目のブログより号外枠を3回頂き、「おりぜーの経済学教室」と題して、1次試験で登場する経済学・経済政策対策の躓きやすい部分をピックアップしてお話しております。(このため、対象は令和4年の1次試験を受験される方向けの記事となっておりますのでご容赦ください。)

今回は最終回で、テーマは「LM曲線の正体」です。

・1回目のブログ(自己紹介、1次企業経営理論、SWOT分析のお話)はこちら
・2回目のブログ(2次事例Ⅰ、「構文」、ファイナルペーパーのお話)はこちら
・3回目のブログ(合格体験記)はこちら
・4回目のブログ(2次事例Ⅳ、基本原理の理解とポイントを確実に抑えるお話)はこちら
・5回目のブログ(おりぜーの経済学教室~弾力性とは?~)はこちら
・6回目のブログ(1次運営管理、設備総合効率のお話)はこちら
・7回目のブログ(おりぜーの経済学教室~IS-LMって結局何なの?①~)はこちら

■LM曲線の役割

①では、IS-LM分析の目的とIS曲線の正体について話をしました。
ISでは消費財やサービス財などの需要と供給という観点から市場の均衡を考えてきました。LMの存在を無視する場合、利子率が超低く、国民所得が超絶高い世界線もあり得ることになります。しかし、ISには一つ重要な視点が抜けています。それは、「全世界の貨幣量は有限」ということです。

貨幣を無限に発行してしまうと貨幣価値が下落し名目上の国民所得が上昇しても実質的には豊かになりません。財市場の均衡と同時に貨幣市場の均衡も考えることで、本当の意味での「利子率と国民所得の組み合わせの均衡点を探る旅」が出来ます。

■LM曲線の正体

それでは、LM曲線って何だ?というお話をします。
LMの正体は、「貨幣供給量と貨幣需要量を均衡させる、利子率(i)と国民所得(Y)の組み合わせの集合体」です。

貨幣供給量は中央銀行が決定し、利子率や国民所得の変化に連動しない値です。(一般には名目貨幣供給量を物価水準で除した値(M/P)とされています。)
貨幣需要量は「国民が生活する上で必要な紙幣や硬貨の量」と考えると良いでしょう。利子率が高くなれば現金を保有するよりも債券にして運用するほうが儲かるので、必要な紙幣・硬貨の量は減りますし、企業も借入を躊躇うのでやはり国民の貨幣へのニーズは減ります。
また、国民所得があがれば財消費が活発になり、これに伴いより多くの紙幣や硬貨を必要とするようになるため、貨幣需要は増えます。
つまり貨幣需要の所得弾力性をk、利子弾力性をhとすると、貨幣需要量はkY-hiで表され、「貨幣需要を増加させる要因は国民所得の増加、もしくは利子率の減少」ということが示されます。

LM曲線上では貨幣供給量と貨幣需要量が均衡しているはずなので、LM曲線のベースは M/P=kY-hiとなり、これを利子率(i)と国民所得(Y)を中心とする式に書き換えると次のようになります。

i=(k/h)Y-(M/Ph)

これがLM曲線の正体です。

K,hともに0以上であるためこの式から、LM曲線は「Yとiが正の相関関係にある左下から右上へ向かう線」ということがわかります。実際に利子率(i)を縦軸、国民所得(Y)を横軸にしたグラフにプロットすればテキストでよく見るLM曲線の形になるということです。

■流動性のわなについて

「流動性のわな」も頻出かつ受験生が割と苦しみがち(私だけでしたらごめんなさい)な項目なので多少触れておきます。

流動性のわなを一言でいうと、「利子率(i)の下げ止まり」です。下げ止まる理由は各参考書に載っているのでここでは敢えて少しテクニカルな話をします。

「利子率の下げ止まり」を言い換えると、「ある一定ラインの国民所得を下回るとLM曲線が水平になり、利子率がもう下がらなくなる状態」を指します。この状態のLM曲線は傾きがゼロの状態なので、LM曲線の傾きを表すk/hはゼロに近い数値でなければいけません。

但し、所得が増えれば貨幣需要が増えるという事実は変わりようがありませんので、変化するとすれば所得弾力性ではなく利子弾力性(h)です。このことから流動性のわなによりLM曲線が水平となる時(k/h)≒0すなわちhが無限大ということです。 問題の選択肢で、「流動性の罠が存在するとき、貨幣需要の利子弾力性がゼロとなりLM曲線は水平になる。」という紛らわしい文章があっても、数式をもって検証すれば間違いだと見抜くことが出来るはずです。

■おわりに

私は昔から言いくるめられやすい体質で、交渉相手が言葉遊びをしだすと物事の真偽が見えにくくなるという弱点がありました。しかし、数学で学んだ論理的思考や計算ロジックをきちんと理解する習慣を身に着けることで、論理の飛躍や矛盾をきちんと見つけられるようになり、この弱点を克服してきました。

数学を苦手とする方は多いですが、数式は一度味方につけてしまえば裏切りません。

皆様が少しでも経済学への苦手意識を払拭し、数式を武器に戦えるようになっていただけることを心より願っております!

明日はじーちゃんさんの登場です。
お楽しみに!

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