休み時間は「勉強しない」が正解だった by あおなぎ

こんにちは。タキプロ17期の   あおなぎ と申します。  

今回のテーマは2次試験当日の戦い方です。
2次試験当日までは、まだ4か月半近い時間があります。「当日の話なんて、まだ早いのではないか」と思われるかもしれません。

しかし、5度の受験を経験して思うところは、「当日のシミュレーションは、どれだけ早く始めても早すぎることはない」ということです。

2次試験は、それまでに積み上げた勉強量だけでなく、「当日、あの会場でどう立ち回るか」という体力やメンタルのコントロールが合否を大きく左右します今回は、計5回の本試験を通じて身をもって学んだ「当日の過ごし方」について、実体験をもとにお話しします。

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■司法試験や二回試験を経験しても、診断士の2次試験はきつかった

少し毛色の違う話をさせていただきます。
私は弁護士になる際、司法試験、そして司法修習の最後に関門として立ちはだかる「二回試験(司法修習生考試)」を経験しています。

特に二回試験は、昼食時間を含めて1日約7時間半に及び、これが5日間にわたって実施されます。昼食も食べながら試験に向かい続けるという、かなり過酷な試験です。
こうした重めの試験を経験していたこともあり、当時の私は「それなりに試験慣れはしており、1日で終わる診断士の試験ならなんとかなるだろう」と、どこか余裕をかましていました。

しかし、本番に臨んでその慢心は打ち砕かれました。
中小企業診断士の2次試験の1日は、それまで経験した試験とは全く質の異なる、非常にハードなものだったのです。

診断士の2次試験は、80分ノンストップの極限状態を、わずかな休憩を挟んで1日に4回も繰り返します。脳をフル回転させ続け、体力が限界を迎えたその最後に、緻密な計算を要求される「事例Ⅳ」が待ち受けています。

それまでの試験のような「長距離走」とは違い、診断士の2次試験は「400メートルを4本、すべて全力疾走で駆け抜けるインターバル走」のようなもの。だからこそ、当日の体力マネジメント(いかに各本数の間で回復するか)がすべてを決めます。

■合否を分けた「休み時間」の過ごし方

私が5年目にようやく合格を掴み取った背景には、この過酷な1日における「休み時間の過ごし方」の変革がありました。もちろん勉強面での改善も重ねてきましたが、合否を分けた要因として、この「休み時間の使い方」が大きかったと思います。

【不合格だった年】:知識を詰め込み、脳を酷使し続けた

不合格だった年は、1分1秒が惜しくて、休み時間も机にしがみつき、ノートを最後まで読み込んでいました。次の事例に向けた最後の悪あがきに必死だったのです。

しかし、これこそが落とし穴でした。
脳に一切の休息を与えなかったため、事例Ⅲが終わる頃には頭が完全に働かなくなっていました。その結果、注意散漫になった状態で事例Ⅳに突入し、ケアレスミスを量産。毎年B判定を見てうなだれていました。

【合格した年】:徹底的に「脳を休める」に徹した

5年目は、休み時間の使い方を180度変えました。
試験が終わった後、次の事例に向けて5分だけノートに目を通したら、あとはただ目をつむって脳を休めることに徹したのです。終わった事例の出来不出来を振り返ることも完全にやめ、思考をシャットアウトして切り替えを行いました。

結果として、最後の事例Ⅳの開始ブザーが鳴ったとき、私の脳には驚くほどクリアな集中力が残っていました。おかげで、4年間私を苦しめてきた「本番のうっかりミス」を防ぐことができ、手応えのあったNPV問題ではおそらく満点を取ることができたのです。

「休み時間は、知識を入れる時間ではなく、脳をリセットする時間」。
これが、私が5年かけてたどり着いた結論です。

■当日のアクシデントとまさかの結末

どれだけ準備をしても、当日は想定外のアクシデントが起こるものです。
私の3回目の2次試験のときのことです。

試験が始まった瞬間、隣の席の方の激しい「貧乏ゆすり」が始まりました。机がかすかに振動するほどの勢いで、事例Ⅰの最中、気になって全く集中できません。

「このままでは残り3事例が崩壊する」。 そう危機感を抱いた私は、事例Ⅰが終わった後、試験官の方のところへ行き、状況を伝えて注意をしてもらいました。その後は隣の方も多少落ち着きましたが、事例Ⅰで集中を乱されたダメージは大きく、私のメンタルはすでに大きく揺らいでいました。

当日の試験会場には、どんな環境やトラブルが待っているかわかりません。あらかじめ「何かしらのアクシデントは起こるものだ」と心づもりをしておくだけでも、いざその場面に直面したときの焦りは半分以下になります。もし「これ以上は集中できない」と感じるトラブルがあれば、休み時間中にためらわず試験官を頼るなど、冷静に対処する勇気を持ってください。

……実は、このエピソードには、本当に伝えたい「もう一つの教訓」があります。

あれだけ「隣が気になって全く集中できなかった」と絶望していた事例Ⅰですが、後日、得点開示をしてみて驚きました。なんとA判定で、4つの事例の中で一番点数が良かったのです。
つまり私は、「事例Ⅰがダメだった(と思い込んだ)」ことで勝手にメンタルを崩し、その焦りを事例Ⅱ以降に尾を引かせて自滅してしまっていたのです。

人間の主観的な「できた・できなかった」の感覚ほど、当てにならないものはありません。本番中、もしトラブルに巻き込まれたり、手応えが最悪だったりしても、結果は最後までわかりません。前の事例の結果に心を奪われず、目の前の事例に集中し、どうか最後まで、自分を信じて走り抜いてほしいと思います。

■おわりに

2次試験当日の戦いは、まだ先の話に見えるかもしれません。しかし、直前期になって急に「休み時間に何もしないで休む」「本番でアクシデントがあっても動じない」というのは、思っている以上に難しいものです。

日頃の過去問演習や模試を活用して、「80分を解き終えたあとに意識的に思考をシャットアウトして脳を休める練習」をしてみてください。
今からの小さなシミュレーションの積み重ねが、秋の本番当日、あなたを救う最大の武器になります。

みなさんが当日、最高のパフォーマンスを発揮できることを応援しています!

次回は、こう さんの登場です。 

お楽しみに! 

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