おりぜーの経済学教室~IS-LMって結局何なの?①~ by おりぜー

経済学・経済政策

皆様こんにちは。7回目の登場となりました、タキプロ12期の「おりぜー」と申します。

5回目のブログより日曜の夕方枠を3回頂き、「おりぜーの経済学教室」と題して、1次試験で登場する経済学・経済政策対策の躓きやすい部分をピックアップしてお話しております。(このため、対象は令和4年の1次試験を受験される方向けの記事となっておりますのでご容赦ください。)

・1回目のブログ(自己紹介、1次企業経営理論、SWOT分析のお話)はこちら
・2回目のブログ(2次事例Ⅰ、「構文」、ファイナルペーパーのお話)はこちら
・3回目のブログ(合格体験記)はこちら
・4回目のブログ(2次事例Ⅳ、基本原理の理解とポイントを確実に抑えるお話)はこちら
・5回目のブログ(おりぜーの経済学教室~弾力性とは?~)はこちら
・6回目のブログ(1次運営管理、設備総合効率のお話)はこちら

今回のテーマは「IS-LM分析の目的、IS曲線の正体」です。

■IS-LM分析の目的

経済学や数学が苦手な方にとって「頻出なのにしんどい」項目の一つがIS-LM分析ではないでしょうか?私なりの解釈ですが、IS-LMを一言でいうと「利子率(i)と国民所得(Y)の組み合わせの均衡点を探る旅」だと思うんですよね。(???)

IS-LMはマクロ・ミクロでいうとマクロの視点で話をしており、マクロ経済においては「どうしたら国民所得を無理なく引き上げることが出来るだろう??」ということが至上命題となります。ですのでこの分析の最終目的は、「縦軸を利子率(i)、横軸を国民所得(Y)とする、財市場(ISグラフ)と貨幣市場(LMグラフ)の均衡点をなるべく右へ移動させること」だと考えています。

■IS曲線の正体

それでは、IS曲線って何だ?というお話をします。
ISの正体は、「財市場における、総需要曲線と総供給曲線の交点の集合体です。」(????)

なかなかわかりづらくてすみません…。順を追って解説します!

「財」というのは、消費財やサービス財など世の中にあるお金以外のすべてのモノと考えてください。(普段イメージしているマーケットのことだと私は解釈しています)「総需要曲線(Y(D))」というのは、国民って所得(Y)を何に使うの?ということをグラフに表したもので、ここでの国民は消費、貯蓄、投資、国民からの税金を原資とする政府支出に使うと仮定します。数式にすると以下のようになります。

Y(D)=c(Y-T)+Co+S+I+G

「総供給曲線Y(S)」は国全体で生み出す所得のことを指しますが、これは国民所得と同義なので、式はY(S)=Yとなります。

※尚、総需要曲線や総供給曲線と聞いて、学習が進んでいらっしゃる方であれば「AD曲線」、「AS曲線」を思い浮かべる方もいるかとは思います。AD,ASは物価変動を考慮していますが、財市場のみに焦点を当てる今回のケースでは物価水準を一定として考えているという点で異なります。

この2式の交点の集合体がIS曲線なので、IS曲線上にある点は必ずY(D)=Y(S)を満たしており、「常に財市場が均衡している状態」ということになります。

つまりIS曲線を考えるベースの数式はY(D)=Y(S)
Y= c(Y-T)+Co+S+I+G となります。

また、利子率が下がると金融機関からの資金借り入れがしやすくなり投資が促進される(逆も然り)と考えると、利子率(i)と投資(I)には負の相関関係があると言えます。これを式にするとI=Io-biとなります。(bは投資の利子弾力性と呼ばれます。)

つまり、Y(D)=Y(S)の式を利子率(i)と国民所得(Y)を中心とする式に書き換えると次のようになります。

i={-(1-c)Y+Co+Io+G-cT}/b

これがIS曲線の正体です。
0<c≦1なので、この式から、IS曲線は「Yとiが負の相関関係にある左上から右下へ向かう線」ということがわかります。実際に利子率(i)を縦軸、国民所得(Y)を横軸にしたグラフにプロットすればテキストでよく見るIS曲線の形になるということです。

IS曲線とLM曲線の正体がわかってしまえばマクロ経済の50%は制覇したといっても過言ではありません。私は本番までに自力で曲線の式を算出できるようトレーニングし、本番では問題を開いたらすぐ、余白にISの式とLMの式を書くようにしていました。

明日はマーティーさんの登場です。
お楽しみに!

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