事例Ⅲ攻略の方向性~初学者への若干のアドバイス~byヌノ

事例Ⅲ

読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ13期のヌノと申します。
今回、3度目の投稿をさせていただきます。
前回までの記事はこちらこちらです。

事例Ⅲに苦手意識を持っておられる受験生の方、結構多いのではないでしょうか。私もその一人でした。
今回は、実務経験もなく、運営管理(生産・技術)を初めて学んだ私が、事例Ⅲの学習を進めるにあたり意識していたことをご紹介いたします。

■はじめに

事例Ⅲは生産・技術についての問題です。
私は現職の弁護士で、その前職も公務員ですので、生産・技術に関する知識や実務経験は皆無です。
それでも何とか合格することができたのは、方向性を誤らない学習がはまったからではないかと考えています。

1次試験の運営管理を学習していたときから感じていましたが、事例Ⅲはとにかくイメージが湧かない!
そのため、学習中から試験本番までずっと地に足のつかない感覚を有していましたが、ふたを開けてみれば、問題なく合格することができましたので、以下に述べる学習の方向性は間違っていなかったのだと感じました。

私が思うに、(他の事例でもいえることですが)事例Ⅲにプロフェッショナルとしての発想は不要です。
事例Ⅲを解いているとき、「あ、ここが問題点になりそう!」「でもその改善策ってなんだ?」「工場で働いたことなんてないからわからない!!」なんて思った方はおられないでしょうか。
大丈夫、心配いりません。合格者の答案をみればわかりますが、書いてある内容は、与件文から読み取ることのできる問題点を前提に、「普通に考えればそうだよね」といえるような改善案を指摘すればそれで十分なのです。

具体的には、与件文から、例えば仕掛品の置き場が雑多で、作業に時間を要しているという問題点が指摘できるとします。
この場合は、(もちろんその事例の与件文から個別の事情を読み取ることができるのであれば別論ですが)「5Sを徹底する」といった程度の内容の改善策を提案できればそれで十分です。
現実世界において、中小企業診断士としてアドバイスする場合は、当然具体的にどのように5Sを徹底すべきかを伝えるべきでしょう。
しかし、与件文に事情がないのに、そこまで詳しく記載するのは、2次試験の関係ではむしろNGと考えた方がよいです。

あまり構えず、シンプルな思考で臨むのがコツのように思います。

■過去問に始まり過去問に終わる

これまでの記事でも力説いたしましたが、最優先すべきは過去問です。
過去問を解く中で、どのような事例において、どのような問われ方をされているのか体感し、実際の学習の方針を立ててください。
教材は1次試験で使用したテキストと、「ふぞろい」シリーズがあれば十分です。
今では、過去問の集積も進んでいますから、最新の過去問を初見で解くためにおいておくくらいはよいですが、失敗は恐れずまずは過去問を解いてみることが重要です。

過去問を離れた学習は有害無益とさえいえると思います。

■1次知識の復習も!

これまで私が投稿した記事も是非お読みいただければと思いますが、私は、2次試験においては、知識よりも論理(与件文及び与件文から確実に読み取れる事情を論理的に組み合わせて答案を作成する)を重視しています。
しかし、事例Ⅲについては、他の事例に比べて1次試験の知識が重要であると感じました。

過去問を見ていると、例えば、マン・マシン・チャートや、在庫管理に関する表の読解などが出題されることがあります。
これらの表を基に、C社が生産管理・生産統制上どのような問題を抱えているかを分析する必要がありますが、そのためには1次試験の知識が必要となります。

事例Ⅲの学習においては、知識の正確な理解のために費やすことのできる時間の比重が、他の事例の学習に比べて多少多くならざるを得ないと思います。
最も優先すべきは論理と、その前提となる与件文であることは事例Ⅲにおいても変わりありません。
しかし、事例Ⅲでは、そのさらに前提の部分に専門的知識が含まれますので、この点は注意が必要です。

■ありがちな問題点・課題を把握しておくこと

事例Ⅲに出てくる企業の業種は様々であり、中々イメージを持ちにくいという難しさがありますが、実は、問題点はある程度共通しています。

・作業者や機械に待ち時間がある
・段取り替えに長時間を要する
・統一コードが制定されていない
・材料の置き場が一定でなく、その都度変わる
・在庫期間、数にムラがある
・ロットが過大→在庫過多
・生産計画に制定がこまめになされていない
・5Sが徹底されていない
・ベテランの能力頼みで工程のマニュアル化、標準化が進んでいない
・部署ごとの連携が取れていない、部署ごとに別々の生産計画が策定されている
・モノの移動が多い…etc

過去問を解いた際、どのような事実が問題点であり、合格者がどのように改善案を整理・提案しているかをまとめるのは、有効な学習法ではないかと思います。
しかし、過去問と全く同じ事例が出て、同じことが問われることはありません。

過去問は、いうなれば広大な宇宙に散らばる星々です(自分で言ってて恥ずかしいですが、、)。
事例で問われる領域を事前に予測することはできず、まさに宇宙並みに広大ですが、過去問で問われた問題点を手掛かりに、当該事案においてどのような改善案を提案できるか、与件文の事情も前提に検討すれば、大外しすることなく、一定の評価は得られると思います。

ただし、与件文を離れて、過去問で得た知識を披露するような、いわゆる「知識披露型答案」「金太郎あめ答案」では、良い評価は得られないでしょうから、「与件文に即する」ことは絶対に忘れてはなりません。

■おわりに

受験生の皆様は、1次試験を間近に控え、緊張感をもって学習されていることと思います。
人によっては択一の学習がつらいと感じられる方もおられるのではないでしょうか。
1次試験の学習により身に着けた正確な知識は、ある程度2次試験にも役立ちますから、その点もモチベーションの一つにして、最後まで走り切っていただきたいと思います。


次回はみっちーさんの登場です。
お楽しみに!

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