【事例Ⅲ】60点以上を取るために必要なこと ~13人の合格者から学ぶ「点が伸びる人の共通点」と50点台から抜け出せない理由~ by エイト

タキプロ17期の エイト と申します。
早いもので、今期6本目の記事となります。
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目次
■はじめに
事例Ⅲは、製造業を題材とした事例であり、製造現場に馴染みのない受験生にとっては、最初はイメージが掴みにくい科目だと思います。
一方で、事例Ⅲは「出題される論点が比較的明確」「改善策の方向性が見えやすい」という特徴があり、正しい学習を積み重ねることで安定した得点源にすることができる科目でもあります。
しかし、実際には「知識はあるのに点数が伸びない」「フレームワークを使っているのに50点台から抜け出せない」と悩む受験生も少なくありません。
私自身も、令和6年度は事例Ⅲで54点、令和7年度は58点でした。大きく外したわけではないものの、60点の壁を越えるためには何かが足りない、という悔しさを経験しました。
本記事では、過去のタキプロメンバーの実体験(直近1年間の事例Ⅲノウハウ記事13本)をもとに、それらを横断的に整理し、「点が伸びる人の共通点」および「50点台から抜け出せない理由」という観点で再構成しました。
事例Ⅲで安定して60点以上を狙うために、何を意識すべきなのかを5つのポイントに整理して紹介します。
■共通点① C社の「できないこと」を原因レベルまで掘り下げている
事例Ⅲで最も重要なのは、C社の現状を正しく把握することです。
50点台で止まる答案に多いのは、与件文に書かれている「症状」だけを拾い、その症状に対して一般的な改善策を当てはめてしまうことです。
例えば、
「納期遅延が発生している」
「在庫が過剰になっている」
「品質が安定しない」
といった事象だけを見ると、「生産計画の改善」「在庫管理の強化」「標準化」といった定番キーワードを書きたくなります。
しかし、高得点者に共通していたのは、その一歩先まで踏み込んでいたことでした。
「なぜ、その問題が発生しているのか」
「C社では、どの部分が本当の原因になっているのか」
という視点で、与件文から原因を探っています。
例えば、納期遅延という問題に対しても、
「生産計画を短サイクル化する」
だけでは、多くの企業に当てはまる一般論です。
一方で、
「営業部門と製造部門の情報共有不足により、生産計画の変更が頻発しているため、受注情報の共有化と計画精度向上を図る」
となれば、その年のC社の状況に沿った助言になります。
事例Ⅲでは、キーワードを知っていることではなく、「なぜその施策がC社に必要なのか」を因果関係で説明できるかが、得点を分けるポイントになります。
■共通点② 過去問を通じて「知識」ではなく「思考の型」を身につけている
13名の記事を読み比べると、多くの方が過去問学習の重要性について触れていました。
事例Ⅲでは、
• SWOT分析
• 生産計画・生産統制
• QCD改善
• 技術継承
• デジタル化・DX
• 成長戦略
など、頻出するテーマがあります。
しかし、重要なのは単純に多くの問題を解くことではありません。
私自身、1年目は平成19年度まで遡り、幅広い年度の過去問に取り組みました。しかし振り返ると、「多くの事例に触れること」自体が目的になってしまい、1つ1つの事例から深く学ぶことが十分ではありませんでした。
2年目は学習方法を変え、直近7年程度に絞り、同じ年度の過去問を繰り返し解きました。
例えば15事例取り組む場合でも、15年分を1回ずつ解くより、直近5年分を3回転する方が、設問の意図、C社の制約条件、答案の組み立て方を深く理解できます。
事例Ⅲで求められるのは、初見問題への対応力だけではありません。
過去問を通じて、「この状況なら何を疑うべきか」「どの方向で助言するべきか」という思考の型を身につけることが、本番での安定感につながります。
■共通点③ フレームワークを「答え」ではなく「思考を整理する道具」として使っている
事例Ⅲでは、4M(Man・Machine・Material・Method)、QCD、ECRS、DRINKなど、多くのフレームワークが存在します。
これらは非常に有効な武器です。
ただし、高得点者に共通していたのは、フレームワークをそのまま答案に出力するための「型」や「呪文」として扱っていなかったことです。
50点台で伸び悩む原因の一つは、知っているフレームワークを与件文に無理やり当てはめてしまうことです。
例えば、
「生産性向上のため多能工化する」
という回答は間違いではありません。
しかし、なぜ多能工化が必要なのかがC社の状況と結びついていなければ、一般論になってしまいます。
フレームワークは、与件文の情報を整理し、問題の本質を見つけるための道具です。
最終的な答案では必ず、
「C社では何が問題なのか」
「なぜその改善策が必要なのか」
まで落とし込み、その企業だけに向けた助言に変換することが重要です。
■共通点④ 製造業の「現場感」を補う努力をしている
「製造業で働いた経験がないから、事例Ⅲは苦手です」
という声をよく聞きます。
確かに、工場経験がある方は設備や工程をイメージしやすいというメリットがあります。
しかし、13名の記事を見ると、製造業経験の有無よりも、「現場感を理解するための努力をしているか」が重要だと感じます。
製造業未経験の合格者でも、
・工場見学動画を見ることで加工工程や設備配置を理解する。
・生産管理やトヨタ生産方式の書籍から現場改善の考え方を学ぶ。
・実際の製造工程を想像しながら過去問を読む。
といった工夫をされていました。
私自身も、製造業経験がない方ほど、可能であれば工場見学や動画視聴など、何らかの形で製造現場を自分事として捉える経験をおすすめします。
単なる暗記ではなく、
「この工程で問題が起きている」
「ここにムダが発生している」
とイメージできるようになると、与件文の理解度は大きく変わります。
■共通点⑤ 「C社らしさ」と「答案全体の一貫性」で差をつけている
最後に、13名の記事を通じて特に重要だと感じたポイントがあります。
それは、高得点答案ほど文章全体に一貫性があり、無駄がないということです。
高得点者の再現答案を見ると、単にキーワードが多いわけではありません。
「この会社は何を強みにしているのか」
「現在、その強みを阻害している問題は何なのか」
「その強みを活かして、今後どの方向へ進むべきなのか」
が、設問をまたいで一本につながっています。
逆に、設問ごとに別々の知識や定番フレーズを書いてしまうと、答案全体の一貫性が失われます。
私自身、本番で60点を越えられなかった理由も、知識不足というより、この「C社固有の状況へのこだわり」や「答案全体をつなげる視点」が不足していたことだと感じています。
今回整理した5つのポイントを本試験でもっと意識できていれば、さらに点数を伸ばせたのではないかと思います。
60点の壁を越えるためには、設問ごとに答えるだけではなく、答案全体でC社を診断する視点が必要です。
■おわりに
事例Ⅲは、製造業の知識量だけを競う試験ではありません。
C社の現状を正しく理解し、その企業に合った改善策や成長戦略を提案できるかが問われています。
今回、13名のノウハウと自身の経験を整理して見えてきた共通点は、
「知識を覚える」
「フレームワークを使う」
だけではなく、
「C社の問題の本質を見抜き、C社らしい一貫した答案を書くこと」
でした。
事例Ⅲは、正しい方向で過去問演習を積み重ねれば、安定した得点源にできる科目です。
ぜひ今回紹介した5つの視点を意識しながら、ご自身なりの事例Ⅲ攻略法を作り上げ、50点台の壁を突破して合格を掴み取ってください。
応援しています。
次回からは、特別企画として、過去の名作シリーズを7回にわたってお送りします。
お楽しみに!
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